また、水やコーヒーなどを温める際の温めすぎは危険。

電子レンジで急速に静かに加熱された液体は、沸点を超えても沸騰しない場合があります。ただ、振動などの衝撃で突然、激しく沸騰することがあります」

 これは突沸と呼ばれる現象で、電子レンジで加熱したコーヒーを飲もうとしたところ、突然コーヒーが上方に噴き上がり、顔にやけどを負ったという事例もある。

庫内の汚れも要注意

「電子レンジで、飲み物やみそ汁、カレーやシチューなどを加熱するときは、設定時間を控えめに。沸騰ギリギリの状態をつくらないよう、途中で取り出してかき混ぜ、様子を見ながら加熱することをおすすめします

コロナ禍を経て使用機会が多くなったからこそ、しっかりとしたお手入れが必要
コロナ禍を経て使用機会が多くなったからこそ、しっかりとしたお手入れが必要
【写真】電子レンジで肉まんが黒焦げ!

 卵を殻ごと加熱すると、内圧が上昇し破裂することも。食品だけでなく、アルミホイルや冷凍食品などのアルミ包装も要注意。金属がマイクロ波に反応して火花が出る。

「何も入れず、空焚きするのもよくありません。ターンテーブルのローラーにマイクロ波が集中してしまい、溶けたという事例もあります」

 庫内に残る食品カスや汚れが発火の原因になることも多い。

「電子レンジの取り扱いに関して、製造メーカーは庫内をこまめに掃除してくださいと、注意喚起をしています。東京消防庁によると、電子レンジ使用の事故がここ数年増えていると聞きます。コロナ禍で家にいる時間が増え、使用する機会も多くなったことが原因と考えられますが、そのぶん、食品カスの残りや汚れも増えているのでは」

 東京消防庁の発表では、電子レンジの事故は10年前と比べ3倍になったそう。NITEへの報告も毎年30件くらいあり、減ってはいない。

「やってしまいがちなことが意外と危険なケースも。いま一度、取扱説明書の注意事項を確認することをおすすめします」