近江町市場の「大口水産」 撮影/山田智絵

 海外からの旅行客も少ない今、国内旅の魅力を再発見するチャンス! そんな中で今回、“Japanese Beauty”がたっぷり詰まった富山・石川・福井の三県を巡る北陸旅をお届け。前回の【富山県編】に続き、次に訪れたのは“映え”スポットに溢れる石川県!

石川県編

「インスタ映え」で一躍有名に

 お隣・石川県へ移動し、和倉温泉にある『青林寺』へ。実はここ、“映える”スポットとしても有名。約5年前、訪れた人がここの『御便殿』の写真をインスタで紹介したところ、瞬く間に拡散され、何と年間300〜400人程度だった訪問者が、一時は年間1万人にも急増!

青林寺、夕方に着くと幻想的な雰囲気に包まれていた 撮影/山田智絵

 この『御便殿』は、明治42年に大正天皇の休息・宿泊のために臨時で建てられたもので、昭和51年に現在の「青林寺」に移築。国登録有形文化財となっている。最大の見どころである「折上げ格天井」には栃の木が使われ、虎の皮のような柄に見える“虎斑”が特徴的だ。

一度は目にしたい「折上げ格天井」撮影/山田智絵

 実際に天皇がお座りになったシルクの座布団は今も現存。なんと、その座布団には113年経った今でも、虫がついていないというから驚きだ

天皇がお座りになった座布団。113年経っても虫がついてない! 撮影/山田智絵

 この日はライトアップ&贅沢ティータイム(2月26日で終了)が行われており、『御便殿』を眺めながら、能登島で栽培された和紅茶『いやひめ』と、お餅でこしあんを包んだ地元の銘菓『ながまし』をいただく、なんともリッチなお茶休憩を。

和紅茶「いやひめ」と地元の銘菓「ながまし」(ティータイムは2月26日で終了)撮影/山田智絵

 ライトアップでは、和風の音楽に乗せて、庭が赤、ピンク、青、緑……などさまざまな色に変化! 幻想的な雰囲気に包まれ、とてもロマンチックな思い出となりました。ライトアップがなくても、窓に映し出される景色は常に見惚れてしまうほどの美しさ。特別な時間を、特別な空間で。

『青林寺』ライトアップでは、とっても幻想的な雰囲気に

『青林寺』
住所:七尾市和倉町レ部61
電話:0767-62-2836
交通:JR和倉温泉駅から北鉄能登バス和倉温泉行きで約6分、和倉温泉下車、徒歩約5分

いくら時間があっても足りない、豪華宿

ロビーには、輪島塗の大パネルが 撮影/山田智絵

 同じく和倉温泉にある『加賀屋』。館内には、いたるところに美術品や伝統品が飾られ、館内を見て歩いているだけでも時間があっという間に過ぎてしまう。ロビーには、輪島塗の大パネルや、同じく輪島塗で仕立てられたグランドピアノなども。

こちらも輪島塗で仕立てられたグランドピアノ 撮影/山田智絵

 また、12階まで続く、季節の花々が描かれた加賀友禅は圧巻! その柄にスポットライトを当てながら、エレベーターが登っていく。

こちらが12階まで続く加賀友禅 撮影/山田智絵

 温泉も豊富で、「野天風呂」「空中露天風呂」「大浴場」……など、心ゆくまで温泉巡りが楽しめる。実はここ和倉温泉には1200年という歴史があるのだそう。大海原を目の前にしてつかる温泉は、なんとも贅沢な時間でした。

 夕食はズワイ蟹のほか、前菜には「なまこ三種盛り」、加賀麩などと一緒に炊き合わせた「のど黒煮付け」「鮑温泉蒸し」「能登牛」……など、旬のものや地元の食材をふんだんに盛り込んだ料理がズラリ。

季節感に溢れた、加賀屋での夕食 撮影/山田智絵

 館内には、さまざまなショーが楽しめるシアタークラブ(現在、コロナウイルスの影響により休止中)や、数々の土産処があり、吹き抜け中央に位置するBarに、湯巡り……と、いくら時間があっても足りません(涙)。

加賀屋の中にあるバーは雰囲気も◎。館内だけでも十分に楽しめる 撮影/山田智絵

 そして『加賀屋』といえば、やっぱりすごかったのが「おもてなし」。お出迎えから館内・部屋・食事の案内、そしてお見送りまで、最後の最後まで心のこもったおもてなしに、感激でした。

