舞台で輝きを放ち、生で会える(見られる)俳優が本当に仲のいい俳優を指名してトークする「生で会えるイケメンリレー対談」、通称“生イケ対談”連載。

 第11回は、崎山つばささんが荒木宏文さんを指名! 『週刊女性』本誌(2017年6月20日号)のスペシャル対談の続きを、たっぷりお楽しみください。

左から崎山つばさ、荒木宏文 撮影/森田晃博

「告白してこないから私には興味ない」と諦めないで、全力でPRしてほしい(笑)

――『週刊女性』本誌掲載の対談で、荒木さんは崎山さんから1度恋愛相談をされたと話していましたね。たしかに、荒木さんには恋愛相談したくなる感じですけど(笑)。

荒木 マジですか? でも女性には相談されますよ。ただ俺、独身芸人さんたちによく言われるんですけど、「お前こっち側の人間だから、一生結婚できないからな」って(笑)。欠陥品らしいっす、恋愛に関しては。

崎山 アハハハハ! 僕もそっちですよ、たぶん。

荒木 ああ、そう。じゃあ、お互い相談すらしないと思います(笑)。

崎山 ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の星野源さんがやってた独身貴族のキャラクターにめちゃくちゃ共感しましたもん。

――人と暮らすのが面倒くさいとか?

荒木 そこまでではないですね。

崎山 でも、ヒロくんもプライベートゾーンに入ってきてほしくないってタイプ
ですよね?

荒木 うん。恋愛に関してはなかなかの面倒くささだと思います、俺は(笑)。

――これやられたらダメってことは何ですか?

荒木 センスがないこと。しかもその良し悪しの判断は俺のさじ加減なんで(笑)。

崎山 アハハハハ!

荒木 怒り方ひとつとっても、センスが出るじゃないですか。例えば靴下脱ぎっぱなしにしてる旦那さんに対して、明日から直してくれるかもしれないという期待感を持って注意できつつ、奥さんは気持ちよく靴下を洗濯カゴに入れられるか。で、怒られた旦那さんも、気分悪くならずに明日から改善できそうな言い方って、相当センスがいるでしょ。そういうことができる人じゃないとダメ。

 しかも、彼女が何でもやってくれることって、すごくありがたいんですけど、「お前は何でもやってくれるのに、俺は何もしてあげられないんだよ!」って、イーブンな関係じゃなくなってるのが、ストレスになっちゃうこともあるんですよ。

――面倒くさい(笑)。荒木さんの理想のタイプは?

荒木 何事においても寛大な人。たまに(自分が)理不尽な怒り方をするときもあると思うんで、それすらも許してくれるような(笑)。

崎山 アハハハハ!

荒木 でも怒られないことも嫌なんで。

崎山 ああ~、わかります! 優しすぎてもちょっと嫌なんですよね。

荒木 そう! ちゃんと喝は入れてくれる人がいい。

崎山 それはほんとに思います。たまには「ちょっとダメだよ」っていうのを、うまーく言ってほしい(笑)。

荒木 そこに対して、こうストレスなく「うるせぇバカ!」って言える相手であってほしいんです。それがすごいケンカにもならないみたいな。

崎山 だから、お母さんがちょうどいいんじゃないですか?

荒木 そうそう! 母親気質を持ってないとたぶん無理な気がする。

――好きになった女性にはどうアプローチします?

崎山 バシってくる人がなかなかいないから、現れたときは本気出しますよね。

荒木 うん。言わないと耐えられないと思います。でも、女性から好きになられたほうが、好きになる可能性高いと思う。

崎山 ああ~、それ超わかります!

荒木 全身全霊をもって自分を愛してくれる人の愛情を感じたときに、相手を好きになれる可能性のほうが高い。自分が誰かを好きになるより。だから、この人告白してこないから、私に興味ないんだなっていうふうに諦めないでほしい。全力でPRしてほしい(笑)。

崎山 アハハハハ! 気になってなくても、告白されると気になるみたいな。

荒木 グイグイきても大丈夫です。ほんとに嫌だったらあしらうし(笑)。むしろあしらって避けてからのアプローチの仕方がセンスあったら、キュンとくるかもしれない。好き勝手言ってますけどね(笑)。

崎山 すごくわかるわ~。一緒です(笑)。

左から崎山つばさ、荒木宏文 撮影/森田晃博

――結婚願望はあります?

荒木 憧れはありますけど、諦めてもいますね。

崎山 僕は願望ありますよ。ヒロくん、俺くらいのときはどうだったんですか? 27歳くらいのとき。

荒木 6年前は、頑張ってた地道に(笑)。やっぱり20代の間で結果が出なかったときの諦め方はハンパない(笑)。

崎山 アハハハハ!

