「江戸時代は別々の藩だし、廃藩置県後も別々の県で、それぞれ長野市と松本市に県庁があった。その後、合併の話が出てきたころに、松本の県庁が放火で焼失したため、長野に県庁をおくことが決まったとか。その恨みがいまだにくすぶっているみたいよ」(長野市の80代男性)

いがみ合う長野と松本

 さらには、

「ライバル意識が強くて、あらゆることで争っているイメージがあります。例えば、県内トップクラスの長野高校と松本深志高校ではどっちが偏差値が高いとか、観光施設の善光寺と松本城ならどっちが人気あるのかとか……。あと県内にプロサッカーチームがなぜか『AC長野パルセイロ』と『松本山雅FC』の2つあって、やはり競い合っていますね(笑)」(50代女性)

 70代の男性は、正直にこう答えた。

「松本出身の人が県知事になると、いい気持ちがしないね。かつての田中康夫知事のときもそうだった」

 では、松本市民はどう思っているのか聞いてみた。

「ボクは長野市民が嫌い。現状では県を分けることはできないでしょうが、いつか“県を2つに分ける”と公約を掲げる知事候補が出てきたら、絶対に投票する。まあ、それは松本出身の人でしょうけど。長野のほうはそんなこと気にしてないでしょうね」(50代男性)

 そんな中、この陰謀論に終止符を打つ情報が……。捜査関係者によると、容疑者は仏像を盗んだ理由についてこう供述しているという。

「びんずるに恨みがあって、どこかに埋めてやろうと思った」「びんずるがいると、地震や事件が起こる」

 そもそも、森本容疑者は熊本県上益城郡御船町に住む。熊本県民が起こした単なる逆恨みの事件で露呈した長野・松本市民の“仲悪すぎ”問題。一番迷惑をかけられた“びんずるさん”は10日、再び善光寺の本堂で一般公開が始まった。