「役を通して自分磨きにもなるなと思いながらチャレンジしています」

 ミュージカル界のスターは、ヒットドラマ『半沢直樹』の"敵役"銀行支店長での好演をきっかけに知名度がアップ。そんな石丸幹二はそれ以降、『ルーズヴェルト・ゲーム』ではまじめで情が深い総務部長、大河ドラマ『花燃ゆ』では志士たちの理解者の長州藩重臣と、存在感あるバイプレーヤーぶりを発揮。WOWOW初出演のドラマ『スケープゴート』では、大物政治家の背後で暗躍するテレビ局役員を演じる。

「誰しもあるグレーな部分を濃淡つけて演じ分けるようにしました。物事には表と裏があって、どちらも正しかったりするし、画策することで物事が決まっていくこともある。そんな曖昧模糊とした大人の世界を描いたドラマで、策士を演じて楽しかったです」

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撮影/佐藤靖彦

 1990年に劇団四季で舞台デビューしてから25年。夏には50歳になる。

「俳優人生の残り時間をいかに有意義に、価値あるものにするか、真剣に向き合いたいと思うようになりました。いままでできたことがどんどんできなくなっていく。そのなかで好機を逃さないためにも体調を万全にしておかねばならない。上手に年齢を重ね、枯れながらも輝くために、気を引き締め直すタイミングだと思います」

 趣味はドライブ。多忙のため遠出はできないが、愛車でのロケ先移動が息抜きになっているという。

「運転の代行をすすめられるけど、それで失われるものがある。僕にとっては自分で運転することで反射神経や感覚を研ぎ澄ましています」


連続ドラマW『スケープゴート』(4月12日スタート、WOWOW毎週日曜夜10時放送/第1話無料放送)幸田真音原作の社会派ドラマ。女性政治家が総理大臣のポストに突き進むサクセスストーリー。主演する黒木瞳と初共演の石丸は「黒木さんは、輝くようなオーラがあってさばけている。小気味よく演じておられてステキです」