きぬた氏はスポンサー料だけでなく、賞金も用意。ロゴの見えやすいタスキ右掛け、5位以内、区間賞獲得などで賞金が設定された。
「“武田くん10万円ゲット!”なんてバカなことは普通のスポンサーはやらないですからね(笑)」
地元・八王子市の盲学校の援助なども行う予定になっているきぬた氏だが、看板のプロとして行っていることがある。八王子市に最近掲げられた看板。いつものきぬた歯科に見える看板だが、文字が違う。
《市長選、はじまるぞ! 今回も他人事でいいのか? おれは出ないけど!》
1月21日に投開票の八王子市長選の投票を呼びかけるもの。
今後も法政大のスポンサーを継続
「このような社会問題に関するメッセージを入れた看板を今後も出して、半年ごとに変えたら、結構バズってくれるんじゃないかと思っています。メッセージは『X』で募集していて、すでにかなり届いています。AEDの普及、子どもの貧困対策などですね」
駅伝のスポンサーになったことによる医院への直接的な効果は特に考えていない。
「持論ですが、募金や寄付とかは生活や心に余裕がなければ1円もやる必要がないと思っています。税金を収めているなら十分じゃないですか。僕自身、稼ぎながらも5年くらい前までは社会貢献とかやる気は全然なかったです。そう思うようになったときにやればいい」
駅伝については、今後も法政大のスポンサーは続ける方針だ。
「いい成績を出すと、“もっと高い金を出すから”とスポンサーに手を上げてくる別の会社が出てきたりするらしいです。そういう大きな会社が出てきたら僕は降りるつもりです。法政にとって良いことですから。そうなったら役目は終わりというか。結局うちは看板なんで。でも、その会社が降りたら、また声をかけてくれたらやりますよと伝えてます」
さらには、別の“世界線”も……。
「現状、スポンサーロゴは1校につきユニフォームに1つしか入れられないところ、実は来年から2つ(2社)入れられるようになるそうです。青学の原監督が“青学にもやってくれない?”って(笑)。2校のスポンサーになるのは規定的に問題ないようですが、それをやっちゃうのはイメージが良くないですからね(笑)。効果も薄れますし」
最後に。本取材中、“看板のプロ”きぬた氏から他大学のスポンサーロゴに多くのダメ出しが。
●(A大学)ユニフォームとロゴの色合わせが悪すぎ。
●(B大学)文字数が多すぎ。◯文字って……。
●(C大学)“デザイン”が入りすぎて視認しづらい。走ってるんだから。
●(D大学)よくわからないロゴ、ダメ。検索もしづらい。
大学名は伏せるが、各大学の担当者およびそのスポンサーはよろしければご参考に……。