『加賀屋』
加賀屋予約センター:0767-62-4111
住所:七尾市和倉町ヨ部80番地
アクセス:和倉温泉駅から無料送迎バスあり

お腹を空かせて「近江町市場」へ

 翌朝、“金沢市民の台所”で約170軒ものお店が軒を連ねる『近江町市場』商店街へ。なんと、開設300年!! 地元の人も多く訪れるこの場所は活気にあふれ、多くの人たちで大にぎわい。

「金沢春菊」と「せんな」をゲット!「せんな」はわさびの葉だそうで、店主曰く「サッと茹でて一夜漬けにするとツーンと辛味が出ます」 撮影/山田智絵

 加賀野菜に果物、カニや鮮魚など新鮮な海産物、精肉店のほか、お惣菜屋や和菓子屋も。さらには寿司屋や食堂などその場で食事が楽しめるお店もあるので、訪れる際はお腹を空かせてから!

【大口水産】

店頭にはカニがズラリと! 撮影/山田智絵

 やっぱり冬といえば「カニ」。新鮮な魚介類を多く取り揃える『大口水産』では、加能ガニ、越前ガニ、松葉ガニ……など、この時期は店頭にカニがドドーンと並ぶ。

 実はカニ、取れる港によって名前とタグの色が決まるそう。ちなみに昨年には石川県産「加能ガニ」の最高級ブランド「輝(かがやき)」がデビューし、その輝には、石川県を現す水色のタグのほか、なんと九谷焼のタグが。

 店主にカニの選び方について聞いてみると、「家で食べるなら訳ありで全然OK。1本脚が折れただけでグッと値段が下がるけど、中身は同じ!」とのこと。

【北形青果】

加賀野菜も多く並ぶ、近江町市場の「北形青果」。野菜についても詳しく教えてくれました 撮影/山田智絵

 加賀れんこんや五郎島金時、源助大根など、多くの「加賀野菜」を販売する『北形青果』。

 加賀野菜は15品目で、季節によって異なるが、だいたい常に5〜6品は揃えている。

 「加賀野菜は金沢固有の土壌の質や風土によって作られてきたもので、少量しか作れないため、あまり他の地域には出回っていないんです」と店主。能登野菜の販売もあり、私は加賀野菜の中でも生でも食べられるという「金沢春菊」と、能登野菜の「せんな」を購入!

海の幸など、新鮮な地のものをその場で味わえる飲食店も多い 撮影/山田智絵

『近江町市場』
住所:金沢市上近江町50
アクセス:JR金沢駅から西日本JRバスまたは北鉄バスで約5〜7分。武蔵ヶ辻・近江町市場下車すぐ
https://ohmicho-ichiba.com/

着物で人力車に! 優雅に観光を

人力車に乗って、兼六園周辺をグルリ 撮影/山田智絵

 続いて、同じく金沢の名所「兼六園」へ。ここではせっかくなので着物で観光!『VASARA金沢兼六園店』では、着物レンタルと人力車、スイーツがセットになったプランが(3月31日終了)。好きな着物をセレクトし、髪のセットまでしてもらえるのは嬉しい! 

着物のラインナップも豊富!

 着付けの後は兼六園茶屋『見城亭』で、金箔で覆われた「黄金ぜんざい」を。ホッと一息したところで人力車に乗って周辺をブラリ。

まばゆい……!「黄金ぜんざい」

 前日は大雪でしたが、雪景色の中、走る人力車からの眺めもまた、素敵でした。着物を着てお城をバックに記念写真、なんていつもとちょっと違う体験で気分もアガる!

俥夫さんもイケメン! 撮影/山田智絵

『VASARA 金沢兼六園店』
電話:03-5577-5882(VASARAコールセンター)
住所:金沢市兼六町2-7 2F
アクセス:JR金沢駅から西日本ジェイアールバスで約14分、兼六園下・金沢城下車、徒歩約2分

 ラスト・福井県では世界が感動したステーキナイフで「天皇の料理番 トリビュートランチ」を実食! また、刃物を作る共同工房など珍しいスポットも。【福井県編】は、2月27日(日)14時配信予定です。

※新型コロナウイルスの影響で、中止・延期の可能性もあります。必ず最新情報をチェックしてからお出かけください。

取材協力/北陸三県誘客促進連携協議会、JR西日本