毎年のように皇太子ご一家は雪深い長野県の奥志賀を訪れてスキーを楽しまれている('05年2月)

「2月16日に皇太子ご夫妻は、都内で開催中の特別展『春日大社 千年の至宝』で重要文化財などを鑑賞されました。雅子さまは中世の太刀や屏風などの国宝を熱心にご覧になっていましたよ」(宮内庁担当記者)

 その1週間前には、日本とデンマークの外交関係樹立150周年を記念した絵画展『スケーエン デンマークの芸術家村』の開会式にも出席して、お元気な様子を見せていた雅子さま。

 積極的に公務に参加され、18〜20日には北海道・札幌市で行われる『冬季アジア札幌大会』に両陛下のご名代として出席される予定だったのだが─。

“寒い時期”であることと“2泊3日という日程の長さ”が雅子さまのお身体には負担が大きいとして、出席が見送られることになりました。当日は皇太子さまだけが出席されます」(宮内庁関係者)

 雅子さまが2泊3日の地方公務に参加されるのは'07年に徳島県で開催された『国民文化祭』以来、10年ぶりとなるはずだった。

 欠席理由である「旅程」と「寒さ」について、新潟青陵大学大学院教授で社会心理学者の碓井真史さんは、「長期療養が始まってから13年が過ぎた『適応障害』が関係しているのでは」と話す。

心の問題というのは、その日によって状態が違います。例えば1週間後に2泊3日という宿泊を伴う公務が予定されていても、必ず出席するという約束ができないんです。

 一般の人であれば当日に急に休むということができますが、皇室の方々はそれができません。今回は最初は大丈夫だったけれども、日程が近くなったところで、ご出席が難しくなったのだと思います

 2月の北海道は平均気温が氷点下の極寒。とはいえ毎年3月ごろ、ご一家で志賀高原にスキーに行かれている雅子さまは「寒さ」は決して苦手ではないはずだが─。

心と身体は密接に関係しているので、体調が悪くなると心にも影響が出ます。寒さで公務を欠席したのに、スキーに行かれると疑問に感じる人は多いと思いますが、同じ寒い場所でも“くつろげる寒さ”と“緊張する寒さ”では心に与える影響が違います。

 今回は公務という緊張感があるので“寒さ”を不安視したとも考えられます」(碓井教授)

 最近は元気そうなご様子だっただけに、北海道で待ちわびていた人々も少なからず落胆していることだろう。

開催地である札幌は本当に残念に思っているでしょうね。こういった行事は、皇太子ご夫妻おそろいでいらっしゃることに意味があるのです。

 何年も前から両陛下や皇太子ご夫妻が出席なさると思って準備しているので、地元の方も期待していますから

 そう話すのは、皇室を長年取材するジャーナリストで文化学園大学客員教授の渡邉みどりさん。

「26年前に秋篠宮ご夫妻が結婚された直後、おふたりは、冬季国体の公務で新潟県の魚沼に行かれました。そのときはとても吹雪いていて、おふたりは雪だるまのようになりながらも公務を果たされたのです。

 そのようなお姿を見た地元の方は喜ばれていて、長く印象に残っています」(渡邉さん)

 両陛下も全国各地をたびたび訪問され、多くの人々と触れ合ってきている。雅子さまの札幌訪問も周囲からの期待は大きかっただろう。