荒木 30越えがターニングポイントになってくる(笑)。

崎山 確かにそうですね。

友達よりもたち悪くて、兄弟よりも質のいい関係

――普段はどういう友達関係なんですか?

崎山 すごくちょうどいいところなんですよね。兄弟っていう感じもあるし。でも友達だと恐れ多い(笑)。

荒木 たぶん友達よりもたち悪い(笑)。

崎山 アハハハハ!

荒木 でも、血がつながってないぶん、お互い道徳心を持って付き合える。兄弟よりも質のいい関係じゃないですかね。たち悪いっていうのは、お互いに用件しか言わないから(笑)。

崎山 ああ~確かに。

荒木 それが許される関係というか。誘うとき「明日何してる?」から聞くんじゃなくて、「○○行きましょうよ!」「いつ?」「明日!」「無理!」「わかった!」みたいなやりとりができる。

崎山 だいたい僕から言っちゃうんですけどね(笑)。

荒木 そういう意味では、俺もつばさに気を使ってる部分ってない気がするし。

崎山つばさ 撮影/森田晃博

――いきなり「服買いに行きましょう!」みたいな?

崎山 そう。ヒロくんが着てる服が、結構(自分に)ヒットしてて。古着って聞いて、「僕も古着好きなんで、今度買い物連れてってください」って言ったら、「いいよ。いつ?」「この日どうですか?」って。そんな感じで下北沢の古着屋めぐりに付き合ってもらいました。

荒木 僕は、いつもは平均7~8時間は回るんですけど。でもその日はつばさが歩ける範囲で回ることにして。

崎山 そんなに長時間回れないだろうと思ってましたけど、全然、回れました7~8時間(笑)。ヒロくんの店の回り方がウマいんですよね~。

荒木 一人で買い物するときは、オープン前から店をマーキングするんですよ。朝9時半くらいから辺りを全部回って、ウインドーショッピングを先にすませておくんです。で、動くルートを考える。

崎山 何がすごいって、ヒロくんがお店で見てて、“コレいい”って思ったものがあったとしても、それを「いいですね」って僕が言ったら譲ってくれるんですよ!

荒木 アハハハ! その日はつばさの買い物のために行ったんで。

崎山 今日着てるシャツはヒロくんに選んでもらったやつです。

――一緒にいて意外だなと思うところはあります?

崎山 買い物してて思ったのは、ヒロくんがカバンを探してて、結構ヒットしたものがあったのに、そこでは買わずに、他もネットで検索してて。パッと買わなかったので、そこはちょっと意外でした。

荒木 つばさの意外なところは、朝から濃いものを食べる。あったかいお茶ですませそうなイメージなのに、意外じゃない?(笑)

崎山 俺、何食べてました?

荒木 稽古場で見てたら、コンビニのパスタとか。それもミートソースとかカルボナーラとかのガッツリ系。

崎山 ハハハ。しょうが焼き弁当とかも食べてますね(笑)。

――改めて、俳優としてお互いリスペクトしているところは?

荒木宏文 撮影/森田晃博

崎山 ヒロくんは人柄もそうですけど、お芝居もクッションなんですよ。常に何がきてもいいよっていう姿勢で。何も決めずに僕から芝居を変えていっても、きちんと成立させてくれる人なんで、それはすごくリスペクトしてますね。

荒木 いや、うれしいですね。舞台は生ものなので、何が起きてもいい状態を作っておくのが僕の中ではモットーでもあるから、そういうふうに共演してるキャストが安心して演じてくれてることは、心からありがたいなと思う。

崎山 こちらこそ感謝してます。

荒木 つばさは今、恵まれた環境で流れの激しいところにいて、そのスピードの中で自分が何をするべきかを常に考えて、結果を出し続けてる。それは、本当につばさの努力と才能だと思いますね。すごい役者だと思う。

崎山 いや~うれしい! 今、めちゃくちゃ心の中はテンション上がってます(笑)。

――ミュージカル『刀剣乱舞』が終わったばかりですが、次はどんな作品で会いたいですか?

崎山 ストレート(*)で兄弟役とかやってみたい。逆でもいいですね、僕がお兄ちゃんでヒロくんが弟役っていうのも面白いかなって思う。

荒木 つばさが言うと、それ実現しそうで怖い(笑)。

(*編集部注:ストレートプレー。歌唱を含まない演劇のこと)

スペシャルQ&A【崎山つばさ編】

――荒木さんには言ってないけど、感謝していることは?

