昨年11月に撮影された右写真は内閣広報室提供(ロイター=共同)

【政治】トランプ大統領就任の影響

1月20日の正式就任で米国はトランプ色に染まる。米国に利益をもたらす話にしか乗らなくなる。安倍首相はトランプ次期大統領と27日に首脳会談を行い、強固な日米関係をアピールします。しかし、最終的には在日米軍費用の負担増を押しつけられる」

 と政治評論家の浅川博忠氏は話す。国内の米軍基地にお引き取り願う手もあるが……。

トランプ氏は“日本からカネを巻き上げた”という実績がほしいんです。米軍基地はなくなりません。安倍首相は憲法改正に向けた動きを加速させるでしょう」(浅川氏)

 ということは、米国にやられっぱなし。衆院解散・総選挙が噂される中、危険な憲法改正も現実味を帯びてくる。

【政治】小池都知事の正念場

 一方、国内で最も注目されるのは東京都の小池百合子知事。2月に都議会定例会を控え、夏には都議選がある。

「小池知事と都議会自民党は完全決裂状態です。ところが都議会与党を組む公明党が小池知事に近づいたため、都政は戦国時代の様相を呈してきました。小池新党が公明党と連携するようなことになれば、勢力図は大きく変わります

 とジャーナリストの大谷昭宏氏。小池氏の人気維持のポイントは、自民党籍の取捨選択にあるという。

「自民党籍を持ったまま新党結成はありえない。どこかでケジメをつけないとダブルスタンダードになり、信頼を失います。もうひとつの課題は“この人に任せたい”という有能なブレーンをつくれるかどうか。夏の都議選までに正念場を迎えます」(大谷氏)

 豊洲新市場への移転、五輪会場の経費など問題は山積。小池知事の覚悟が問われる。

【経済】景気回復のカギは観光産業と高齢者

 景気はどうか。経済ジャーナリストの堀浩司氏は“給料は上がる”と読む。

'12年から'15年まで3年連続で平均給与は上がっているので、今年もこの流れで給与が上がると思います

 しかし、爆発的な景気回復はなさそう。飲食店などサービス業では人手不足が常態化し、特に深刻なのは観光産業だという。

「昨年10月末時点で年間の訪日外国人は2000万人を突破しました。政府は'20年までに年4000万人を目指していますが、すでに観光客数は飽和状態です」(堀氏)

 宿泊施設のキャパシティーは限界。しかし、課題は数よりも“質”だという。

「例えば京都の場合、外国人の観光客は増え、日本人の観光客数は減っている。京都市が“おもてなし度”を調査したところ、'15年は半数以上が“おもてなしを感じられなかった”と答えた。質が悪くなると観光客は離れます」(前出・堀氏)

 カギを握るのは、定年退職した高齢者。

観光産業は高齢者の方でもできる仕事が多い。中小規模の観光都市で雇用創出が期待できます」(同)

【経済】プレミアムフライデーの効果は?

 さらに働き方が変わるかもしれない。経産省は2月末から、毎月の最終金曜日の終業時間を午後3時にするよう各企業に呼びかける。『プレミアムフライデー』といい、夕方から買い物や旅行などを楽しんでもらう狙いだ。

「お金が回り景気回復の期待もあります。“商品は安ければいい”という流れを感じますが日本の商品は質がいい。適正価格で販売されて適正な評価を受けるべき商品が再評価されるキッカケになればと思います」(経産省・広報)

 しかし、その期待は薄いというのは、前出の堀氏。

早めに仕事が終わるくらいで消費につながるとは思えません。将来に期待が持てないと長続きしないと思います

 時間があってもお金がなければ寝るしかない!?

【トレンド】高級炊飯器市場がアツい

 トレンドでは“ごはん戦争”が勃発寸前。商品ジャーナリストの北村森氏は、「高級炊飯器市場で名古屋VS東京の精鋭メーカーが対決し、大旋風を巻き起こす」と予測する。

鋳造メーカーの愛知ドビーが昨年12月に発売した『バーミキュラ ライスポット』は予約販売から約1か月半で予約台数1万台を突破。この数字は驚異的です」(北村氏)

 鍋で炊くごはんはおいしい。プロの料理人が張りついているように、ワンタッチで火加減を調整してくれるのがミソ。

「発売直後に入手してテストしたところ、おいしいごはんが炊けるだけでなく、ローストビーフを焼くと美しいロゼになり、野菜は水を1滴も加えず煮炊きできました」(北村氏)

 同社広報によれば、増産を予定しているというが「手作業の部分があり、現在4か月待ち」だという。

東京の家電メーカーのバルミューダが発売予定の炊飯器にも注目です。同社の『ザ・トースター』はスーパーで安売りしている食パンがホテルのトーストに化ける。普通の炊飯器は出してこないはず。大手メーカーも黙っていないでしょう」(北村氏)

【トレンド】お菓子、カップラーメン、スマホ…

 その他の食品でもメーカーや流通が工夫を凝らした商品が続々。

 親しみのあるお菓子の変化球を味わえると話題を集めているのは、ブルボンが昨年8月に発売した『ルマンドアイス』。新潟、富山、石川、福井の4県のみでの限定販売ながら、「想像以上の売れ行きだった。今年は販売エリアを広げたい」と同社広報。

 セブン&アイホールディングスは、ミシュラン一つ星をとった東京・巣鴨の『Japanese soba noodles 蔦』の味を再現したカップラーメンをセブン&アイグループ各店で1月9日より販売する。

「閉店した店や、遠方の有名店のラーメンを今年も商品化していく」(同社広報)方針だ。

 スマホはどう進化するか。ITジャーナリストの法林岳之氏は「望遠と広角の組み合わせなど2つのカメラが搭載されている機種が出てきました。iPhoneの新型は液晶よりも明るい有機ELがディスプレーに採用されるといわれています」

【右】税別7万9800円(!)の「バーミキュラ ライスポット」はプロの料理人のような火加減を調整してくれるという。【左上】ルマンドアイスは「神レベルにウマいらしい」とネットでも話題に。【左下】ミシュラン一つ星をとったラーメン店の味をカップラーメンで再現!?