ジャニーズの押し売り商売もそろそろ見納め?

 初回生放送という触れ込みで2ケタ視聴率だった『レンタル救世主』(日テレ系・日曜22:30)はジリ貧状態に。

「“救世主”というタイトルに惹かれて見た人たちは2度と見ないと思います。実際は単なる何でも屋の話で、しかもラップを歌うことで事件が解決。……何じゃそりゃ。

 せっかく沢村一樹、志田未来、勝地涼、大杉漣といった芸達者が出ているのにもったいない。無理やり作ったイケメン枠に、不釣り合いの容姿の駒(ここでは藤井流星)を入れてくる、ジャニーズの押し売り商売にはいいかげん食傷ぎみです。この事務所のこうしたやり方も、そろそろ見納めになるかもしれませんが……なるといいなぁ。

 それは、『砂の塔〜知りすぎた隣人』(TBS系・金曜22:00)の岩田剛典も同じ。タワマンあるあるなイジメ話に悩まされる、善良な主婦役の菅野美穂。そこに謎いっぱいの悪女役・松嶋菜々子がサスペンスに絡み、それを岩ちゃんが心配そうに見つめているという、盛りも盛ったりな主婦向けストーリー。

 女性に人気の岩ちゃんを出したい、という気持ちはわからないでもないけれど、場数もセリフも多い結構な大役を、岩ちゃんに任せてしまうというのはなかなかの高リスク。そこをごまかすために、いろんな要素をブチ込んどけば、とりあえず何かひとつは引っかかるだろうという制作側の思惑がニオイます。ステーキもカレーもプリンも一緒に盛ってしまったような、下手なバイキングの皿を見せられた気分。あんまり食指が動きません」

イケメン枠に頼らず、芸達者な主役をきちんと生かすべき
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松岡&船越が善戦、深夜ドラマでも明暗

 深夜枠で善戦しているのが松岡昌宏の『家政夫のミタゾノ』(テレ朝系・金曜23:15)。

「松岡が女装して、無表情でシュパッと動いて家の中のトラブルをかき混ぜる変な家政夫役をやると言われたら興味持ちますよね。出オチ感はありますけど(笑)。

 バカリズムが脚本を書いている『黒い十人の女』(日テレ系・木曜23:59)は、テレビ業界の乱れた風紀が伝わってきて、現場にいる人間の目から見たリアルを感じます。男の側から不倫を描いている点も面白い。成海璃子、水野美紀、佐藤仁美、トリンドル玲奈など愛人役もそれぞれみんなハマっています。

 でも一番のハマり役は、息を吸うように目の前の女を口説く軽薄なプロデューサー役の船越英一郎(笑)。ちゃんと物語を作れば、芝居ができる役者たちがしっかり演じて、視聴者も見るんです」