練習相手も務めていた水原氏がいなくなったことへの懸念点について、スポーツライターの小林信也さんはこう話す。

大谷選手の練習相手を水原さんが務めることで、コーチやトレーナーが口出しをしづらくなり、結果的に大谷選手が自分で考えたように練習ができるようにしていました。水原さんは野球に関しては素人ですが、長嶋茂雄さんも素人のアナウンサーを練習相手にすることもありました。技術的な口出しを素人はしないので、スーパースターはそういう人を練習相手に選ぶことがあります。ただ、これからは球団の考えが介入することになるでしょう。はたしてそれが大谷選手と相性がいいのか、という心配はあります

パフォーマンスに影響の可能性も

 開幕2試合の大谷の姿を見て、ある“違和感”があったという。

「打席での姿を見ていると硬さがありました。身体が自然に動くというより、“打ちたい”という意識が強く、心技体がそろっていないように見えました。そういうときに起こりがちなのがケガです。重大なケガをしないか心配です。

 また、成績に関しても活躍を期待しすぎるのはよくないでしょう。結婚した次のシーズンには成績を落としている一流選手も多いです。それに加えて、今回の水原さんの件もあったので、厳しいシーズンになるかもしれません」(小林さん、以下同)

大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース公式インスタグラムより)
大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース公式インスタグラムより)
【写真】“親友”から一転…大谷翔平夫妻と記念写真に収まっていた水原一平氏と美人妻

 水原氏の賭博については、まだはっきりとわかっていない部分も多いが、大谷の最善の処し方は─。

「大谷選手自身が野球賭博をやっていなければ、永久追放にはなりません。水原さんの発言が翻り、事実が不透明です。問題は大谷選手自身が、返済に関与したか。関与したとすれば“出場停止”などの重い処罰もありえます。知らなかったのなら大谷選手の処罰はないでしょう。いずれにせよ、大谷選手自身に正直に話してほしいです

 突如、大谷に降りかかった“一発退場”の可能性。大谷の潔白が証明されて、変わらずグラウンドで活躍する姿を見続けたい。

徳原聖雨 弁護士
弁護士法人・響。消費者トラブルや借金・交通事故・離婚・労働問題・相続など民事事件から刑事事件まで幅広く手掛ける。RKB毎日放送『タダイマ!』にレギュラー出演するほか、ニュース・情報番組などテレビ・新聞・雑誌等メディア出演も多数。弁護士法人・響 公式HP:https://hibiki-law.or.jp/
梅田香子 スポーツライターとしてアメリカに在住し、大リーグを中心に取材活動を行う
小林信也 作家、スポーツライター。野球をはじめ、幅広い分野で取材、執筆活動をしている