会社を設立し、取り組んでいること

 引退後は『株式会社斎藤佑樹』を設立し、代表取締役に。“野球未来づくり”をビジョンに掲げ、WEBメディア『バーチャル高校野球』での取材など、高校野球の現場に普段から足を運んでいる。そして企業CMに出演するなど、活躍の幅を広げている。

「こんなにうまくいくとは思っていなかったというのが正直なところです。例えば、野球場をつくることも夢のひとつなんですが、立ち上げまであと少しという段階。いずれは日本各地や海外にも、自分が携わった“野球ができる場”をつくっていきたいと思っています」

 そう話す斎藤は、すっかり実業家の顔をしている。

「いやいやいや(笑)。例えば、WBCで活躍したヌートバー選手と自分との縁を報じていただきましたが、あれは特別なことじゃなくて、野球にはそういう出会いがたくさんある。“野球がつないでくれたご縁”と僕はよく表現しているんですが、誰かが野球教室で教えた少年がメジャーで活躍するかもしれない。一緒に野球をした体験が、何年もたった後にその子の人生を豊かにしているような、そんな可能性を秘めていると思います。その場限りではない縁を、野球に携わる大人たちも大事にすることで、もっと大きなコミュニティーができる気がして。もちろんひとりではできないので、多くの人に協力をいただきながら取り組んでいます」

 自分にしかできないことを──。斎藤の挑戦は終わらない。

身体を鍛え続けている理由

 引退して2年弱。斎藤の身体はまるで、現役選手のような精悍さを保っていた。

「トレーニングは続けています。今日も、ひと汗流してきました! 筋肉量を落とさないように気をつけています。やっぱり練習や指導の現場を知らないと(掲げている)野球環境づくりも難しい。最新の育成環境などを学びたいので、いつ現場に呼ばれても行けるようにしておきたいと思っています」

『熱闘甲子園』
ABCテレビ・テレビ朝日系で放送中(決勝戦まで)。月曜~金曜夜11時10分~11時40分、土曜・日曜夜11時~11時30分
番組ホームページ(https://www.asahi.co.jp/netto/