涼しいのに半袖のポロシャツ姿の山尾志桜里氏

「志桜里さん頑張って〜」

 愛知県内、イオンモール長久手店のバスロータリーでの12日の街頭演説。山尾志桜里氏(43)を乗せた選挙カーを見つけた人が手を振り、声をかける。ヤジを飛ばす人はいない。

 9月7日発売の『週刊文春』で不倫疑惑が報じられてから約1か月。山尾氏は疑惑を否定しており、無所属で愛知7区から立候補している。

「今回の選挙で、国会にも総理にモノ言う議員が必要だと。みなさんの思いを国会でぶつける声が必要だと。そう思っていただけるのなら、山尾志桜里を使ってください」

 ハツラツとした口調で訴える。しかし、演説で疑惑に触れることはなかった。否定しているのだから、あえて持ち出す必要はないという判断なのか。支持者の女性は、

「テレビのニュースとか頭に来るわよね! 山尾さんのチラシを受け取ってくれないところだけ映すんですよ。ところが、対立候補のときはお年寄りのところに行って演説しているシーンを見せるからねぇ。拒否しているところだけ放送するのはやめてほしい」

 山尾氏が先に離党した民進党の議員は、「希望の党」「立憲民主党」「無所属」に分かれて選挙を戦っている。山尾氏がマイクを握り直して言った。

「暮らしの切実な声を国会でぶつけ、答弁で引き出し、政治を動かす。野党でもできる。女性ならもっとできる。長久手、7区のみなさんが教えてくれたんです。無所属の挑戦です。比例復活ありません。

 セカンドチャンスはありません。ワンチャンス。山尾志桜里へのワンチャンスをみなさんの1票で作っていただければ、私、山尾志桜里、逆境を支えてくださったお礼は、仕事でその恩を“倍返し”にしてお返しすることをお約束申し上げます

 もともと待機児童問題への取り組みなど政治家としての仕事への評価は高い。選挙のキャッチコピーは「立ち向かう」。無所属で出馬したため選挙カーが1台しか使えないなどハンデがある。しかし、スピーカーから流れるのは力強い声だった。

 はたして、ワンチャンスをつかめるか。