ご両親が見守る中、学習院幼稚園の運動会でお遊戯を披露された(’07年10月)

「6月9日に天皇陛下の退位を実現する特例法案が、参院本会議で可決されて成立しました。'18年末をめどに代替わりが行われることになりそうです」(皇室担当記者)

 陛下が退位されると、皇太子さまが天皇に即位され、秋篠宮さまは皇位継承順位第1位となって皇太子待遇となる。

 そんな将来の皇室を担われる皇太子さまと秋篠宮さまを、陛下は皇后美智子さま(82)とともに幼少のころから大事に育ててこられた。普段は母親である女性皇族方の子育てが注目されがちだが、今回は「父の日」にちなんで、陛下たちの“父親エピソード”をたっぷりご紹介!

 皇室は昭和天皇の時代まで、陛下とお子さま方とは離れて暮らすことが通例だったが、今の陛下はお子さまがお生まれになった直後から一緒に生活を送られている。

葉山御用邸で静養されていた両陛下と幼いころの皇太子さまと秋篠宮さま(’71年9月)

皇太子さまと秋篠宮さまらが幼いころからご一緒に住まわれるのが陛下の“念願”でした。

 お子さま方にも、一般家庭の子どもと同じように暮らしてほしいと思われていたのでしょう

 そう話すのは、皇室を長年取材するジャーナリストで文化学園大学客員教授の渡邉みどりさん。

 皇太子さまが幼いころに駄々をこねていると、陛下は厳しくしつけられた。

「スプーンやフォークでお皿を叩いていると、手をぴしゃっと叩かれたりしました。

 サラダを最後まで召し上がらなければ、食べ終わるまで食堂に残されることもあったそうです」(渡邊さん)

 弟の秋篠宮さまが小学校低学年のときに、当時飼われていたテンジクネズミを御所の池で泳がせようとして死なせてしまった際は、命の大切さを教えるため陛下が秋篠宮さまを池に落としたというのは有名な話。

 さらには“お片づけ”に関するエピソードを元宮内庁職員で、『いま知っておきたい天皇と皇室』(河出書房新社)の著書がある皇室ジャーナリストの山下晋司さんが明かす。

子どものころの秋篠宮殿下の部屋はいつも散らかっていて、陛下はよく注意しておられたそうですが、ある日見かねた内舎人(日常のお世話をする職員)が部屋を片づけたそうです。その部屋を見た陛下が“片づけたんだね”と褒めると殿下は正直に“僕じゃない”とおっしゃったので、陛下は片づけた内舎人を叱ったそうです

 一方では、普通のお父さんとしてこんな“特別授業”も。

「中学時代に数学が苦手だった秋篠宮さまは、わからない問題を陛下に教わっていたそうです。その後も陛下は、何度も数学の問題を出して熱心に指導されていたんだとか」(宮内庁ОB)

 お子さま方の学校行事にも積極的に参加されていた陛下。

「学習院初等科の運動会では、親御さんが一緒にやる大玉ころがしや玉入れなどの競技にも参加されるなど、一般家庭の“パパ”と同じように過ごされていました」(渡邊さん)

 そんな陛下の教育を受けられていた皇太子さまも、今では高校1年生の愛子さま(15)の父親。公務で多忙な合間を縫って、ひとり娘に寄り添ってこられた。

愛子さまが幼いころには自らおむつを替えたり、童話の読み聞かせもされる“イクメン”だったそうです。学校の授業参観もほぼ毎回出席し、1時間目から最後まで“フル参加”されていました」(皇太子さまの同級生)

 愛子さまが小学生のころには、療養中の雅子さま(53)に代わって子ども向けの音楽ミュージカルを友達親子と一緒にご覧になったこともある。

「この5月5日にご一家で観戦された『車椅子バスケットボール』の試合でも、観覧席で皇太子さまと笑顔で会話されていて仲がいいのだと感じました」(試合の観戦客)

 思春期の難しい時期に入られているものの、お父さまとの関係は良好のようだ。

「皇太子さまは、愛子さまが所属していらっしゃった管弦楽部の朝練習に付き添われたこともあり“いいパパ”をしていらっしゃいます。愛子さまは“パパっ子”と言えるかもしれませんね」(渡邊さん)

 愛子さまは高校に上がってからも体調を崩されがちだが、“大好きなパパ”の支えがあれば今後も安心だろう。

秋篠宮家の子育て

佳子さまと悠仁さまとも、とても“仲のよい”関係の秋篠宮さま(’16年11月)

 一方の秋篠宮さまは、長女・眞子さまと次女・佳子さま(22)、長男・悠仁さま(10)の3人の父親。子どもたちにとって何がいちばん望ましいのかをお考えになり、その方針は“のびのび教育”。

「皇族の方々は学習院に進学されるのが慣例でしたが、眞子さまと佳子さまは国際基督教大学(ICU)、悠仁さまは幼稚園からお茶の水女子大学附属に進学されました。

 お子さんたちの希望を尊重していらっしゃるようで、自由な家風なのでしょう」(前出・皇室担当記者)

 秋篠宮家の関係者は、秋篠宮さまが、佳子さま、悠仁さまとの関係が良好だというエピソードを明かす。

「佳子さまが大学生になってからも、おふたりだけで買い物に出かけられたことがあります。ただ、帰りに荷物を持たせていたら注意されてしまったそうですが(笑)。

 昆虫好きの悠仁さまとは、御用地内やお出かけ先で一緒に昆虫採集をしたり、悠仁さまが興味のある昔の人々の暮らしや道具についても教えてあげているそうですよ」

 眞子さまからは、成年を迎えるにあたっての会見で、「導火線が少々短いところもあった」と暴露されてしまったこともある秋篠宮さま。

 かつてはしつけが厳しく、“怒りっぽいパパ”だったが、子煩悩なのは間違いないというのは秋篠宮さまの同級生。

’06年7月に伊勢神宮の式年遷宮で伝統行事「お木曳」に参加されたおふたり

眞子さまが生後間もないころは毎日、一緒にお風呂に入ったり、周囲に“私似なんですよ”と、のろけていらっしゃいました。秋篠宮さまが海外訪問中には国際電話で幼い眞子さまと話されるのが楽しみだったそうです

 '06年には伊勢神宮の式年遷宮、その翌年にはアフリカ大陸の南東に位置する島国・マダガスカルにも、おふたりで訪問されていて“父子の絆”は強いようだ。

「眞子さまは、高校卒業後の進路についての相談も、お父さまにされていたそうです。

 ICUに進学されたのも、そのご相談があったからではないでしょうか」(前出・秋篠宮家関係者)

 信頼が厚いお父さまだけに先日報道されたICU時代の同級生・小室圭さん(25)との婚約についても事前に相談されていたことだろう。

「秋篠宮さまは“皇族の結婚は学生のうちに決めたほうがいい”と周囲に漏らされていたとお聞きしました。

 ご両親もお若いころに結婚されているので、その体験をもとにアドバイスを受けられたと思いますよ」(渡邊さん)

 ご公務などでは拝見できないが、家に帰れば一家を支える“普通のパパ”なのだ。