「右脳と左脳の両方にバランスよく枝が分かれている脳は『社会脳』といわれ、将来、成功してビッグな人になる可能性が高い」と話すのは、小児科医で脳画像診断医の加藤俊徳先生。

「脳の中には、家の住所のような番地があります。同じことばかりしていると、同じ番地ばかり使ってしまい社会脳が育ちません。“へぇ~、そうなんだ”という発見が、脳の違う番地を使うことにつながります」

 さらに発見から興味を引き出して、ワクワクするアクションを起こして脳を動かす。例えば、花火の面白ネタを知る(準備)→実際に花火を見る(アクション)→体験したことを書く(アウトプット)、の3つのステップで社会脳は育っていくという。というわけで、子どもの“へぇ~体験”の入口になる面白ネタを集めてみました。第2弾は、男の子が大好きな【いきもの篇】。

写真提供/沼津港深海水族館
写真提供/沼津港深海水族館

◆深海にはUFOが生息している!?

 外見や生態のユニークさから、人気沸騰の深海生物。最近、“深海のUFO”のニックネームでアイドル的なブームを巻き起こしているのが『メンダコ』。

「名前のとおりタコの仲間ですが、8本の脚の半分以上が膜で覆われています。中央に胴体がポコッと飛び出ている姿がUFOそっくりなんです」と、沼津港深海水族館の石垣幸二館長。

「最大のチャームポイントは、耳のように見えるヒレをパタパタ動かしながら泳ぐところ。でも、このヒレ、水をかくには小さすぎる。おそらく何の役にも立っていないようです(笑い)」

 そんなツッコミどころも含めて、カワイすぎる! ただ8月18日現在、同水族館で生きたメンダコの展示は行っていないのが残念。

◆水中で暮らす魚も溺死することがある

「魚が溺死するなんて奇妙に思えるかもしれませんが、十分ありうることです」とは、前出の動物ジャーナリスト・藤原さん。

「魚は主にエラ呼吸をしますが、水中に溶け込んでいる酸素が欠乏すると窒息状態になり、溺死してしまうことが。酸素不足を引き起こす原因は、環境汚染による水質の悪化や、赤潮の発生などが挙げられます」

 身近なところでは、金魚の酸欠にも要注意とか。

「本来、エラ呼吸なのに水面で口をパクパクさせていることがあります。あれは、酸素不足を補うため。水面を波立たせることで、水中に酸素を取り込んでいると考えられているんです」

 水が入れ替わらない水槽で魚を飼うときは、エアポンプを入れるなど対策を。

◆キリンの睡眠時間はたったの20分

「キリンの睡眠時間は1日に20分程度のみ。しかも、1度に20分ではなく、ごく短い睡眠を繰り返しています」(前出・藤原さん)

 これほど睡眠を切り詰める理由は?

「地上で最も背の高い動物であるキリンは、ほかの草食動物たちの見張り番のようなもの。かなり臆病な性格で、常に周囲を警戒し、群れの中で安心しているときは座って眠ることもありますが、ほとんどは立ったまま少しずつ眠ります」

 いっぽう、極端に睡眠時間が長いのは、コアラとナマケモノの20時間。ほかにも、脳を半分ずつ眠らせるイルカや、飛びながらごくわずかな睡眠をとるアマツバメの仲間など、変わった睡眠方法をとる動物はたくさんいる。

◆亀の性別は産卵場所の砂の温度で決まる

「亀の性別は産卵時には決まっておらず、産み落とされた土や砂の温度によって決まります。例えばウミガメは、砂浜に穴を掘り産卵しますが、穴の深さによって性別が分かれるのです。28度以下の低温ならオス、30度以上の高温ならメス。その間の温度では雄雌が同じような比率で生まれます」

 と、前出の藤原さん。いったいどんなメカニズム?

「卵に含まれる性ホルモンに影響する酵素が、温度によって活性の度合いが変わるから、との仮説が立てられています。しかし、同じ爬虫類のワニでは、最適孵化温度が32度で、その温度ではメス、それ以下や以上だとオスになる。また、一部のワニはその逆になることも。真相は謎です」

◆熊は馬並みに速く走れる

 熊は、身体が大きく力持ちというイメージが強いが、

「ヒグマは、最高時速65㎞で走ります。馬は60~70㎞ですから、熊は馬並みのスピードといえます。ですが、熊の場合、最高時速で走れるのはあくまでも短距離です。それに対し、より速く走るために進化を遂げてきた馬は、高速を保ちながら3~4㎞もの長距離を走ることができます」(前出・藤原さん)

 持久力のない熊が本気で走るのは、どんなとき?

「空腹時、獲物に全速力で向かっていきますが、熊が全力疾走するほとんどの場合は逃げるときです」

 今年5月、滋賀県の山中で熊に女性が襲われて話題になったことは記憶に新しい。夏の野外遊びはくれぐれも気をつけて行動を!