崎山 ミュージカル『刀剣乱舞』~三百年の子守唄~で、僕が演じる「石切丸」とヒロくんが演じる「にっかり青江」はペアみたいなところがあって、二人で芝居するところが多いんです。そこで、僕がわからなかったり迷ったりするところがあると的確にアドバイスをくれるので、それはすごく助かるし安心できます。何を投げかけても、全部ちゃんと返してくれるっていう安心感があって自由にさせてもらってるので、そういう部分はすごく感謝してますし、ほんと勉強になりますね。

――荒木さんに直してほしいところは?

崎山 僕もそうなんですけど、割と何考えているかわからない寄りの人なんですよね。あんまり喜怒哀楽とかも表に出さないし、なんか常にゆらゆら揺れてる感じで。なんていうか……もうちょっと僕をいじってほしい(笑)。「コーラ買って来い」とか言ってほしい(笑)。ヒロくんは優しすぎるから、もう少し先輩風を吹かせる部分があってもいいなと思います。でもそれぐらいですね。だって、ないもん、悪いところ!(笑)

――スマホの今の待ち受け画面は?

崎山 箱根神社の鳥居。撮ってみたらよかったんで待ち受けにしました。2月にオフの日があって、役者友達と二人で箱根神社と九頭龍神社に行って。結構、縁結びが強いパワースポットらしくてお仕事関係でもすごくご利益があるって聞いて、それは行きたいと思って。で、ついでに温泉も入りたいなと(笑)。お参りしたあとに、友達は結構いい役をいただいたらしくて、“ご利益あったー!”って連絡が来ました。待ち受けのロック解除の画面は、写真集で撮影した両親と兄と愛犬と僕の家族写真にしてます。

――あなたにとって愛とは何ですか?

崎山 愛から離れすぎてわかんないな~、ムズ(笑)。でも、僕からしたらやっぱり一番はファンの人、応援してくれてる人への愛だと思うんです。で、ファンの人も僕に愛を持って応援してくれてるっていうのもすごく感じるんです。でも、それはただ愛情を注がれてるってことじゃなくて、嬉しさとか活力とかに変換されるんですよね。ブログに書いてくれるコメントやお手紙を読んだりすると愛が伝わってきて、“ああ、疲れててもやらないといけないな、頑張ろう!”って気持ちになったりする。それが僕の中では今は一番身近に感じる愛かな。ファンの人からの愛。

崎山つばさ 撮影/森田晃博

――オンとオフのスイッチの切り替え方は?

崎山 僕は目が悪いんで家ではメガネなんですけど、外に出るときはコンタクトなので、コンタクトをつけるとスイッチ入りますね。だから、朝早い移動で新幹線とかに乗るときは、わりとメガネなんですけど、全然スイッチ入んないです(笑)。

 オフは家から出ないことが多いです。テレビ見たり、本読んだり、椅子に座ってボーっとしてたり(笑)。例えば2日休みがあったとしても、どっか行こうって気にならない。その前日に2日分の食材を買って冷蔵庫に入れて、家から一歩も出ないで2日間の3食は自分で作る。無人島生活じゃないけど(笑)。

――生活用品でこだわっているものは?

崎山 家にいるのが好きなので、居心地がいいように部屋のインテリアはすごくこだわってます。最近、カーテンにひと目ぼれして替えたんですよ。ブルー系の無地のやわらかい生地で、閉じるとすごく落ち着くんです。それに合わせてラグを買い替えたりとか。家具を見たりするのが好きなので、インテリアショップにもよく行きます。家具屋さんがたくさんある目黒の家具通りには、休日にメガネで出没してます(笑)。

――人生最後に食べたいものは?

崎山 カレーが一番いい! 最近、カレーと離れてたんですけど、昨日のお昼ご飯でたまたまカレーが出てひさびさに食べて、やっぱりおいしかった。カレーはどんなタイプでも好きですけど、最後に食べたいのは、母親が作るカレーですかね。シンプルなじゃがいも、にんじん、たまねぎ、牛肉か豚肉が入ってる定番のカレーなんですけど、なんか違うんですよ、自分が作るのと。おふくろの味ですね。

スペシャルQ&A【荒木宏文編】

――崎山さんには言ってないけど、感謝していることは?

荒木 現場で面倒をみてくれてありがとう。自分がミュージカル『刀剣乱舞』の唯一の経験者だからっていうことで、キャストと前からいるアンサンブルの子たちとのコミュニケーションであったり、お芝居の経験値が少ないキャストに対して相談に乗ったりアドバイスしたり、率先してやっていて。それをちゃんと最後までやりきってくれたことに心から感謝してますね。

――崎山さんに直してほしいところは?

