9月2日、付き人をしていた落語協会所属の真打・金原亭世之介の甥っ子に暴行したとして傷害の容疑で逮捕された熊ケ谷親方(元十両・金親)。横綱・白鵬が所属する宮城野部屋の部屋付き親方の不祥事で角界に大きな激震が走った。

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9月2日、移送のため警視庁向島署を出て連行される熊ヶ谷親方
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 熊ケ谷親方は過去にも問題を起こしている。’07年に『週刊現代』に愛人女性が彼から聞いた話として、白鵬が初の綱取りに挑戦した’06年七月場所で、朝青龍ら4人に計900万円を支払って八百長を依頼したという記事が出た。それが協会の品位を傷つけたとして、’10年12月に開催された理事会で師匠から部屋付き親方に降格させられている。

「’89年に急逝した9代目宮城野親方(元・廣川)から部屋を継いだ10代目(元・竹葉山)ですが、部屋の不動産や『宮城野』の親方株は9代目夫人の持ち物だった。つまり、白鵬を育て上げた10代目は繋ぎの“雇われ親方”でしかなかったんです。そして9代目の娘と婿入りする形で結婚したのが、現・熊ケ谷である金親なんです。彼は’04年に11代目宮城野を襲名し、10代目は部屋付きの熊ケ谷親方になったのです。ですが、’10年12月の協会の裁定で、不祥事を起こした11代目は部屋付きの熊ケ谷親方に降格。代わりに10代目が宮城野に復活し、現在も部屋の師匠として取り仕切っているのです」(相撲ライター)

 部屋を継がせたはずの“婿どの”は不倫などの問題を起こし、部屋付き親方に降格。当然のように女将さんからは愛想を尽かされ、昨年末に離婚が成立している。

「部屋には弟子たちのほか、最上階は熊ケ谷の元女将さんも住んでいる。彼は本当に居場所がなかった。部屋付き親方なのに、ほとんど部屋には顔を出さなかった。白鵬なんかは完全に無視していましたね。でも、パーティーなどには、なぜか後援者たちをたくさん連れてきていましたよ」(前出・相撲ライター)

 部屋の若い衆からはすでに“あの人”呼ばわりされているという熊ケ谷。弟子を指導しない親方など、まさに、給料をもらうためだけに協会にいると言われても仕方ないだろう。

「付き人にはあんなに暴行するのに、タニマチなどにはとにかくぺこぺこして、口がうまいんです。なので、後援会などのウケはよかった。宮城野親方としても、その営業力には一目置いていたのかもしれません」(協会関係者)

 協会は捜査の結果を踏まえて危機管理委員会を開き、そこで解雇処分にするというのが大方の見方だ。だが、クビにすればすむ問題ではないらしい。今後、新たな“熊ケ谷ショック”が相撲界を襲うかもしれない。

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「実は、熊ケ谷親方はタニマチなど複数の人に借金をしまくっているんですよ。ある人には“親方株を買うのでお金を貸してほしい”と言ったり、別の人には“離婚が成立すれば多額の慰謝料が入る”などと言って都合をつけてもらったりしたことも。もちろん、白鵬関の名前をうまく使って、お金を引っ張ったこともあるようですよ。多い人では1000万円ほど貸している人もいるとか。でも、お金を返してもらったという人は聞いたことがないですね。角界からの追放は決定的という話ですし、そうなると“金返せ”と、借金問題が一気に噴出するのは時間の問題でしょう。とても返せる額ではないようですし、部屋や白鵬関に迷惑がかからなければいいのですが……」(後援会関係者)

 暴力、女、金と悪い噂がつきまとう親方。角界からお引き取り願っても、膿を出し切るには時間がかかりそう。