池岡亮介 撮影/森田晃博

 日本の演劇界が誇る超個性派、竹中直人さんと生瀬勝久さんがタッグを組む演劇ユニット「竹生企画」といえば、見逃し厳禁の高品質が当たり前。ふたりが興味を引かれた旬な女優をヒロインに迎える、というのがルールだけれど、それ以外のキャストも毎回のお楽しみ。第3弾での注目は、竹中さん演じる主人公の息子、正哉役に抜擢された若手俳優、池岡亮介さんだ。

オーディションは貴重な体験でした。会場に行ったらいきなり、作・演出の倉持(裕)さんの隣に竹中さんと生瀬さんが座っていらっしゃるんですよ! すごくビックリしました(笑)。そのときに、僕の芝居に対してあまり反応がなかったので、“今回はダメだったかな”と思っていました(笑)」

 大きな声を出していたことが幸いしてか、見事、抜擢された池岡さん。脚本を読んでの印象は?

「例えば“火星”というSFチックな響きと一家庭の日常的な生活感を“こうやって組み合わせるんだ!”という驚きがありました。これまでにも倉持さんの作品は拝見させていただいているんですけど、空間や人間心理の切り取り方、その着眼点がすごくユニークなんです。

 登場人物がみんな自分の気持ちとは裏腹なことを言いだしたりして、考えていることと言っちゃったことがズレていく。 “この人、たぶん本心と違うことを言っているんだろうな”というぎこちない空間ができあがって、それが絶妙なんです(笑)」

 稽古場では、竹中さん、生瀬さんたちから学ぶことだらけだと目を輝かせる。

竹中さんと生瀬さんの芝居のやりとりを見ていて、“何がこんなに違うんだろうな”と日々、研究中です。僕はふたりとも攻めだと思っていたんですが、今回は生瀬さんが攻めで竹中さんが受け。ひとつのシーンでいろんな表情を見せながら攻防が繰り広げられていくんですけど、おふたりが一気にグンと上がる瞬間があるんです。

 そこの空間のつかみ合い、みたいなものを見ているのは本当に面白いですね。意外だったんですが、おふたりはあまりセリフに表情をつけないんです。それなのに、その人のキャラクターや、どういう感情でいるのかが全部伝わってくる。その伝え方は何なんだろう? 本当に日々、勉強をさせていただいています」