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 2月25日、都内某レコード店内は若い女性客でにぎわい、ちょっとしたお祭り騒ぎになっていた。

 

 というのもこの日、ジャニーズアイドル『嵐』と韓国発の人気グループ『東方神起』が、そろって新シングルCDを発売する日だったからだ。

 嵐45枚目のシングル『Sakura』、そして東方神起は国内43枚目となる『サクラミチ』。いずれも桜を題材にした春の新曲。

 しかも東方神起は日本デビュー10周年の記念シングルで、レコード店内には衣装を展示したコーナーを設けるなどさすがの力の入れよう。女性ファンはこぞってスマートフォンを掲げては写真を撮っていた。

「’10 年にメンバー3人が脱退して以降、2人で活動してきた東方神起ですが、ファンが離れることはなかった。10周年を迎えるにあたって華々しくランキング1位をとりたいところですが、国民的アイドルの嵐相手にどこまで迫れるか」(音楽雑誌編集者)

 1年を通して発売され続けているCDだが、“ビッグネーム”が同日に店頭に並ぶのは珍しいことなのだという。

「ランキング順位を気にして、CD売り上げに響きそうな“ライバル”アーティストとは発売日を避けるのが常です。特にジャニーズは“初登場1位”“連続1位”などの記録にこだわりますからね。これまで両者の新曲発売が重なったのは、たったの1度きり」(前出・音楽雑誌編集者)

 対決が唯一実現したのは、’09 年7月1日。嵐は『Everything』、東方神起が『Stand by U』をリリースしたときのこと。

 この年、嵐はデビュー10周年を迎える記念年でもあった。結果はというと、オリコン週間ランキングで嵐が1位、東方神起が2位。10周年突入に勢いをつけた。

 そして’13 年、嵐の新曲『P・A・R・A・D・O・X』がテレビで初披露されると、2組の間に新たな“因縁”が生まれることになる。

「曲調の早いダンスナンバーだったのですが、ネット上で《嵐の新曲が東方神起っぽい》《パクリ》などと、いわれのない疑惑が投げかけられたんです。もちろん嵐ファンからはすぐさまこれに対して、今度は東方神起を否定するような発言が飛び交いました。熱狂的なファン同士の代理戦争になってしまったんです」(アイドル雑誌編集者)

 曲調やダンスが似通うことはよくあることだし、そのときの流行というものもある。互いに絶大な支持を得るグループ同士だからこそ、一挙手一投足に過剰反応されるということか。

 さて発売日当日、“因縁”うごめく両者の気になる売れ行きは?

「嵐と東方神起は両方売れています。若干、嵐が上くらいですか」(CDショップ店員)

 確かに売り場を見ている限りは、女性客が足を止めるのは嵐CDコーナーが目立つ。やはり嵐強しか。

 翌日のオリコンデイリーランキングではやはり、『Sakura』が23万9867枚で1位、『サクラミチ』が9万5879枚で2位。嵐がダブルスコア以上の差をつけての好発進。このまま週間ランキングでも、嵐に2度目の軍配が上がりそうだ。

「それでも東方神起も初動売り上げ10万枚近く。この時代に握手会やイベント参加などの特典もなしで、純粋なCD売り上げとしてはかなりのもの。嵐と同じ週でなければ、間違いなく彼らも1位をとっていたでしょう。いまさらの話ですがメンバー3人の脱退がなければ、今ごろは嵐に匹敵するほどの人気になっていたかもしれませんね」(前出・音楽雑誌編集者)