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 14日以降に熊本県及び大分県で連続で発生した熊本地震。約8万人が避難生活を続けているが、支援のありかたについて賛否両論が起こっている。

 そこで19日、自ら手配したヘリコプターで実際に現地に出向き、自腹で調達した飲料水などを支援した高須クリニック・高須院長に話を聞いた。

「パラオで水不足が起きた時に、日本赤十字社を通じて寄付をしたのね。でも話を聞いたら、まだその寄付金が届いていないというんだよ。なんでも赤十字社のシステムって一旦お金を集めてから、スイスの本部がどこに分配するか指示するんだって。だから、被災地のために寄付しても、必ずしもその寄付金が被災地に届く訳ではないみたいなんだよね」

――それは知りませんでした。

「届いたとしても寄付金の分配の会議をしているうちに、被災地が壊滅したりしている場合もあるからね。だから、本当は僕みたいに直接物資を支援するほうが確実。募金活動をしている人や団体の中には、人件費は募金から払うってケースもあるし。

 大きい団体は行動が遅いし、小さな団体は私利私欲に利用している可能性がある。寄付しただけで満足しちゃっている人も多いけど、本当に支援したいなら、寄付以外の支援の方法も考えたほうがいいよ」

――でも、一般の人は院長のようにヘリをチャーターして物資を支援することはできません。

「そういう場合は自衛隊に直接物資を預けて運んでもらったほうがいいと思う。僕も今回、直接自衛隊に渡して運んでもらった物資もあるしね。もし一般からの受け付けをしていないなら、国も一般の方からの物資も運んでもらえるようにルールを変えるべきだよね」

――寄付金での支援だけではダメなのでしょうか?

「震災直後の生きるか死ぬかって時には、水や食料などの物資が必要。お金があっても物資が手に入らないと意味がないでしょ。だから、支援の仕方を国などがきちんと決めてあげるべきなんだよね。例えば、震災直後は生きる上で必要な物資。数日経ったらお風呂の確保など衛生面、そして落ち着いたら復興するために必要な寄付金……といった具合にね」

――その通りですね。

「有名人の中にはSNSやブログなどの情報発信の仕方で叩かれた人もいるけど、それは寄付したり、情報を拡散しただけで満足しているからだよ。本当に支援したいなら、自分で動かないと。実際に被災地に行って活動した人はあまり叩かれていないでしょ?」

――実際に現地に行っている高須院長が言うと説得力があります。

「あと金持ちは何かが起きて寄付をするのではなく、普段から寄付を続けるべき。さっきも言ったけど、震災が起きて寄付をしてもすぐには現地には届かないケースも多い。

 だけど普段から寄付をしておけば、そのお金でヘリコプターなど支援に必要なモノを揃えられ、多くの人が助かるかもしれないでしょ。だから今回の震災をキッカケに、支援への取り組み方について、有名人に限らず真剣に考えてほしいね」

<プロフィール>

 高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。高須クリニック院長。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。脂肪吸引手術など世界の最新美容外 科技術を日本に数多く紹介。金色有功章、紺綬褒章を受章。『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)、『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島 社)。高須院長Twitterアカウント@yes_jinsei