飯島滋明先生に聞いた

憲法学者「安保関連法を無効とするための違憲訴訟準備も」

2016年02月13日(土) 11時00分
〈週刊女性2016年2月23日号〉
2016年02月13日(土) 11時00分
〈週刊女性2016年2月23日号〉

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 女性は結婚するにも別れるにも親の許可が必要。財産を持つ権利はナシ。それが戦前の『大日本帝国憲法』では当たり前だったそう。そもそも憲法って? 憲法学者・飯島滋明先生にソボクな疑問をぶつけてみた。

「憲法とは、もとは“国のあり方を定めた基本法”のこと。しかし18世紀後半以降、権利・自由を保障することが国の目的であり、そのために国家権力に制約を課して暴走しないようしばる『立憲主義』を実現したものが憲法と考えられるように。

 ですから憲法を守る義務があるのは権力者のほう。ちなみにドイツでは国民も憲法を守る義務があります」

 “アメリカの押しつけ”“1度も改正したことがないから古い”ってホント?

「憲法改正にアメリカの強制の要素があったことは否定できませんが、GHQが出してきた草案は、日本の憲法学者が作った案をベースにしたもの。改正したことがないから中身が古いというわけではありません。

 例えば、女性が初めて選挙で投票できるようになって今年で60年たちますが、スイスでは1971年まで女性の参政権はありませんでした。

 アメリカの法学者たちの間で“今も時代の先端”と評されるほどですから、当時の保守的な政治家には押しつけがましい内容だったと思います。でも多くの国民には浸透しました」

 自衛隊は憲法違反? 軍隊とどう違う?

「外国と戦闘する目的と装備を持つ実力組織が憲法で禁止された“戦力”。自衛隊はというと“陸海空軍その他の戦力”に該当するので憲法違反というのが多くの憲法学者の見解です。

 ただ、憲法9条があるので、海外派兵や先制攻撃は許されないとされてきたこと、軍法会議がないことなどが普通の軍隊と違うとされる場合があります」

 女性だけ再婚禁止期間があったり、結婚できる年齢が違うのはおかしくない?

「結婚できる年齢に差があったり(民法731条)、6か月間の再婚禁止期間がある民法の規定には合理的な理由がなく、憲法違反というのが多くの憲法学者の見解です。

 女性だけに再婚禁止期間を設けた民法の規定に関しては、昨年12月に最高裁判所も全員一致で違憲判決を下しています」

 国の最高法規=いちばんエライ法律なのに、なんで憲法違反の法律が作れちゃうの?

「本来、政治家には憲法を守る法的義務があり(憲法99条)、安保関連法のような憲法違反の法律を制定することはできません。でも現実は、安倍政権下では憲法無視が常態化。ですが、これに対する動きも活発になっています。

 これまで政治に関わってこなかった層が厳しい目を注ぐようになってきた。安保関連法を無効とするための違憲訴訟の準備も進められています。ただ、裁判所は違憲判決を出したがらない傾向がある。勝てるかどうかは厳しいですが世論へのアピールになります」

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