目次
Page 1
ー 愛子さまの受け答えで思い出す風景
Page 2
ー 大変和やかな時間
Page 3
ー 美智子さまの想い

「最初の3年間はオンライン授業で、最後の1年はこのキャンパスに通い、たくさんの新しい学びを得て、充実した4年間を過ごすことができました。素晴らしい先生方や友人たちと出会えたこともうれしく、またありがたく思っております」

愛子さまの受け答えで思い出す風景

2022年11月、秋季雅楽演奏会を一緒に鑑賞した愛子さまと佳子さま
2022年11月、秋季雅楽演奏会を一緒に鑑賞した愛子さまと佳子さま

 2024年3月20日、天皇、皇后両陛下の長女、愛子さまが東京都豊島区にある学習院大学を卒業した。桜色の振り袖に袴姿の愛子さまは、卒業式直前に取材に応じ、「大学生活を振り返られて、いかがですか」と記者たちから尋ねられ、冒頭のように答えた。

 この様子をニュースなどで見ながら私は、彼女がまだ生後8か月だった2002年8月26日、母親の皇后雅子さまに抱かれて静岡県下田市の須崎御用邸の浜辺を、いとこの佳子さまたちと散策した風景をふと思い出した。

 静養のため須崎御用邸に滞在していた上皇ご夫妻(当時は天皇、皇后両陛下)、それに天皇ご一家(当時は皇太子ご一家)と秋篠宮ご一家の総勢9人が浜辺を歩き、談笑しながら和やかな時間を過ごした。帽子をかぶり、水色のベビー服を着た愛子さまは笑顔で手を振っていた。

 丸首の水色のTシャツ、白いキュロットスカート姿の佳子さまは、7歳で小学校2年生。波が打ち寄せる砂浜で貝殻を拾ったり、愛子さまを愛おしそうに見ながらそばに寄ったりした。上皇后美智子さまは海藻を拾い、それを愛子さまに見せるなど親と子、そして、孫の3世代が同じ時間と空間の中で、生き生きと、愛情にあふれる家族の団らんのひとときを過ごしていた。

 それから3か月余りが過ぎた'02年12月4日、記者会見で「敬宮愛子さまのお相手をするときの(筆者注、佳子さまたちの)『お姉さんぶり』などご成長が垣間見られるエピソード、またはそのお子さまとの日常の触れ合いを通じて感じたことなどがあればお聞かせください」と尋ねられた秋篠宮ご夫妻は、夏の思い出を次のように紹介した。