「東京ドームで初めてチアダンスを踊ったときは最高の気分でした! 今、チアダンスにどっぷりハマっています!」(42歳・会社員)

 心はオトメ、身体はちょっとだけ重厚感を増した中高年女子(?)のみなさん! 50代、60代でもチアダンができるスタジオが続々登場していますよ~!

「ハイ! ハイ!」と元気なかけ声とともにハイキック。気分はまるで部活生

 今春公開した、広瀬すず主演の映画『チア☆ダン』に憧れて、ひそかにチアダンスをやってみたい♪ でも年齢が……と躊躇している中高年女子のみなさん、チアダンをあきらめてはいけません!

 そもそも、チアダンスとは、チアリーディングの中のダンス部分が独立した競技。組み体操のようなアクロバティックな動きは含まれないから、中高年でもできます。

「50代、60代の方も若い方と同じメニューでレッスンしていますよ。最近では、59歳の女性が東京ドームの野球応援のイベントに参加しました」

 と、教えてくれたのは大人チアダンスの草分け的存在、CCチアダンススクール代表の井尻百百子さん(37)。井尻さんは、CA(キャビンアテンダント)として日本航空に勤務していたとき、チアリーディング部に所属、退職後もプロのチアダンサーとして活躍し、チアダンス歴15年というプロ中のプロ。2012年にスクールを開講し、続々と大人のメンバーが増えているという。

「大人のクラスは、30代が多いですが、最高齢の方は64歳です」(井尻さん、以下同)

 中・高校生時代にチアリーディングやバトンを経験した人、ダンス経験がある人もいるが、なんと、

「経験がない人のほうがすんなり入れて、上手になりますよ」

 未経験者、中高年女子でもOKなのだ。

 このスクールでは、頻繁に野球応援などのイベントに参加しているが、まったくの初心者でも入会して数か月で参加できる人もいるという。東京ドームや、ディズニー公式ホテルダンスショーでのイベント出演の機会があり、50代も60代も腹出しのキュートなコスチュームを着て踊れるのだ。コスチュームが着たくてチアを始めたというメンバーもいるほど。イベントを目標に頑張るメンバーが多く、モチベーションアップにつながっているそう。

 というわけで、50代記者がチアダンスに挑戦! 

笑顔で元気になれる! 意外とフリは覚えやすい

東京ドームの野球応援などイベント出演多数。衣装を着るのも楽しみのひとつ

 記者が参加したクラスは、30~40代前半のメンバーが多く、50代は記者だけ。ドキドキだったが、ストレッチに十分な時間をかけるので、身体にはムリがない。骨盤矯正やピラティスの指導も行っている井尻さんは、チアのレッスンにもそれらを取り入れていて、身体づくりもしっかり行える。ストレッチの後は、いよいよチアの基礎。

「ハイV(ブイ)! ローV! Tモーション!」

 次々とアームモーション(腕の動き)を行っていく。キレイに動くのは難しいが、形は意外と覚えやすい。

 アームモーションを覚えたら、足の動き。チアの醍醐味、ハイキックを練習。ひざを正面に向けて曲げて、足先を軸足のひざあたりにもっていくのがパッセ。その足をいったん下ろして、前方にハイキック! これを隣の人と肩を組んで行う。これぞチア!

 動きの基礎を練習した後は、ステップを組み合わせて、短いコンビネーションを行う。劣化した頭で覚えられるかどうか心配だったが、基本動作の組み合わせなので覚えやすい。

 コンビネーションを覚えたら、いざ、曲をかけてスタート。

「最初は好きなポーズを2つ!」

 好きなポーズ? チアのポーズがよくわからない記者は先生をガン見すると……色っぽ~い♪

「私のチアダンは、クール、キュート、セクシーがモットー! チアリーディングと違って、大人だからこそできるダンスなんです」

 記者もその気になってセクシー(?)にポーズ。「ハイ! ハイ!」と声を出しながらハイキック。隣の人の背中に片足をのせたチアならではのポーズで、顔を正面に向け笑顔でキラリ☆ 最後は中央に集まってポーズ。やった、50代でもできた!

「応援するのが目的のチアダンスですから、笑顔で元気が基本です」

 やっていくうちに、どんどん元気が出てくるチアダン。おばさんだからとあきらめないで、興味があったら挑戦してみるべし!

取材・文/山崎ますみ

<教えてくれた人>

井尻百百子さん◎4歳からクラシックバレエを学ぶ。JAL国際線客室乗務員として7年間乗務。会社からのスカウトを受け、JALチアダンスチームに所属し、海外にて多数企業イベントに出演。その後、アメリカンフットボールチアリーダーを経て、2012年、CCチアダンススクール設立。公式HP/http://www.cc-cheerdanceschool.com/