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ー 「娘から“また来てね”」
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ー 生きるのは“苦しみと楽しみの連続”

「今日は何かお役に立てることがありますでしょうか」

 そう丁寧に語るのは、フリーアナウンサーの鈴木史朗さんだ。

 鈴木さんは、1992年から放送されていたTBSバラエティー番組『さんまのSUPERからくりTV』内の人気コーナー『ご長寿早押しクイズ』で長らく司会を務めていた。同コーナーは2016年に復活したが、鈴木さんは2017年を最後に番組を勇退。最近はどんな生活をしているのか聞いてみた。

「娘から“また来てね”」

「最近は、よくテレビを見ています。番組制作の裏側も知っていますから、普通の人より3倍は楽しめますよ!」(鈴木さん、以下同)

 鈴木さんは1962年にTBSに入社。当初はアナウンス室に配属されるも、異動によりバラエティー番組のディレクターや、事件・事故などを取材する社会部の記者として活躍したこともあったという。

「ロッキード事件から五つ子ちゃんの家族まで幅広く取材しました。忙しくてたまにしか家に帰らないから、当時幼かった娘からは“また来てね”なんて言われたことも(笑)。契約関係を扱う部署では、出演されるタレントさんのギャラを決めていたこともありましたよ。本当にいろいろなことをやりました」

 その後、アナウンサーに復帰。報道番組でニュースを読み上げるほか、人気時代劇『水戸黄門』のナレーションも担当。しかし、鈴木さんをお茶の間の視聴者に強く印象づけたのは、やはり『ご長寿早押しクイズ』だろう。

「あれは大変でした。300回以上も放送しましたから、全国さまざまな場所に行きました。ただ、最初に話があったときは“ご老人をバカにする番組なんて絶対に嫌だ”と断ったんです。しかし、頼み込まれてしかたなく1回だけ現場に行ったところ、逆にみなさん生き生きと楽しんでいるようでした。だから続けることにしたんです」