大渕愛子とヘルメット

 5月20日に大渕愛子が《生まれた時から少し気になることがありました 頭の半分、左側が絶壁になっていて、全体的に歪みがありました》とブログに記したのは、わが子の頭の形に関する不安だった。

「『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)で知られるようになった弁護士の大渕さんは、'14年に俳優の金山一彦さんと結婚。

  '15年3月に長男、昨年12月に次男を出産しています。現在はタレント活動をセーブしていて、子育てにかかりきりのようです」(テレビ誌ライター)

 次男の頭の形が心配になった大渕は“頭の形外来”へ。レントゲンを撮った結果、病気ではないことがわかり、ひと安心したものの、“斜頭の程度が重い”と診断された。

《お腹の中からの形状だから治りにくいようです でも、治すにはあまり時間がない悩みましたが、先生や家族と相談のうえ、治療用のヘルメットを作ることにしました》

 ヘルメットで治療するなんて聞いたことがないが、いったいどんな方法なのだろうか。大阪市立総合医療センター形成外科部長の今井啓介医師に、ヘルメット治療について聞いた。

“頭蓋形状誘導ヘルメット”といって、もともとはアメリカで使われていたものです。4年ほど前に日本でも取り入れられ、今は全国に250人以上の患者さんがこの治療を受けています

 ヘルメットの重さは1つ200グラムほどで、外側はプラスチック、内側はポリウレタンでできている。

スキャナーで頭の形を読み込んでアメリカに送ると、1週間くらいでオーダーメードが届きます。年齢としては4~5か月くらいに装着するのが理想ですね。それ以降は自我が生まれてしまい、自分ではずそうとしたりするので推奨していません。治療期間は半年くらいです」(今井氏)

 保険は効かないので、治療費込みで30万~40万円ほどかかってしまうそう。頭の形はどうしても直さなければいけないものなのだろうか。

「頭が斜めになっていると耳の位置がずれて、メガネもオーダーメードしなければならなくなります。女の子は三つ編みなどの髪型がまっすぐできなかったりすることもありますね」(今井氏)

 大渕は《痛みは全くないそうですが、違和感はあるだろうし、これからの季節、暑いだろうし…と色々と心配です》と綴っていて悩んだ末の選択だったようだ。実際に娘にヘルメット治療を施し、絶壁を克服させたという、30代女性のAさんに話を聞いた。

お風呂のとき以外は、寝ているときも常に装着しておくように言われました。夏場は汗をかくので、気をつけてふいてあげることが大切です。

 日本ではヘルメット治療が知られていないので、ベビーカーに乗せて外を歩いていると、“ケガでもさせてしまったの?”と思われてしまうのは困りましたね(笑)

 病気というわけではないので、Aさんがこの治療法を選んだのは“親のエゴ”ではないかという葛藤もあったそう。

それでも、子どもが大きくなってコンプレックスに思ったりするのだったら、後悔のないようにやろうと思いました。4歳になった娘はヘルメットをかぶっていたということは覚えているみたいですが、嫌だったという記憶はないようです」(Aさん)

 実際に不安がっていた大渕も、26日のブログで初めてヘルメットを着用した息子が泣かなくてひと安心、と綴った。

 いつかきっと子どもに“頭の形のきれいな子に育ててくれてありがとう!”と言われる日が来るのだろう。