世の中には「ヤバい女=ヤバ女(ヤバジョ)」だけでなく、「ヤバい男=ヤバ男(ヤバダン)」も存在する。問題は「よいヤバさ」か「悪いヤバさ」か。この連載では、仁科さんがさまざまなタイプの「ヤバ男」を分析していきます。
東出昌大、唐田えりか

第4回 東出昌大

『週刊文春』が報じた、俳優・東出昌大(以下、でっくん)の不倫に衝撃を受けた人は多かったのではないでしょうか。でっくんの妻は女優の杏で、3人のお子さんがいますが、彼の不倫が原因で現在、夫妻は別居中だそうです。

 でっくん・杏夫妻といえば、『週刊文春デジタル』が2019年11月29日発表した「好きな夫婦」ランキングでは第6位に輝いています。夫婦同業でお互いに高め合い、でっくんが子育てに積極的なイクメンであることが高評価されたようですが、そもそも、彼が“いい夫”というのも虚像であったようです。

『週刊文春』の記事によると、でっくんは子育てに関して《面倒な世話はすべて杏さん任せで、ほとんど何もしてないのが本当のところ。彼女が妊娠中も身重の妻を置いて、夜な夜な飲みに歩いていた。料理や洗濯などの家事を手伝うどころか、帰宅すると同時に温かい料理が用意されていないと、ぷいと怒って外に飲みに出てしまう》と、イメージとは正反対のクズ夫ぶり。

これまでの不倫と質の違うヤバさ

 不倫報道にはすっかり慣れた感がありますが、でっくんの不倫はこれまでに見聞きしたどの不倫とも質の異なるヤバさが漂っているように感じられてならないのです。

■理由その1:不倫期間が長すぎてヤバい。

『週刊文春』によると、でっくんは映画『寝ても覚めても』で共演した女優・唐田えりかと3年もの間、不倫関係を続けているそうです。杏との結婚生活は5年ですから、半分以上を不倫している計算になります。長年連れ添った夫婦ならともかく、ほぼ新婚、それも妻の妊娠時から不倫を始めている。身重の妻に双子の育児と家事を押しつけての不倫は、「ゲスの最高峰」と言えるでしょう。

■理由その2:“直の先輩”にケンカを売る不倫オンナがヤバい。

 唐田は映画のプロモーションで「10代最後の夏、大恋愛しました」と意味深な話をしたり、でっくんと頬をよせて撮った写真をプリントアウトして仲間に配ったりと、関係を匂わせるような行動をとっています。

 お蔵入りかと報じられているテレビ東京のドラマでは「売れかけの女優が不倫をする」というストーリーを唐田が本人役で演じる予定だったそうです。唐田とスタッフが打ち合わせをして作ったセリフの中には、でっくんの名前が入っていたといいます。公共の電波にのせて不倫相手の名前を口にするとは、もはや匂わせを超えて、嫌がらせの域に達しているのではないでしょうか。

「おまえの夫は私のオトコ」と言わんばかりの匂わせをする芸能人といえば、大塚愛の元夫、『RIP SLYME』のSUと不倫関係にあったと言われるモデル・江夏詩織が思い浮かびます(姉妹連載『ヤバ女列伝』第12回をご参照ください)

 しかし、大塚愛はミュージシャン、江夏はモデルということもあってフィールドが違いますから、二人がばったり顔を合わせるということは考えにくいでしょう。けれど、唐田の場合、杏は女優という“直の先輩”に当たります。かけだしの女優が、朝ドラの主役を張れるクラスの人気女優にケンカを売るとは、正気の沙汰とは思えません。

 これは100%推測ですが、唐田を勢いづかせたのは、不倫関係の長さではないかと思うのです。『週刊文春』によると、不倫関係を気づかれたでっくんは「もう(唐田と)会わないし、連絡もしない」と杏に約束したそうですが、結局、でっくんから「会いたい」と唐田にメッセージを送ってしまい、関係が復活したそうです。3年という長い年月を一緒に過ごしたことと、くっついたり離れたりのドラマばりの経験をしたことにより、若い女性特有の一途さで、唐田は「でっくんが本当に好きなのは私」「杏からでっくんを奪える」と思い込んでしまったのかもしれません。

■理由その3:不倫がバレたら、すぐに妻のもとに帰りたいとコメントするオトコがヤバい。

 既婚男性と独身女性がずるずる不倫をし、さんざんもめたあげくに結局、家庭に戻るということはよく聞く話ですが、男性が「子どもとは別れられない」ことを離婚しない理由にすることがあります。しかし、でっくんはそういう悩みに引き裂かれる様子が見えない。

『週刊文春』の報道を受けて、彼の所属事務所は不倫と別居の事実をおおむね認めた後、《今回の別居は離婚へ向かうものではなく、なんとか修復のステップを踏むための冷却期間と聞いております》とコメントしています。つまり、でっくんは不倫したけれど、杏と別れる気はないと言っているわけです。

 杏は人気女優ですし、父親は日本を代表する俳優・渡辺謙。高収入で華やかな妻を手放したくないということでしょう。となると、でっくんが欲しかったのは、唐田の若いカラダだったのでしょうか。

でっくんが本当にヤバいのは、これから

 不倫報道で叩かれがちなのは、やはり知名度がある人。その人が不倫とほど遠い印象があるほど、バッシングは過熱します。そのルールでいえば、さほど有名でない唐田は「世間知らずの女が悪い男にだまされた」と逃げ切れる可能性もありました。しかし、匂わせの証拠らしきものがどんどん出てくることで、女性視聴者の大嫌いな「ザ・匂わせオンナ」としての地位を確立してしまいます。唐田は出演していた TBS系ドラマ『病室で念仏を唱えないでください』を降板しましたが、こうなると今後もテレビでの芸能活動は難しいでしょう。

 ひとりの男性をめぐって、ふたりの女性が争ったとき、ひとりの女性が笑い、もうひとりが泣くはず。しかし、今回のケースでいうと、どちらも笑えないと思うのです。東出の好感度は激オチですが、それで杏の傷ついた心が癒えるわけではないでしょう。また唐田もでっくんに「杏と離婚する気はない」と言われてしまったうえに、女優としての活動は当分できない。ここまで救いのない不倫はマレではないでしょうか。

 なぜ、こんなことになってしまったかというと、でっくんが自分にしか興味がない“ヤバ男”だからではないでしょうか。「不倫がバレたら傷つく人がいる」「不倫がバレたら、自分はもちろん、唐田にも仕事で迷惑がかかる」と思うのなら、唐田の匂わせを止めさせると思うのです。

 でっくんはCMの契約を次々に切られるなど、仕事を失っています。大事なものは失わないとそのありがたみがわからないものですが、杏の夫というブランド、イクメンというイメージを失った彼が本当にヤバいのは、これからなのかもしれません。


<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」。