マウンティングおじさんのダル絡み

 このような女性に対して見下した態度で接してくる男性の行為を「マンスプレイニング」というのだが、前出のお笑いライターいわく、お笑いファンにはあまりにもそういった男性が多いという。

 初めは“顔ファン”から入って、劇場に足を運んでいくうちに、ダル絡みのマウンティングおじさんと化していくのがテンプレートだそうだ。

「メディア側の『美人過ぎる〇〇』といった紹介の仕方も問題ですよね。ハイツ友の会もネタが評価されるわけでもなく、ビジュアルを褒められることも多かった。

 もちろん、視聴者が彼女たちに興味を持ってもらうため、あえてそのような肩書きを付けたがるのでしょう。そして、顔のタイプが好みでそこからファンになることになんの問題もありません。

 ただ、当たり前のことですが、演者に『余計なことを言うな』ということに尽きます。もし、劇場の外に普通のお笑いファンしかいなかったら、西野さんもわざわざ、『“お笑い”が好きな男性』とは書かなかったですよね」(同)

 このマンスプレイニングじみた、「顔ファン」や「マウンティングおじさん」はお笑い界に限らず、映画、美術、演劇、アイドル……。どこの現場でも蠢いている。

「とある、30代前半のSNSでたくさんのフォロワーを抱える、女性のカルチャー系のライターのイベントには、彼女の『顔目当て』、そして彼女よりも知識をひけらかしたい『マウンティングおじさん』ばかりが集結していました。

 若干、そういう人たちは『無敵の人』の感もあるので、何人かのファンは『水着写真集出してください!』と大声で懇願していました。もはや、メディアに出ている女性を性的消費の目でしか見られないのでしょう」(カルチャー誌編集者)

 男性ファンも出演者の女性たちへのマウンティングに楽しみを覚え始めているようであれば、本当に自分が好きだったコンテンツに集中できなくなるのではないだろうか……? 今後も、こうした問題は絶えないだろう。

取材・文/千駄木雄大