編集部作・特製「じゃがたまみそ汁」

 国民の4人に1人が高齢者の超高齢社会を迎えた日本。しかし、平均寿命と健康寿命の差は大きい。

卵×じゃがいもが最強だった!

「不健康な期間を少しでも短くするため、できるだけ早くから健康維持を。まず『バランスのよい食事』をとり、そのうえで認知症予防につながる食事に目を向けましょう」

 と語るのは、栄養学博士の松崎恵理先生だ。

「認知症リスクの低下につながる食材に青魚などが挙げられますが、実は卵がいいんです」(松崎先生、以下同)

 卵は食物繊維とビタミンC以外のすべての栄養素を含む優秀な食材。そして、脳神経系の働きによいといわれるコリンを豊富に含む。

そこに加えたいのが、じゃがいもです。卵と組み合わせることで、コリンに加えて、脳の認知機能に関連する葉酸、ビタミンB 12も摂取することができる。じゃがいもには、ビタミンCや食物繊維も含まれます。このビタミンCは加熱しても壊れにくいという特徴も。高齢で食事量が減ったら、まず栄養的に完璧な卵とじゃがいも。そこに発酵食品のみそを加えて腸内環境を整え、脳の健康をアップさせましょう」

■それぞれが栄養満点トリオ!

1. 発酵食品は腸のミカタ……みそ
 大豆の成分は、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維。みそは大豆本来の栄養素をそのままに、さらに発酵によってアミノ酸やビタミンをより多く含む。発酵食品は腸内環境を整えるので、脳の健康にも効果的。

2.ビタミンCはみかんと同量……じゃがいも
 身体の免疫力を高め、鉄やカルシウムの吸収にも効果が期待できるビタミンCが豊富。糖質の代謝を促し、体脂肪として蓄積されるのを防ぐビタミンB群(ビタミンB1、B2)も含まれている。

3. 必要な栄養素を補う!……卵
 卵は食物繊維とビタミンC以外すべての栄養素を含んでいる。良質なタンパク質に加え、卵黄に含まれるコリンは、脳を活性化し、認知症予防に有効と注目されている。

■ほかにこんなメニューも!

・目玉焼きのせカレー
 じゃがいもゴロゴロのカレーに目玉焼きをトッピングしてコリンをとって

・ゆで卵入りポテトサラダ
 ポテトサラダにはもちろん、つぶしたゆで卵を入れて栄養満点に!

・じゃがいも入りおでん
 近畿圏ではメジャーだが、ほかではイメージが薄いおでんダネ、じゃがいも。卵とともに多めに入れよう。

《その他の認知症予防に効果的な食材》
青魚/乳製品 /緑黄色野菜/MCTオイル /オメガ3系オイル

(取材・文/アリス美々絵)


【PROFILE】
松崎恵理先生 ◎栄養学博士。一般社団法人日本栄養検定協会代表理事、フードコーディネーター。料理研究家。女子栄養大学生涯学習講師。慶應義塾大学卒業。栄養士養成校にて統計学の非常勤講師。日本栄養・食糧学会会員。