BLに興味を持ち始めた⁉︎ ラジオでBLについて語った福山雅治

「“将暉ぃ~、お前ギターまだ練習してるの?(中略)ちょっと貸してみろ”って言って、後ろからガバーッていくわけでしょ。で、ギターを後ろから教えながらだんだん顔が近づいていって……」

 6月10日に放送された福山雅治 福のラジオ』(TOKYO-FM)での福山雅治の発言が新たな“禁断のブーム?”を呼び起こしちゃうかもしれないのだ。

 そのキッカケは番組に届いた1通のメール。

「気づいたら本棚が全部BL(ボーイズラブ)になっていた」というリスナーの声に福山は「ほぼ知らない」と言いつつ、「俺だったら誰とBLすればいいの?」「菅田くんとか?」と、ドラマ『ラヴソング』(フジテレビ系)で共演した菅田将暉の名前を挙げ、しまいには番組内で「僕がBL設定で登場する脚本、募集します!」と告知。

「その様子をつぶやいたリスナーのTwitterが5万リツイートを超えるなど、たちまち大反響。男性同士の恋を見たいという女性が多いということのあらわれでしょうね」(ラジオ局関係者)

 BLが男と男の恋愛モノのジャンルだということはわかるけど、週刊女性の読者にはなじみがうすいかも。その歴史はどうなっているのだろうか。

 BL研究家のマルコ氏によれば、

「BLという言葉が広まるはるか以前から、男性同士の恋愛を描く小説・漫画は存在しており、“耽美”“やおい”などと呼ばれていました。'90年代から現在にかけて、BLレーベルや雑誌が各出版社から次々に誕生し、商業・同人の両面で盛り上がってきたジャンルです。現在はアニメ、ゲーム、実写映画などさまざまなコンテンツに展開されています」

 昨年は、業界全体で推定約200億円を超える経済効果を生み出しているという。もともとは、その趣向を隠すようにして愉しんでいた“腐女子”であるが、ここまで市場拡大を図れたのはなぜだろうか。

「個人的な見解ですが、BL自体の広がりの背景には、インターネット、特にSNSの発達により同好の士と出会いやすくなったことが挙げられると思います」(マルコ氏)

 そう、文化としても比較的新しいもので、50代以上にはほとんどなじみのないのも無理はない。

 実際にBLファンに話を聞いてみると、予想以上にディープな目線で楽しんでいる。

「よく地味なヒロインにイケメンがガンガンアプローチする設定の少女マンガがありますが、“そんな話あるわけねーだろ”って思ってしまうんですね。でも逆にかわいすぎる娘が主人公だと、それはそれで感情移入できない……。だから男同士かなと(笑)。攻め手と受け手、どちらの男の子も好きになれるのも魅力です」(20代女性)

 という意見や、

「男同士の恋愛って、秘密を第三者視点で覗いている感じがゾクゾクするんですよね。不倫を見ているのと似た感覚かもしれません。カラミも美しく繊細なんです」(30代女性)

 など、わかるような、わからないような……。

 BL雑誌の関係者にも魅力を聞いてみると、

「BLは“こんな世界があれば”といった一種の理想というか、ファンタジーの世界なんです。なので、彼らの恋愛は“毎日手をつないで下校するのに、いっこうにキスをする展開にならない”といった、終始みずみずしくももどかしいといった描かれ方をします。2人だけの世界を丁寧に描くのが魅力です」

 そしてBLには欠かせない男性同士のカラミについて、前出のマルコ氏は、

「ベッドシーンは登場人物2人の思いが頂点に達する瞬間。恥じらいや喜び、そのほかいろいろな感情が表情に表れる盛り上がりどころです。表情から登場人物の思いを想像してみるといいのでは」

 続いて、“創り出す側”にもツッコんでみよう。思春期の男子高校生の甘酸っぱい恋を繊細な絵のタッチで表現した『同級生』が'16年にアニメ映画として公開され、2億円の興行収入を叩きだした漫画家の中村明日美子氏。この6月にも『ダブルミンツ』が実写映画化されたBL界の超売れっ子作家は、業界の市場拡大について、

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「BLはポルノの要素も多いので以前は愛好家の間だけで楽しまれているという印象でしたが、最近は作品も読み手も多様化してきました。今回の映画も中高年の男性など、以前では考えにくい方が映画をご覧になってくださっていると聞きまして、とてもうれしく思っています」

 クリエイターも最近の“盛り上がり”には驚いているようで……。また、その魅力について聞いてみると、

「私個人の意見ですが、男同士の恋愛みたいなものさえ入れてあれば、どんなものでもジャンルとして括れる懐の深さだと思います。食わず嫌いをせずにいろいろ読んでみることかと。自分では思いもよらない“萌えツボ”が見つかって人生の幅が広がることと思います」(中村氏)

 日本で初めてBLが実写化されたのが、'06年の『BOYS LOVE』という作品。同作の監督を務めた寺内康太郎氏は、

「普通の恋愛ものと違って、“普通ではない物語”が展開されているというのはBLにはあると思います。人間ドラマとしても設定のハードルが高いですし、予告編だけ見ても話を予測しづらいというのはミステリアスだと思います。そこの未知数の部分が、“見ないとわからない”“期待できる”という大きな魅力のひとつだと思いますね」

 しかも同作には、今や日本有数の大ブレイク俳優・斎藤工が出演していたというから驚き。当時の現場の様子について、こんなエピソードが。

「男からしても色気の天才だと思いますね。そのあとも何本か出ていらっしゃいますので、もはやボーイズラブの鉄板ですよね(笑)。現場でも“いい身体しているね”と言われてました」(寺内監督・以下同)

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 斎藤の演技力のみならず、そのフェロモンを大絶賛。では監督はどういった目線で撮影をし、観客に届けようと考えていたのか? マンガやアニメとは異なる、実写版BL視聴ポイントを尋ねると、

「40~50代の女性というのは、何にせよ“目が鋭く”いらっしゃるので、BLを演じている彼たちの本当の素の部分を見抜けるんだと思いますね。BLを演じるキャストのなかで、本当に男性が好きな人はいないと思うので」

 ということで、

「男同士の恋愛を演じる彼らの中にも戸惑っている部分、素の部分がにじみ出るじゃないですか。その可愛げを愛してあげると、その子の努力や人間性もかわいく見えてくると思うんですよね。単純に肉体的な部分やストーリーだけでなく、はじめは好奇心でもいいので、演じている役者そのものを観察してほしいと思います。役とキャストをあわせて好きになるのがオススメの楽しみ方ですね

 なんともマニアックというか奥深いのだ。想像する人の数だけBLはある。あなたもあのイケメンとこのイケメンを頭の中で……。

 まずは、福山と菅田の続きを妄想してみては!?