「オファーをいただくまでお名前を知らなかったのですが、動画を見たらこの人は必ずブレイクする人だなと思いましたね」

「オファーが来たときは、絶好のチャンスだなって思いました」

 お笑い芸人・アキラ100%とともに全裸に股間をお盆で隠しただけの姿で挑んだ“丸腰刑事”が大反響を呼び、再ブレイク中の俳優・原田龍二(46)。

全裸姿という究極の芸だったから、引き受けました。ドキュメンタリーのロケでも、誰でもできるようなロケなら僕がやる意味がないって思ってしまうんですよね。自分を追い込むのが好きなんです(笑)」

 昨年、大みそかに放送された『ガキの使いやあらへんで!』で、師匠と仰ぐアキラ100%を上回る肉体美、遜色ない完璧なお盆芸を披露したが、練習時間は意外にも短かったとか。

アキラさんと練習したのは、本番の1週間前に3時間だけ。そのときの様子をスタッフに撮影してもらい、そのDVDを見ながら“自主練習”していました。僕は練習から全裸でやるつもりだったのですが、現場に行ったらジャージが用意されていたので、なんて優しい現場なんだろうって(笑)」

 自称・温泉俳優と名乗り、旅番組やドキュメント、バラエティー番組でも引っ張りダコの彼に、あらためてこれまでの歩みを振り返ってもらった。

「人や素晴らしい景色と出会えるので、旅番組は好きですね。おすすめは東北。疲れた身体にはお風呂だと思っているので、温泉ははずせません」

 芸能生活のキッカケは’90年に開催された『第3回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』。

「当時、すでに事務所には入っていたんですよ。芸能界に入りたいと意気込んでいる方が多かったので、控室では居心地が悪かったですね(笑)。ジュノンボーイという肩書の大きさは今でも感じています。去年、小池徹平くんと共演したときも“先輩なんですか?”って話で盛り上がりました」

 見事、準グランプリに輝くも当初は本人にそこまでやる気がなかったため、活動しない時期が2年間続いた。そして、’92年放送のドラマ『キライじゃないぜ』で俳優デビュー。

ドキュメンタリー番組で死にかけたことも

 仕事に対する考え方が変わったきっかけが、’95年から始った世界紀行ドキュメンタリー番組『世界ウルルン滞在記』。モンゴルなど、さまざまな国を訪れたことが大きかったと振り返る。

「スリランカやモンゴルなど、日本とは違う価値観、文化に触れたことで自分の中で小さな革命がありました」

原田龍二 撮影/吉岡竜紀

 時代劇の印象も強いが、出会いは’97年から3年間放送された『南町奉行事件帖 怒れ! 求馬』。そして’03年から7年間、『水戸黄門』第32部で助さん役を演じ、その際に身体づくりの意識も芽生えたという。

「『水戸黄門』を撮影していた京都のスタジオに、高倉健さん寄贈のジムがあって。それで身体を鍛え始めました。あと、このころに胃潰瘍になったり、肉離れを起こしたりして。それで健康に気をつけるようになりましたね」

 俳優の枠を超えた活動を続けているだけに、これまで生命の危機に直面したことも。

ドキュメンタリー番組で訪れたスリランカで、乗っていた船が転覆しそうになって死にかけたことがありました。でも危険な目には遭いましたが、僕の中ではそこまで過酷とは感じていないんです(笑)」

“裸芸”に対する子どもたちの反応は?

 どんな現場でも決して弱音を吐かない彼。しかし、アキラ100%とのコラボをする際に唯一、心配していたことがあったとか。

中3の男の子と小5の女の子がいるのですが、僕が全裸芸をやることで、学校でいじめの対象になってしまうんじゃないかと不安だったんです。でも子どもたちは嫌がるどころか、思いのほか喜んでくれて。あと放送後に、“カッコいい”といった反応も多かったのもうれしかったですね。20年ほど前に放送されていた『松ごっつ』という松本人志さんの番組に志願して、出させてもらったことがあるんです。なので、松本さんにも恩返ししたいという思いもありました」

「義理の妹(実弟・本宮泰風の妻)ということもあり、『5時に夢中!』のゲストに来てもらいました。今後もゆかりのある人にゲストで来てもらう予定です」

 全裸芸がキッカケで仕事の幅が広がっているが、その代表が『5時に夢中!』(TOKYO MX)のMC。

「最初、俺にはできないと思ったんです。でもゲストで出演した後でのオファーだったこともあり、お会いしたことのあるスタッフから人柄も含めて評価してもらえたのかな、と。それで挑戦することにしました。キー局にはない温もりあふれる番組なので、毎週収録がとても楽しみです」

 ちなみに、好きなお笑い芸人は?

「最初にハマったのはドリフターズ。高木ブーさんがあまり話さないのが不思議で、ブーさんばかり見ていましたね。その話をしたら、お会いすることができて。それ以来、親交があります。あとはMr.オクレさん、エスパー伊東さん、松村邦洋さんなど、芸よりもその生きざまに惹かれます」

 最後に俳優人生についてあらためて聞くと、こんな答えが。

「芸能界には向いていないと思っていたけど、こうして今も続けているのは、もう宿命だと思うようにしています(笑)。僕がゼロのころからお世話になっている人に恩返しするためにも、また時代劇ができたらいいですね」

<出演情報>
毎週金曜『5時に夢中!』(TOKYO MX)でMCを担当。6月21日、『水トク!世界がビビる夜』(TBS系)、7月1日『極上空感』(BS朝日)、7月11日『日本の旬を行く! 路線バスの旅』(BS-TBS)に出演。