『国葬』に『2世信者』安倍元首相関連

 エンタメ界に目を向けると、今年ヒットした映画のひとつに『シン・ウルトラマン』がある。作品に登場した山本耕史演じる「外星人」のメフィラスの言葉遣い、そして「◯◯◯◯、私の好きな言葉です」は、あらゆる場面で活用された。前出のスポーツ紙記者は言う。

「これこそ汎用性ですよね。これに限らずメフィラスのセリフは語感の印象深いものが多く、それを活用したものは『メフィラス構文』としてこの夏よく拡散されました」

 この“◯◯構文”も、さまざま誕生している。

「絵文字やカタカナを多用することで、やわらかみや親しみを生み出すはずがキモくなってしまう『おじさん構文』は少し前から話題でしたが、小泉進次郎さんの当たり前のことを当たり前に言い切る『進次郎構文』、人気のキャラクター『ちいかわ』の口調から派生した『ちいかわ構文』など、『◯◯構文』がどんどん増加しています。最近ではひろゆきさんの展開する論がAI技術で音声サービス化して大人気となりました。これもひとつの『構文』ですね(笑)」

 では社会性のある話題のワードにはどんなものがあるだろうか。やはりインパクトが強いのが連日報道されている、東京五輪の汚職事件、安倍元首相の銃撃事件に伴う、旧統一教会から派生した2世信者問題や国葬関連が注目される。

「やはり安倍元首相事件関連は大きいですよね。『国葬』『2世信者』はもちろん『洗脳』や『壺』といった言葉もクローズアップされました。また国民の生活に影響を及ぼしている『値上げ』や『円安』、さらに国際問題に目を向けると『ウクライナ』や『ゼレンスキー』といった固有名詞も印象的です」

 社会関連では暗いニュースに関わる言葉ばかりだが、若者の間では『平成レトロ』というキーワードのもと、平成初期のアイテムが流行中だ。

「なかでもルーズソックスやギャルピースなどの“平成ギャル文化”に勢いを感じました。懐かしの“ヘソ出しミニスカ”スタイルも流行り、時代の繰り返しを楽しんでいるようです。流行時にはまだ生まれていなかった世代にとっては新鮮に映るのかもしれません」(同)

 2022年も残り3か月ちょっと。「けつあな確定」並のパワーワードがいつ生まれても不思議ではないこと、確定!?

〈取材・文/渋谷恭太郎〉