『校閲ガール』作者の宮木あや子さん

「『校閲ガール』を担当してくれた“校閲ボーイ”さんはスゴく字が汚かったです(笑)」

 石原さとみが出版社の“校閲部”で働く主人公を演じる話題のドラマ『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系・水曜夜10時〜)。その原作となったのは、宮木あや子さんの小説『校閲ガール』(KADOKAWA)だ。

「もともと『〇〇ガール』という本を出したかったんです。そういったタイトルのテレビドラマも多かったですし、私も出版関係のお仕事で何か“ガール”を出せば出版社が売ってくれるんじゃないかなぁと思って(笑)。でも、“編集”も“書店”もすでに出ていたので、私の知っている出版関係のお仕事が“校閲”しか残っていなかったんです」

 こうして『校閲ガール』の構想を練っていたところ、ちょうど“本にまつわる短編集”の依頼が入り、原作小説はスタートした。

「今回、作品を書くにあたって取材はしましたが、私自身、校閲さんに実際に会うことはほとんどありません。だから校閲さんは、すごく身近で遠い存在ですね」

 主人公・悦子は、原稿に誤りや不備がないか確認する校閲担当者。宮木さんは原稿を見てもらう立場だ。“ゲラ”と呼ばれる、実際に出版される本と同じような形で原稿が印刷された確認用の紙に「“トル”(この文字を取ってなくす)」などの用語や記号が校閲担当者によって書き込まれる。

「『校閲ガール』を校閲してくれた方はスゴく字が汚くて(笑)。その人は校閲“ボーイ”なんですけど。汚いというかすごく達筆で……。それで全然読めなくて、“汚いな〜”と思いながら解読しました(笑)」

 とはいえ、その校閲ボーイのプロ根性を思い知らされたこともあったという。原作『校閲ガール』には、悦子が校閲を担当した週刊誌の連載歴史小説の1節が出てくるのだが、

「その部分は私の別の作品のボツ原稿なんです。編集者には渡している原稿です。原稿で私は“26日”って書いていたところを、ちゃんと歴史的資料にあたって、“これ、26日じゃなくて、25日です”って入れてくれたんです。すごいなぁって。私も担当編集者も間違っていることに気づいていなかったんです。指摘してくれた部分はそのまま生かし、物語中で悦子に直させました」