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 その日届いた1通のメールに、一部のジャニーズJr.ファンは騒然とした。

 3月5日夕方に配信された『ジャニーズジュニア情報局』登録会員向けメール。それは、4月末から行われる公演「ジャニーズ銀座2018」の日程の詳細を告げるものだった。

 その出演者の欄。事前に発表されていた、『HiHi Jets』『東京B少年』の2組の名前が書かれた後に、( )付きの一文があり、そこにはこう書かれていた。

(ジャニーズJr.のさらなるNEWスター『7 MEN 侍』などが日替わり出演!)

 フレッシュな2組のユニットの公演に、“さらなるNEWスター”! しかも、ユニット名と思われる謎の名前。

 この、おそらくファンの誰も見たことがない『7 MEN 侍』の字面。これに対して、「誰!?」「新ユニット!?」「メンバーは!?」「Love-tuneが改名!?」など、ネット掲示板やSNSは、一気にザワついた。

「この、いきなり発表するサプライズ、しかも、誰も真似できそうにないネーミングセンス。そして、それにファンが翻弄される感じ……ジャニーさん、ノッてるなと感じました」

 と、ジャニーズ事情に詳しい芸能ライターは語る。

「そもそもこれ、情報がまだこのメールの一文だけで、“しちめんざむらい”なのか、“せぶんめんさむらい”なのか、“ななめんさむらい”なのか、はたまた全く違う読み方をするのか。正しい読み方もわかっていない謎っぷり(笑)。もちろん、メンバーが誰なのか、何人組なのか、一切、明らかにされていません」(同)

 ジャニーズのグループ・ユニットの独特すぎるネーミングセンスは、昔からの伝統である。前出のライターは言う。

ジャニーさんの美学

「今はもう定着しているので違和感はないかもしれませんが、少年隊やKinKi Kidsだって、相当トンチキな名前ですよね。大人になっても“少年”“キッズ”なのかと、ずっと言われてましたし(笑)」

 テレビ番組などでよく語られているエピソードだが、KinKi Kidsの前身となるユニット名が『KANZAI BOYA』。KANSAIでなく、KANZAIであるところがジャニーさんのこだわりで、理由は、「“Z”がカッコいいんだよ」とのこと。改名を告げられ喜んだ2人が聞かされた名前が「KinKi Kids」。2人は「終わった」と思ったとか。

 他にも、をはじめ、光GENJI、男闘呼組、忍者、TOKIO……和モノ感が漂う、日本的ネーミングが多い。Hey! Say! JUMPにいたっては、日本の元号モチーフだ。ちなみにTOKIOは、男闘呼組に提案しメンバーに却下された名前だという話も。

「光GENJIのバックのグループとして結成されたのが、『平家派』。ここには、TOKIOの城島茂、山口達也、国分太一、V6の坂本昌行、長野博、井ノ原快彦が所属していました」(同)

 そして今回の『7 MEN 侍』、“侍”の文字をつけるとは、まさにジャパニーズワールド。ジャニーさんの美学が色濃く反映されているとみえる。

 が、やはり謎は残るばかり。ジャニーズJr.には、他にも(おそらく)ジャニーさんにしか理解できないようなひらめきで誕生したユニット名がいくつも存在した。

「メンバーや先輩が命名するユニットもありますが、関西Jr.には、『Veteran』『OSSaN』『ミジメ』という、少年隊やKinKi Kidsと真逆のような、自虐的なユニット名も存在しました」

 グループ名をつけるにあたり、ジャニーさんのマイブーム的なことが影響されることもあると、前出のライターは言う。

「Sexy Zoneが結成されてからしばらくは、ジャニーさんの中では“Sexyブーム”だったようで、関連グループに『Sexy Boyz』『Sexy松(show)』など、“Sexyファミリー”というくくりでの活動もありました」

 とにかくジャニーさんのセンスが大爆発していると感じる『7 MEN 侍』。謎に包まれたその読み方とメンバーが明らかになるとき、ジャニーさんからのサプライズを心から楽しめるよう、期待して待ちたい。

<取材・文/渋谷恭太郎>