「水原氏が大谷選手の口座に関して、何ら権限を持たないにもかかわらず、何かしらの方法でアクセス・送金した場合には窃盗、権限をもともと持っており送金した場合には横領となります。窃盗の場合は、1000ドル(約15万円)以下の罰金または3年以下の収監。横領だとすると、1万ドル(約150万円)以下の罰金または3年以下の収監と定められています。被害額が多額の場合には、最長5年の刑期が加えられます。今回、金額がかなりの高額であることから、実刑となる可能性は十分にあります

大谷が処罰を受ける可能性は

 水原氏は違法な賭博を行っていたということだが、賭博に対する罪はどうなるのか。

「違法賭博に関する罪は、6か月以下の収監または100〜1000ドル(約1万5000〜15万円)の罰金が科される可能性があります。ただ、賭博については軽犯罪と捉えられているため、違法賭博について刑事罰に問われる可能性は微妙なところですが、刑事罰に問われた場合、窃盗や横領の刑事罰と合算される可能性があります」(徳原弁護士、以下同)

 大谷名義の口座から送金されていたが、大谷も罪に問われてしまうのだろうか。

「大谷選手が罪に問われる可能性は低いかと思われますが、仮に大谷選手が違法な賭博の返済ということを知っていたとすると、違法なものを助長したかのようにみられます。その場合、大谷選手自身の評判にも影響し、MLBから何かしらの処罰を受ける可能性もあります」

 メジャーリーグでは賭博に関して、どういった決まり事があるのだろうか。現地で取材をするスポーツライターの梅田香子さんに話を聞いた。

メジャーリーグではスポーツ賭博について厳しい規則があります。選手や監督、コーチ、球団スタッフなどの関係者が野球に関することでの賭け事を禁止。子どもやアマチュアの試合を対象に賭けることもNGです。野球以外の競技に関しては合法な州であれば問題ありませんが、違法な賭博はもちろん処罰の対象になります。大谷選手もMLBが調査し、最終的にはコミッショナー(最高責任者)が規約に違反するか判断します」

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 日本ハム時代からの関係だった水原氏と離れる影響は少なからずありそうだ。

「水原さんのような人材は貴重でした。メジャーリーガーの通訳は拘束時間も長く、精神的に疲れてすぐやめてしまう人も多いです。また、水原さんは給料の面では恵まれていたようですが、それは長く続けたからであって、過去には年俸が2万ドルという人もおり、長続きしない職業です。そんな中、練習のサポートなども含めて、二人三脚で頑張ってきた優秀な人材を失うのは大谷選手にとって、とても痛いことですし、ショックだと思います。プレーに影響がないといいのですが……」(梅田さん)