遺族が直面する“遺産整理”の現実とは(写真はイメージ)

 テレビ、ラジオ、作家、作詞家……さまざまな顔を持った“昭和と平成の大巨匠”、永六輔さん(享年83)がこの世を去って2年。しかし、永さんの長女・千絵さんは「遺言書は見つからないどころか、あるかどうかもわからない」と言う。

 残された遺族が必然的に直面する“遺産整理”という現実。高齢化社会を迎える日本では今後、こういった問題も増えてくるだろう。

 相続をスムーズに進めていくためにはどのような点に注意を払えばいいのだろうか。司法書士法人みつ葉グループ代表司法書士の島田雄左氏に教えてもらった。

今回のような遺言書のないケースは、遺された人で決めてしまうことができます。相続人が2人ならば、2人で話し合って決めてしまって問題はないです。もし、親戚が何か言ってきても大丈夫。法律では妻が亡くなっているときには、子どもたちで分けていいことになっていますので」

 そもそも、遺言書があるかどうかを調べる方法があるのだそう。

公正証書遺言か秘密証書遺言が書かれていれば、全国にある公証役場で見つけることができます。相続人の証明書を持っていって亡くなられた方の本名と生年月日を言えば、遺言書を出してくれます」(島田氏、以下同)

 公正証書遺言は、法律のプロである公証人が遺言者に代わって作成する文書なので、確実に有効なのだ(秘密証書遺言は、遺言書の存在を保証してもらえる形式)。しかし、年間120万~130万人が亡くなる中で、この仕組みが利用されているのは10万件ほど。10%にも満たない。

もうひとつは、自筆証書遺言です。文字どおり遺言者が紙とペンを使い、自分で“この人に財産をあげます”と書く遺言書です

 永さんの家で見つかっていないのは、このタイプの遺言書なのだろう。幸いにして、千絵さんと次女の麻理さんの間に意見の相違はないが、きょうだい間でトラブルになるケースもあるらしい。