そして断言しよう。バカスタグラム動画につきものの、「ギャハハ女子」が存在する限り、バイトテロ男子は減らん!
ある時はスマホを男子に向け動画を撮りつつ、ある時は男子たちを遠巻きに見ながら「ウケるw」「こいつバカなんだけど!www」と、下品な笑い声を加えることで、バカスタグラム動画としての完成度をワンランクアップさせる「ギャハハ女子」は、バカな男子の目立ちたい欲をグングン上昇させ、とことんバカにしてしまうのです。
“スゴスタグラマー”になればいい
一番悪いのはもちろん、やっている本人。でもはやし立てる周囲が同罪のときもある。どうか女子の皆さん。もしバカッターやバカスタグラムに遭遇したら、そこは1ミリも笑わず、冷静に、死んだカナブンでも見るような目で一瞥(いちべつ)くれてその場を無言で去ってほしい。そうすることで、一時的にバカ男子の魔法は解けるはず。バカ男子を一撃でシラけさせるには、いつの世も女子の冷たい目線が一番効く。それが世の中のバカを減らす最速の方法かもしれない。
「若さ」と「楽しい仲間」は時に人をバカにしてしまいます。もっとも、青春の日々は、多少のバカによって彩られた方が楽しいのかもしれません。しかし、それらが何度も思い返したくなるような甘酸っぱい日々になるか、二度と思い出したくないような苦々しい日々になるかは、自分の行動次第。
「世の中には、やっていいことと悪いことがある。人に迷惑をかけない。食べ物で遊んじゃダメ。お友達が悪いことをしていても、一緒にやらない」
結局、幼稚園で教えてくれることは、ずっと正しい。私も、あらためて子どもたちに教えようと思います。そして次世代の一時的バカを減らすためにも、世の中のお父さんお母さんは、バイトテロの報道があるたびにしっかりとテレビを指差し、「ええか?こんなバカになったら終わりやで」と子どもたちに教えてあげましょう。
せっかく自由に自己アピールができる場でもあるSNS。どうせならバカアピールじゃなく、コンビニですっごいダンスしながら綺麗にパン補充する高校生バイトとか、高速暗算で計算する人間レジバイトとか、回転寿司で大根を飾り切りでサグラダファミリアにする包丁さばきとか、凄すぎて笑えるバイト動画でも撮って、スゴッターやスゴスタグラマーとして名を上げたらええのに。そしたら企業の株も上がって、時給あげてくれるかもよ。その方がみんな楽しいのにね! えっ……ダメ?
残念ながらバイトテロをしてしまった子たちは、まずは心から反省して、これからは何らかの形で自分が貶めた企業の信頼回復に努め、社会の役に立ちながら、自分自身の信頼も少しずつ取り返してほしいですね。
プロフィール
野々村友紀子(ののむら・ゆきこ) 1974年8月5日生まれ。大阪府出身。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属の芸人、2丁拳銃・修士の嫁。 芸人として活動後、放送作家へ転身。現在はバラエティ番組の企画構成に加え、 吉本総合芸能学院(NSC)の講師、アニメやゲームのシナリオ制作など多方面で活躍中。著書に『あの頃の自分にガツンと言いたい』『強く生きていくために あなたに伝えたいこと』(ともに産業編集センター)『パパになった旦那よ、ママの本音を聞け!』(赤ちゃんとママ社)がある。