荒木 直してほしいところというか期待してるのは、もっと心に余裕を持てるようになったら、さらにすごいことになるんだろうなって思う。つばさはめっちゃいいヤツで、すごい一所懸命だし、すごい頑張ってるっていうのは大前提にあるんですけど。余裕をさらに持つことによって、見えてくるものと、感じてくるもの、できるものっていうのが、すごく変わってくるんだろうなと。それができるようになる人間なんだろうなと思うから、期待しています。

――スマホの今の待ち受け画面は?

荒木 昔、海外の雑誌のファッションページからとった画像だと思うんですけど。もう何年前かがわからない。同期してるから、その壁紙のままつながってくれてるんで。たぶんiPhoneにしてからは、5~6年ずーっとこれだと思う(笑)。これはそのときに見てた写真の中で一番色味が良かったんですよね。今は、壁紙を替えようとか、なんかそういうことに気を配らなくなってるのかもしれないです。

――あなたにとって愛とは何ですか?

荒木 死ぬときにわかるものじゃないですか? 自分が死ぬ瞬間に、一番自分の感情が当てはまるものに対して一番愛っていうものが生まれてるんじゃないかと思うんですよね。それは、奥さんなのかもしれないし、奥さん通り越して子どもなのかもしれないし、もっと長生きしてて孫かもしれないし、ひ孫かもしれないし、そこに対する愛情が一番濃かったら、そこになるのかなと思います。今は、誰に愛情を注いでるの? って聞かれたら、ファンだと思うんですよね。だからこのまま死ぬと、ファンの人のことを思いながら死ぬんじゃないかな。

荒木宏文 撮影/森田晃博

――オンとオフのスイッチの切り替え方は?

荒木 人がいなくなったら、すぐにバタンってスイッチが切れます。視界に誰かがいたら頑張れるんですけど、家に帰ってドア閉めた瞬間に、膝からガクンって崩れ落ちるなんてざらにありますね。だから玄関で気を失うこともあります。逆にプライベートでも、一歩外に出たら常にオンにしてるような気がします。ほんとのオフは、寝てるときだけかも。

 こういう仕事だから、視界に入るものには何かしら気を使ってるから、鏡に自分が写っただけでも気持ち気合が入りますもんね。“あ、誰かいる? 俺か”みたいな。でも、疲れるとは思わないです。面倒くせぇな~って思う瞬間はありますけど(笑)。

――生活用品でこだわっているものは?

荒木 身につけてるものはすべて、とことんこだわって選んで買ってるんじゃないかな。絶対に無駄にしない。同じようなアイテムで着ないものは存在しないです。自分のワードローブも全部頭に入ってますね。なので新たに買うときは、買うと同時に古いものを捨てるか、「コイツあれと被ってるな、さよならできないなら買うなよ」って自制できる。それでも、すごい量ですけど(笑)。「コイツ珍しいな~」って思って買ってる服とかもやっぱりあるんで。だから最近、プライベートをプロデュースする服を寝室に、ステージ用と楽屋入りのときの服は別の部屋に置くように分けました。

――人生最後に食べたいものは?

荒木 何でもいいっすよ(笑)。食べ物はこだわりないんで。でも、「もし隕石がそのうち落ちるから、その前にどうしても食べたいものないの?」って聞かれたら、ぼけ~っとしながら、缶コーヒー飲みたい。死ぬ直前に特別なことはしたくない。時間を無駄にしてるぜいたくを味わうというか。携帯いじりながら、すぱーってタバコ吸って、缶コーヒー飲んで、エゴサーチとかブログとかニュースを見てるとか。ずーっと何かのことを考えて頑張って生きてきた人生の最後の最後が、マジ無駄な過ごし方で終わるっていうのが(笑)、人として一番ぜいたくな死に方な気がします。


<プロフィール>
さきやま・つばさ◎1989年11月3日、千葉県生まれ。B型。ミュージカル『刀剣乱舞』~三百年の子守唄~では石切丸役を好演。舞台『錆色のアーマ』(東京公演:6月8日~18日AiiA 2.5 Theater Tokyo/大阪公演:6月22日~25日森ノ宮ピロティホール)、舞台『煉獄に笑う』(東京公演:8月24日~9月3日サンシャイン劇場/大阪公演:9月9日~10日森ノ宮ピロティホール)出演。ファースト写真集『YOKU』発売中。

あらき・ひろふみ◎1983年6月14日、兵庫県生まれ。O型。ミュージカル『刀剣乱舞』~三百年の子守唄~では、にっかり青江役を好演。6月24日(土)表参道GROUNDにて荒木宏文ソロイベント「Hand…」開催。Bayfm「DラジオBOYS SUPER」(毎週土曜23時~23時30分)出演中。2ndシングル『STELLAR』発売中。

【取材・文/井ノ口裕子 撮影/森田晃博 ヘアメイク/時田ユースケ(VREEA)】