『白い巨塔』『不毛地帯』『沈まぬ太陽』の山崎豊子原作『女の勲章』(フジテレビ系 4月15日・16日、夜9時~)を、松嶋菜々子主演で映像化。戦後、自立するために服飾の世界で生き抜くことを決意したヒロインと、彼女を取り巻く男女の愛憎劇を描く。

 プロデューサーが語る、“女性の活躍”が謳われる現代の原点ともいう作品の見どころとは──。

山崎豊子原作の『女の勲章』(c)フジテレビ

松嶋菜々子の演技は修羅場さえ切なく、美しい

 舞台は、女たちの欲望が渦巻くファッション業界。戦後まもなく、戦争で家も家族も失った大阪・船場のお嬢さん育ちのヒロインが、ミシンひとつで身を興す。そして起業家、デザイナーとして、世界へ羽ばたいていく──。

 数々の大作で知られる山崎豊子の同名小説が原作。太田大プロデューサーは、数ある山崎作品の中でも稀(まれ)な、女性が主人公の本作を、ぜひドラマ化したいと考えたという。

「女性の社会進出はずっと叫ばれてきましたが、昨年の小池百合子東京都知事の誕生のように、女性が都政のトップにまで上りつめる時代。山崎先生の『女の勲章』には、現在、社会で活躍する女性たちの原点のようなものが描かれていると感じたんです」

 ヒロイン・大庭式子を演じる松嶋菜々子は山崎作品初出演で、「たいへん光栄であり、身が引き締まる思いがしております」と原作を読み込んで撮影に臨んだ。

 そんな松嶋を太田Pは、

「力強く時代を生き切った式子を、彼女同様、気品があると同時に潔くどこか儚(はかな)げさも持ち合わせている松嶋さんに演じていただきたいと思いました。凛として、そこにいるだけで空気がきれいになるように感じさせる松嶋さん。本作ではドロドロの愛憎劇も描いていますが、松嶋さんが演じると品があり、修羅場さえ切なく、美しく見えます

 式子の弟子で、恋敵ともなる3人の女をミムラ、相武紗季、木南晴夏が、式子の前に立ちはだかる大物デザイナーを浅野ゆう子がそれぞれ演じる。また、“影の主人公”ともいえ、ビジネス・パートナーの式子をはじめ、女たちを次々と魅了し、翻弄していく八代銀四郎役で、玉木宏が出演する。

200着にも及ぶレトロな衣装にも注目

山崎豊子原作の『女の勲章』(c)テレビ朝日

「ドライで狡猾で強引だけど、その部分も魅力に感じる銀四郎を、説得力を持って演じられるのは、玉木さんしかいないと思いました。ビジュアル、声、身のこなしに加え、大阪ことばを駆使することで銀四郎のえげつなさも不快でなく、スマートに感じると思います。

 物語は式子のサクセス・ストーリーに終始していません。登場人物それぞれの心情まで描いています。誰もが他人を蹴落としてのし上がっていくのではなく、自分が精いっぱい生きるために人にぶつかっていく。

 不器用だけど、必死で生き抜こうとしている姿を見ていると、活力が湧いてくるかと思います。ミステリーでもサスペンスでもないけれど、その人間模様にドキドキ、ハラハラしていただけるはずです」(太田P、以下同)

 愛憎劇にラブロマンスと、夢中になれる展開はもちろんだが、何よりの見どころは、レトロモダンなファッションとセットだ。

「まず、目で見て楽しめる映像に仕上がっています。“映像がきれいだった”と思っていただければ、本当に光栄です(笑)」

 式子の衣装だけでも60点。そのうちの10数点は『Yohji Yamamoto』、『Alexander McQueen』などでキャリアを積んだ中井英一朗氏のオリジナル。ほかにも主要女性キャストやファッションショーでモデルが着用するドレスまで含めると、200着にもおよぶ衣装が登場する。

「どの衣装も舞台である日本の高度成長期のものを研究したうえで、現代の人が見ても素敵と思えるように心がけています。美術セットやロケ先のセレクトも同様です。当時の建物やインテリアでも古く汚れていると、不自然なので、昔のものだけど、今見ても美しい品々を探し求め、奔走しました」

 おびただしい数の衣装、スタイリングにもこだわり、撮影現場は集中力が高まり、キャスト、スタッフは全力投球。

「印象的だったのは、パリでの撮影です。銀四郎との関係や仕事上の重責など、さまざまなものから式子が解放されるのですが、パリに到着したときの式子の表情は秀逸です。早朝の撮影でしたが、松嶋さんは非常に晴れやかな表情で、式子の気持ちを表現してくださいました。パーフェクト以上の演技です!」

 式子は“女の勲章”を手にすることができるのか? にも注目を!