野際陽子

 耳を疑う一報が飛び込んできた。野際陽子が緊急入院したという。野際といえば現在、昼ドラマ『やすらぎの郷』(テレビ朝日系)に出演中だが、

このドラマの出演者は、86歳の八千草薫を筆頭に石坂浩二、加賀まりこ、浅丘ルリ子などほとんどがご高齢。長年テレビや映画に貢献してきた者だけが入れる介護施設が舞台なんですが、撮影現場は“リアル老人ホーム”と言われていますよ。野際さんも若く見えるとはいえ81歳ですし、がんの治療中でしたからね」(制作会社関係者)

 野際といえば、'68年から放送がスタートした『キイハンター』(TBS系)でブレイク。キレのいいアクションとお色気で人気者となった。

「このとき共演した千葉真一さんと'73年に結婚し、'75年に長女を出産。それが女優の真瀬樹里さんです」(スポーツ紙記者)

 千葉とは'94年に離婚。子育てが終わったこともあり、そこから精力的にドラマや映画に出演するように。バラエティー番組でも知的キャラとして活躍した。

 昼ドラ『花嫁のれん』(フジテレビ系)に出演していた'14年に肺がんが発覚。撮影中に脂汗を流すほどつらかったようだが仕事は休まなかった。

「早期発見だったので治療は成功。でも、翌年に再発して腫瘍の摘出手術を行いました。健康な人に比べると、肺の大きさはかなり小さくなってしまい、しゃべるときにも苦しそうで、退院時には酸素吸入器を使わなければならないほどでした」(前出・スポーツ紙記者)

 周りの人間は引退も覚悟していたが、抗がん剤治療に移ると次第に回復していく。

「抗がん剤が身体に合ったようで、はっきりと効果が現れました。薬物療法は体力を消耗させますが、前向きな気持ちになったことがよかったんですね。吸入器も必要なくなり、仕事に復帰できました。通院は続けなければなりませんでしたが、仕事への意欲は衰えていませんでしたね」(前出・制作会社関係者)

 完全復活すると、今年は『やすらぎの郷』のほかに『警視庁捜査一課9係』(テレビ朝日系)などのドラマに出演。映画でも『いつまた、君と~何日君再来~』の公開が6月24日に控えている。

 こうして病気からの復帰後も明るい表情を見せていたが、最近になって急に体調を崩してしまったのだという。

5月下旬ごろに入院されたようです。それまでは元気に撮影に臨んでいましたので、本当に急変だったのだと思います。なんでも痛み止めのモルヒネまで打っているという話ですから、心配ですね」(前出・テレビ局関係者)

 都内にある自宅の近所で話を聞いてみると、

「いつも元気に撮影に出かける姿をお見かけしましたが、そういえば最近は見かけませんね。ご病気する前は愛犬と一緒に散歩しておられたんですけどね」(近所の住人)

 と、心配そうに話していた。

 日ごろからたびたび帰っているという、神奈川県内にある彼女のセカンドハウスも訪ねてみた。

神奈川県逗子にある野際のセカンドハウス。50年前はここで両親と暮らしていた

「1か月くらい前にタクシーを呼んで出かけるところを見たのが最後ですね。特に具合が悪いようには見えなかったんですが……」(近所の住民)

 はたして、どんな病状なのか。隣でブティックを営む、野際の実弟に話を聞くことができた。すると、彼女が入院中であることは認めたが、現在の容体について聞くと、

それ以上は何も答えられません……

 と、頑なに口を閉ざしてしまったのだった。

 『やすらぎの郷』は9月まで放映されることになっており、7月初旬にクランクアップを迎える。撮影はまだまだ続くので、レギュラー出演者の野際が入院するというのは制作側としても緊急事態だ。

「野際さんが演じている井深涼子は、主人公・栄の妻だった律子の親友という役柄。施設内で起きた事件をもとに小説を書いているという設定で、ストーリーの根幹に関わる大事な役です。もちろん、出番はまだ終わっていません」(テレビ誌ライター)

 テレビ朝日は大慌てになりそうだが、意外に冷静に対処しているとも聞く。

脚本の倉本聰さんも82歳ですから、役者さんがご高齢だということは十分に考えています。いつ誰が倒れてもドラマがうまく進むように、脚本は柔軟に変更できる構成になっているそうですよ」(前出・制作会社関係者)

 万全の準備ができているのは頼もしいが、倉本の手を煩わせるまでもない。大女優はきっと戻ってきて元気な演技を見せてくれるはずだ。