僕よりはるかにすごく頭の回転も速い

 苦笑いを浮かべる。自身に好意を向ける女性を利用する大渕という人物については、

「(演じた役なので)共感できる部分がないとは言いたくないのですが……。僕よりはるかにミステリアスで、すごく頭の回転も速い。優しいんです、僕(笑)。その素の自分のキャラクターが出てしまったようで、撮影中に“優しさはいらない”みたいなことを言われた記憶があります。

 でも、サイコパスな大渕の中にも優しさがあると思っていて。だから、演じるのが難しかったです。結構、NGを出しました。これまで出演してきたドラマの中でも一番悩まされた作品だと思います

 大渕と橋本の共通点に“笑顔”があるのではと尋ねると即座に、

「笑顔でもまったく意味が違います! 大渕の笑顔は、武器のようなもの。僕は、そんな目でファンのみなさんのことを見ないですから!!(笑)

 人懐こい印象の橋本だが、このドラマの現場では共演者と話をすることがなかった。

「本来の僕は、話したい人。でも、出演者のどなたとも会話をすることがなかったですね。実は、メイク室で何度も桐谷さんの隣の席に座って。いつもなら話しかけているのですが、今回は控えました。桐谷さんから“大渕モードでいてほしい”というオーラを感じたというか」