ヒットの仕掛人が語る

ダンディからスギちゃんまで輩出する”プロジェクトGET”誕生の背景

2015年12月19日(土) 12時00分
〈週刊女性PRIME〉
2015年12月19日(土) 12時00分
〈週刊女性PRIME〉

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誰もが知っている3人はサンミュージック・プロジェクトGETが輩出している

【好評連載・エンタメヒットの仕掛人】ダンディ坂野に始まり、カンニング竹山からヒロシ、小島よしお、スギちゃんまで多くの人気芸人を世に送り出しているサンミュージック・プロジェクトGET。今年は『メイプル超合金』が「M-1」ファイナリストに残った。この"プロジェクトGET"と呼ばれるサンミュージックのお笑い班はどうやって人気芸人を発掘し、育成し、プロデュースしているのだろうか。その"仕掛け"について、プロジェクトGETを統括する岡博之さん(ブッチャーブラザーズのリッキーさん)と、部長をつとめる小林雄司さんを独占インタビュー。全4回にわたるインタビュー記事第2弾では、"プロジェクトGET"の誕生について語ってもらう。

——『サンミュージック・プロジェクトGET』はいつごろ立ち上げたのですか?

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岡博之(おか・ひろゆき)●1958年生まれ。京都府出身。森田健作の現場マネージャーとして上京。テレビ番組「笑ってる場合ですよ」「君こそスターだ」でチャンピオンになり、サンミュージック所属のお笑いタレント第一号「ブッチャーブラザーズ」としてデビュー。ダンディ坂野、カンニング竹山、ヒロシを世に送り出すプロデューサーとしても活躍。現(株)サンミュージックプロダクション取締役。

リッキー「1998年から1999年ごろに立ち上げました。いまの社長(相澤正久氏)が当時、副社長だったころですね。フリーの芸人をやっていた僕ら(ブッチャーブラザーズ)を“サンミュージックでイチからお笑い班を作ってやっていかないか”と誘ってきたことからすべてが始まったんです。最初は自分たちも芸人として舞台に立ちながら、ダンディ坂野とほか数名でなんとかやってきました」

——周囲はどう思っていたんでしょうか?

リッキー「当時の事務所では、反対派が大半だったと思います。誰なのコイツらって、荷物を足蹴にされたのは記憶に残ってますからね(笑い)」

——最初は逆風があったんですね。

小林「昔から、サンミュージックという事務所にはアイドル色が強くありました。だから、なにを今さらお笑いをやるんだ、みたいな空気はあったというのは確かです。売れるまで5年半かかっているんですが、それまでのあいだ、ブッチャーブラザーズは苦労したと思いますよ。ネタを披露する番組が何もなくなったタイミングで立ち上げた経緯がありますし」

リッキー「そのころ、ちょうどお笑いブームが去っていくときでしたからね」

小林「そして、その当時はジャニーズ事務所さんが、バラエティ番組などにも出演するようになってきて、お笑い芸人の仕事が減っていくのではないか、という危機感もありました」

——サンミュージックGETの"GET"にはどのような意味があるのですか?

リッキー「先代の社長(故・相澤秀禎さん)に“お笑い班”にチーム名があったほうがいいのでは? と提案しました。で、現社長やお笑い班のメンバーと話し合って、ダンディが言っていた“ゲット!”から「GET(ギャグ・エンターテイメント・チーム)」に決定しました。でも、ダンディの“ゲット!”は滑舌が悪くて、“ゲット!”が“ゲッツ!”に聞こえはじめて、それがそのまま彼の持ちネタとして定着したんですけどね(笑い)。

 この業界では、お笑いタレントが売れるまでには時間がかかると言われています。ネプチューンさんがワタナベエンターテインメントという大手事務所のパワーをもってしても売れるまでに8年かかったわけですからね。なので、事務所には“5年間待ってくれ”と交渉したんです」

——そんななか約5年でヒットを生み出したわけですね。

リッキー「そうなんです、ちょうど5年半目にダンディ坂野がマツモトキヨシのCMに決まって、その後は順調に『内P(内村プロデュース)』、『めちゃイケ(めちゃ×2イケてるっ!)』への出演が決まってヒットしたんです。事務所に待ってくれと言った約束の5年を過ぎていたので、相棒のぶっちゃあと“いつサンミュージックからクビを切られるか分からないね”と話しをしていたところだったんです」

——それでも、勝算はあったんですか?

リッキー「僕の中で、ダンディ坂野は絶対イケると思っていました。お笑いライブに出演すれば、普通のお客さんにはまったくウケないダンディのネタが、コアな業界人にやたらとウケていたところがあるんですよ。

 そのような人たちはみんな“すごいのを見つけたね。ここまでスベっているのも珍しい”とか、“なにか言ったあとにゲッツ!と言うのもいいね”と言われました。ダンディの芸を見た誰もが“あの素人みたいな芸人はなんだ”と言いながらも、すぐに真似て“ゲッツ!”とやっていた。それを見たときに、これは誰もが簡単にできるからいけるな、と感じた。この“ゲッツ!”というネタを作り上げるために、同じ言葉と同じ動作の繰り返しをひたすら練習したんですよ」

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"ゲッツ!"

小林「僕が“お笑い班”に入った時には、ダンディ坂野の“ゲッツ!”というネタは完成されていたんです(笑い)。やはりキレがすごい。当時、ブッチャーブラザーズがものすごい稽古をしたと聞いていました」

リッキー「当時、いろいろと支援してくれていた元役者の人が稽古場を持っていて、ネタの稽古に使わせてくれていたんです。そこで皆でそれぞれが思う“ゲッツ!”をやりながら、試行錯誤のなかで今の“ゲッツ!”の原型ができました」

——小林さんが見た時にはもう「ゲッツ!」が完璧にできあがっていたんですね。

小林「できあがっていました。ダンディって、けして器用な芸人ではないと思います。器用な芸人さんっていうのは、お客さんの反応や世の流行なんかに合わせて、芸風をコロコロと変えていってしまいますよね。

 でも、ダンディの場合はずっとあの芸をやり続けていて完成度を高めていた。それが仕事につながっているところがあります。他の芸人さんやタレントさんは、よくも悪くも時代に乗ろうと工夫することが多いですが、結果、流行りに乗り遅れてしまう。ダンディはずっとあの芸を貫いたからこそ、時代や彼の風貌が“ゲッツ!”に合ってきて、あのネタが面白いという雰囲気になったんじゃないですかね」

*今回の連載【エンタメヒットの仕掛人】で行われたインタビューは全4部構成。本編はその第2部になります。第1部『ウッチャンの番組に出演した芸人がブレイクしやすい理由』はコチラからご覧ください! 次回は12月26日に公開予定です。

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