糖質オフ、腸内細菌、健康寿命……テレビの特集番組や、雑誌やネットの記事で、毎日のように目にする健康情報。最近では、科学的根拠をもとに機能性をうたった食品もスーパーに数多く並ぶように。生活習慣病などの増加にともない、“1億総健康オタク”ともいえるほど、食事法や栄養についての意識はかつてないほど高まっている。

カロリー計算は必要ない! やせ我慢もNG

10月28日に発売される『世界一予約のとれない栄養療法士の「食べて美しくなる」10のルール』(定価1520円 主婦と生活社刊)

 そんな折、イギリス人女性のアミリア・フレアさんが提唱する「食べて美しくなる10のルール」が話題を呼んでいる。アミリアさんは、最近激やせしてイケメンになったグラミー賞歌手のサム・スミスや、ボーイ・ジョージなどセレブに個別指導を行う、“予約のとれない”ほど超人気の栄養療法士。

 ダイエットといえば厳しい食事制限、低カロリー、味気ないサラダが定説だったが、彼女の教えは「品位のある食べ方をすれば、カロリーの心配は時間の無駄。空腹を我慢する必要もありません」というもの。

 アミリアさんの著書『Eat.Nourish.Glow.』には、肥満やメタボ、アレルギーの症状や不調を改善したり、美肌やアンチエイジングにつながる、目からウロコのヘルシー食事法が紹介され、15万部超えの世界的ベストセラーになった。

 10月28日には、この本の日本語版が『世界一予約のとれない栄養療法士の「食べて美しくなる」10のルール』というタイトルで発売される。そこで、同じくイギリス在住で栄養療法士として活躍する日本人女性であり、この本の翻訳を手がけた一美キンロスさんに、アミリアさんの栄養療法について聞いてみた。

砂糖は敵に、脂肪を友にしよう

──栄養療法士とは、どんな仕事でしょうか。管理栄養士との違いは?

「栄養療法士は、必要に応じて、さまざまな分析手法(セルフ検査、血液検査、尿検査、便検査、唾液検査など)も使って、今の症状をもたらしている根っこの原因を探り出し、食事の工夫で健康を取り戻す手助けをする仕事です。

 栄養関係の仕事で、一対一の健康アドバイスをする訓練を受けているのは、栄養療法士以外には、日本語では管理栄養士に当たるダイエティシャンという資格もあります。ダイエティシャンは、一般的には医師の管理下で病気の人の食事プランを作るのに対し、栄養療法士は独自の裁量で、不調だけれど病院での検査では何も悪くないと言われる場合も含めて、より広い範囲を対象にしています」

──アミリアさんの提案する食事法が、多くの人に受け入れられる理由は? 一般の日本人にも違和感はないですか?

「あれはダメ、これもダメ、と厳しい食事制限をやみくもに課すのではなくて、科学的な根拠をわかりやすく示したうえで、その人にとっていちばん必要な改善から、時間をかけてやっていくのがアミリア流だと思います。

 次々に出ては消えていく無理なダイエット法や、根拠がわからない健康情報に振り回されて辟易している日本人にこそ、拍手をもって迎えられるのではないでしょうか」

──品位のある食べ方とは、具体的にどんな食事習慣?

「“食べ物に敬意を払う食べ方”と言い換えられると思うんです。

 メールチェックや仕事など、他のことをしながら心ここにあらずでかきこんで、何を食べたのか、どんな味だったのかすら覚えていないような食べ方では、食べ物に失礼ですよね。

 食べ物ひとつずつを楽しく味わい、また、それを食べると身体や心がどう反応するのか、いわゆる身体の声に耳を傾けながら丁寧に食べる食事習慣のことです」