退所組の動向は?

 また、黙っていても仕事が来るような売れっ子はいいが、新人タレントの場合はエージェント契約では営業がしにくい面もある。

『STARTO ENTERTAINMENT』には、旧ジャニーズを退所せず所属していたタレントたちがそのままスライドして所属することになると思われるが、キー局の関係者は新事務所に所属したことで大きな変化が起きることはないだろうと語る。

「旧ジャニーズ事務所に所属していたタレントたちは、性加害問題の影響で出演していたCMが打ち切りになったり、いろいろダメージを受けました。特にNHKはいち早く厳しく対応する方針を示しましたが、旧ジャニーズタレントの出演が多い民放はそこまでやれません。これまでと大きく変わることはないでしょうし、NHKにしても《被害者への補償や再発防止策などの対応を十分と判断するまで、所属タレントの番組への新規起用を控える》ということでしたので、補償が完了すれば“出禁”も解除されるでしょう。時間がかかっていますが、来年の春ごろまでには補償は完了するだろうと見ています

 どうやら、所属タレントたちが路頭に迷うことはなさそうだ。

 また、福田氏の意向によると旧事務所を退所、独立したタレントたちも新事務所と新たにエージェント契約を結ぶ可能性があるとされており、それによって新事務所は旧事務所同様のタレントパワーを維持できる……という見方もあるが「そう上手くはいかないのでは」とつぶやくのは前出の老舗芸能プロ幹部。

「口が酸っぱくなるほど言いますが、日本の芸能界は古くから“義理”とか“付き合い”で成り立っているところがあります。だいぶ近代化された今でもそれは変わっていない。新事務所の社長が東山さんであれば、彼を嫌いな人でない限り長年の付き合いや旧事務所に対する恩義もあって、契約を結んでいたと思いますが、新社長が外部から来た人間であれば、そんな義理はありません。

 それに海外と違って、日本の場合は事務所から独立してフリーとなっても個人事務所を作る人が多く、その場合は事務所が窓口となりますから、特にエージェント契約を結ぶ必要もないでしょう。例えば二宮和也さん、風間俊介さんらはもう十分知名度がありますし、現時点でレギュラー出演もあり、個人事務所を作ってしまえば、今後も何も問題なく仕事ができますから」

 また、現状維持はできても、ジャニー氏のような新人の発掘や育成に長けていなければ、事務所を成長させるのは難しくなるだろうという、それでも、

「すでに土台はできていますので、失敗することはないでしょうね」(同・老舗芸能事務所幹部)

 新社長の手腕に期待したいーー。