s-johnnys
 最近のジャニーズソングについて、音楽関係者はどう感じているのか? 今回、匿名を条件に座談会を行った。

A 大手レコード会社プロデューサー

B テレビ局局員

C アレンジャー

A:SMAPの新曲『華麗なる逆襲』って、聴いた?

B:椎名林檎が作詞作曲した曲ですよね。SMAPは『夜空ノムコウ』以降、流行のアーティストを積極的に起用していますけど、ファンがそれを求めているのかどうか……。実際、最近は印象に残る曲が少なくなっている。

C:やっぱり、SMAPを担当していたプロデューサーのKさんが退いたのは、大きかったですよね。なんでも、木村拓哉がクビにしたらしいっていう話ですけど。

B:森且行が辞めて、5人になったくらいから、特に木村氏(苦笑)の意見が強く

反映されるようになったっていう話は僕も聞いたな。

A:ジャニーズって、本人におうかがいを立てるようになると、危ういよね。山Pも、本人の意思が優先されるようになってから、迷走し始めたというか。本人は不本意だったかもしれないけど、これまで『抱いてセニョリータ』とか『はだかんぼー』とか、イマドキの曲とは違う方向性で売ってきたわけで。あの完璧なビジュアルだからこそカッコよく歌うことができる、そういう面白い曲から脱しちゃうのは残念だよね。

C:そもそも、最近はレコード会社のほうにも、いい音楽を聴き分ける能力のあるスタッフさんが減ったと思いませんか? 昔はピアノ一本でメロディーを作っても、想像を膨らませて聴いて、判断してくれる人が多かった。でも今は、打ち込みなどをしっかりして、ほぼ完成系の状態で提出しないと判断してもらえないんですよ。本人たちに聴かせるとなればなおさら、完成系に近い曲が選ばれやすくなりますしね。

B:それは言えている。しかも、そういう曲に限ってテクニック任せで、実際メロディーにはインパクトがなかったりするんだよね。

C:まあ、ジャニーズは昔から、無名・有名に限らず作曲家を起用してくれる寛容な事務所なので、あまり大口は叩けないですけど(苦笑)。

A:この間、J-POPのアーティストにアルバム曲を書いた人に聞いたんだけど、1曲のギャラが数万円だったんだって。それに比べたら、ジャニーズの仕事は数十倍。決まれば割はいいからね。どこまで彼らの意向をくみ取って、自分たちの意見を受け入れてもらうのか。バランスなのかな。

B:とはいえ、ジャニーズ曲のファンとしては、これからも流行に流されず、『青春アミーゴ』や『Real Face』みたいな、マイナー調のイケメンソングを作り続けてほしいですね。僕をはじめ、ジャニーズの楽曲ファンの業界人は多いですから!

C:それって……、単にBさんの好みの問題じゃないの?(笑い)