「なぜ、若者が若者を"処刑"するような残忍な事件がこうも続くのか。川崎市の上村くん殺害事件、横浜市の泥酔した専門学校生放置死事件、そして今度は18歳少女が生き埋めにされたという。狂気の連鎖が止まらないのが怖い」と全国紙社会部記者。

 千葉県船橋市に住む野口愛永さん(18)が知人らの乗るクルマに同乗してから行方がわからなくなっていた事件で、千葉県警は24日、監禁容疑で逮捕した男の供述に基づき同県芝山町の畑から野口さんの遺体を発見。深さ約1.5メートルの穴の中で、頭部を何かでグルグル巻きにされていた。顔の見えない状態だった。

「捜査の端緒は、野口さんを知る男性が21日、県警船橋東署に"連絡の取れない女性がいて埋められたという話がある"と通報したこと。野口さんの妹も、LINEで友人に姉の安否について相談しており、交友関係から成人を含む少年少女グループが浮上。先に監禁容疑で逮捕していた少年少女らの供述が二転三転したことから慎重に取り調べ、ようやく遺棄現場が特定できた」(地元の記者)

 野口さんの妹はLINEで「おねーちゃんが殺されたかもしれなくて」などと友人に相談。

「たぶん。生き埋めにされたかもなんだって」 と続けていた。

 野口さんを車中で2~3時間監禁した疑いで逮捕されたのは、主犯格の無職井出裕輝容疑者(20)、無職中野翔太容疑者(20)、鉄筋工の少年(16)、アルバイトの少女(18)の4人。

 なぜ、野口さんは狙われたのか。前出の地元記者の話。

「野口さんは両親と妹2人と船橋市内で暮らしていたが、地元の高校中退後に家出し、千葉市内の繁華街などで遊んでいたようだ。ホストクラブにハマり、お目当てのホストのために100万円のシャンパンタワーを頼むなどツケや借金がかさんでいたという。19日夜に千葉市内の路上を女友達と歩いているところを、このホストの仲間に見つかり、追い込みをかけられた。金銭トラブルのもつれとみられる」

 ツケの回収が目的ならば、どうして殺すのか。動機と結果が結びつかない。

 東京工業大学の影山任佐名誉教授(犯罪精神病理学)は「集団心理がエスカレートした可能性もある」と推測する。

「上村くん事件がそうだったように、集団心理で残虐行為に歯止めがかからなくなることがある。極端に悪いのが1人いると、ほかの連中も引き寄せられてしまうんです。理性が働きにくくなり、衝動的行動に突っ走るのが特徴。例えばおもしろがって"生き埋めにしてやろうか"と言い出したことが止まらなくなる。詳しい事実関係がわかりませんが、誰か1人が首を絞めて殺すより、複数の人間で土をかけるほうが度胸はいりません」(影山名誉教授)