古里昭彦さん

長男が自衛隊の男性「違憲状態での海外派遣は許されない」

2016年03月29日(火) 11時00分
〈週刊女性2016年4月12日号〉
2016年03月29日(火) 11時00分
〈週刊女性2016年4月12日号〉

安保法を訴えている古里さん

 

 3月29日、安全保障関連法(以下、安保法)が施行される。自衛隊の任務は「専守防衛」から地球のどこでも「交戦」することが可能になった。

 佐賀県唐津市在住の古里昭彦さん(61)には海上自衛隊に入隊して約10年になる長男がいる。息子が自衛官ということで古里さんは『佐賀県自衛隊父兄会』に所属し、現在は副会長の立場だ。

 父兄会とは自衛隊員の家族らで作る自衛隊の協力組織。その父兄会の会合で昨年から古里さんは副会長として「憲法を解釈で180度変えることはあってはなりません。集団的自衛権の行使は明確な違憲です」と表明してきた。

 賛同する声はない。議論すら起きない。ただし、息子を心配する母親の何人かはこっそりと“私もそう思う”と告げてきた。

「専守防衛や災害救助に徹するのであれば、自衛官の殉職は批判されるべきではありません。その国境警備に必要な武器をもたせるための憲法改正だって、きちんとした改正の手続きを踏んで、国民の大多数が賛成するのであればいいと思います。でも、違憲状態での海外派遣は許されない」

 古里さんは、海外派遣に頼らずとも、戦争は避けられると主張する。

「自衛隊は国境警備や国内外の災害救助に専念すべきで、海外派遣時には迷彩服ではなくレスキュー服で行くべき。

 そのほうが尊敬を集める。また、政治家は選出地区の挨拶回りをやめて外遊して人脈を作るべき。それが紛争を未然に防ぎます。そして、アメリカ追従をやめることですね」

 だが現実は、このどれでもない。むしろ、自衛隊の海外派遣が実現するかもしれない。尋ねてみた。

「海外に派兵されるかもしれない息子さんが心配ではないですか?」

「それは、やはり心配です。できれば行ってほしくない」

 古里さんは親としての気持ちをのぞかせた。その長男は、たまに父に会っても、やはり安保法に関しては何も語らない。そもそも守秘義務があるのだろう、通常の任務についても語らない。

 何も話せない息子。だからこそ「理不尽だ」と思う。本人も父母も何も語れずに、自衛隊員に海外での武器使用を可能にさせる安保法を。

「もし、海外の交戦で多くの自衛隊員が死んだとしましょう。すると、誰かが必ず言うはずです。“実は私も反対だったんだ”と。今言うべきです。父兄会を辞めて個人として自由に話すのもありですが、父母たちに自分の意見を伝えるためには、やはり内部で踏ん張って声を発することを続けたいんです」

取材・文/樫田秀樹

関連記事

ニッポン
『怒れる大女子会...

『怒れる大女子会』怒り爆発

2015年12月09日(水) 16時00分
〈週刊女性12月22日号〉
ニッポン
「具体策が全くな...

荻原氏、”新3本の矢”に疑問

2015年10月24日(土) 11時00分
〈週刊女性11月3日号〉
ニッポン
“アベノミクス新...

森永氏、一億総活躍に思うこと

2015年10月23日(金) 16時00分
〈週刊女性11月3日号〉
ニッポン
3.11から4年...

鎌田慧、”再稼働”の手法に苦言

2015年10月20日(火) 16時00分
〈週刊女性11月3日号〉
ニッポン
世論も真っぷたつ

50代男性 安保法案反対派に反...

2015年10月19日(月) 11時00分
〈週刊女性10月27日号〉
文化人
番組制作は”数字...

フィフィ、芸能人の圧力に言及

2015年10月11日(日) 16時30分
〈週刊女性PRIME〉

オススメ記事

お笑い芸人
8月12日発売、...

キンコン西野がビジネス書を出版

2016年06月24日(金) 16時00分
〈文/西野亮廣【連載第1回】〉
インフォメーション
9月から大阪&a...

「おそ松さん」舞台化に密着

2016年06月23日(木) 18時00分
〈「週刊女性」本誌よりお知らせ〉
文化人
直撃インタビュー

フィフィ、ファンキー謝罪を斬る

2016年06月10日(金) 11時00分
〈週刊女性PRIME〉
女性
高須クリニック・...

高須院長、矢口は「悪くない」

2016年06月10日(金) 05時00分
〈週刊女性PRIME〉

ページトップ