NHK『アシガール-超時空ラブコメ再び-』試写会での黒島結菜('18年11月)

 現在放送中の、NHK朝の連続テレビ小説『ちむどんどん』。

 黒島結菜(25)演じる主人公の結婚披露宴を迎えて、甘い新婚生活が描かれるはず……が、またしても竜星涼(29)演じる“だめニーニー”が登場して台無しに。

結婚式は“地獄絵図”とまで言われる

 視聴者からの批判は止むどころか、加速する展開でSNSは大荒れ状態だ。そんな『ちむどんどん』について、テレビ誌ライターはこう話す。

「8月11日と12日の第89話と第90話で、主人公・暢子と宮沢氷魚演じる和彦の結婚披露宴が放送されるも、ネット上では“地獄絵図”とまで言われてしまいました。これまでの朝ドラであれば、主人公の結婚は一番の見せ場になるはずなんですが……。

 このふたりが結婚に至るまでの過程がとにかくひどく、新郎新婦どちらにも感情移入できないという視聴者が多かったようです。参列者の行動も疑問だらけで、視聴者が喜ぶハッピーな披露宴という感じではなかったですね(笑)」

 披露宴の途中で、これまで自分の店を持ちたいと夢見ていた暢子が、「沖縄料理のお店を開く!」と参列客に宣言。しかし、「この宣言も視聴者には呆れられました」と、前出テレビ誌ライターは続ける。

「子どもの頃から沖縄料理を作っていた主人公ですが、上京してイタリアレストランに長年勤務していたのに、結局沖縄料理の店を持ちたいと言うんです。なんのためにこれまでイタリア料理に携わったのか、話にまったく脈略がありませんでした」

「なぜ沖縄料理なの?」という視聴者の疑問が晴れないまま、8月15日の第91話からは、2人の新婚生活と、沖縄料理店の開店という夢にむかって奮闘する姿が描かれた。しかし、またも“だめニーニー”が登場し、ねずみ講に騙されたニーニーを助けるため、暢子が長年貯めてきた開店資金が失くなってしまう。

これまで何度も描かれてきた、だめニーニーに家族が迷惑を被る展開ですが、ここにきてまた詐欺に騙されるという同じ展開を繰り返したため、視聴者も怒りを通り越して笑うしかないと思ったでしょうね(笑)。

 おまけに子ども時代の回想シーンでは、ニーニーが仲間の万引きにつられて他人の店のレジからお金を盗みました。その際に“お前は悪くない”と、大森南朋演じる亡き父親がニーニーを抱き締めるという意味不明なエピソードが盛り込まれ、ニーニーが悪いことをしても叱らないのは母親だけじゃなく父親もだったのかと判明し、視聴者はさらに頭を抱えたことでしょう」(前出、テレビ誌ライター)

 このエピソードにはネットでも、

《レジのお金盗んで「お前は悪くない」と抱きしめて「悪いのはお父ちゃん」。そこはニーニーを引っ叩く所だよ?》

《怒れよ!!!!誰か1人でもいいから賢秀(ニーニー)に怒れよ!!!!だからモヤモヤするんだよ!!》

 とボヤかれている。

 ねずみ講に騙されるニーニー問題はあっという間に解決し、暢子は沖縄料理店を開店することになるが、今度はニーニーのねずみ講の影響で、和彦が勤め先の新聞社を辞める事態に。しかも暢子には妊娠の兆しが……。

甲子園で“朝ドラ受け”がなくなって離脱者続出

 これまでも視聴者が困惑する展開はあったものの、ここまでの炎上にならなかったのは『あさイチ』の博多華丸・大吉の「朝ドラ受けがあったからだ」と、テレビ誌ライターは話す。

「朝ドラが終わってすぐ、あさイチの博多華丸・大吉が朝ドラの感想をいう、いわゆる“朝ドラ受け”が視聴者のモヤモヤの溜飲を下げるために一役買っていました。

 NHKに出演する博多華丸・大吉としては、そこまでひどく批判するわけではありませんでしたが、それでもふたりの苦々しい表情と独特の言い回しで、視聴者のモヤモヤした気持ちを代弁してくれていたと思います

 視聴者の最後の砦となる朝ドラ受け。視聴者の頼みの綱でもあったが、全国高校野球選手権大会の放送により2週間も朝ドラ受けのない事態になると、さすがに連日のモヤモヤした気持ちを静められない視聴者が続出。

 ネットでも、ここまで見続けたが、朝ドラ受けがなかったために耐えられなくなり脱落するという意見が散見された。

《甲子園がはじまり、あさイチがお休みになり、朝ドラ受けが無くなって、とうとう私のモチベーションが消えてしまいまして、先週より離脱してしまいました》

《朝ドラ受けまで考慮してドラマ終わりプラス3分くらいの時間設定で毎日録画登録していた。いつ辞めどきかときっかけを探っていたけど、今は甲子園で受けも無いし、もう耐えられない。今日をもって毎日録画解除した》

 ここまで批判されている作品ではあるが、視聴率は15%は保っている(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。「朝ドラは絶対に見る!」と決めている視聴者もいるが、SNSの検索と書き込みまでをセットに見続ける人も多いようだ。

 放送直後は、ツイッターの「#ちむどんどん反省会」のツイートの動きが活発で、もはや大喜利のような状態。そんな#ちむどんどん反省会を見てみると、

《#ちむどんどん反省会が秀逸過ぎて あっという間に時間が経ってしまう》

《ちむどんどんを見るのやめたら精神的に楽になりました。#ちむどんどん反省会でどんな内容だったかは追ってる》

《もはや、#ちむどんどん反省会の投稿者と読者で、視聴率が守られてるのでは?》

 と、盛り上がり(?)は勢いを増すばかりだ。

『ちむどんどん』の放送は残り1か月あまり。何度も批判や炎上を繰り返している作品だが、それを逆手にとってうまく展開すれば、脱落した人が悔しがる名作になるかもしれない。ここからうまく巻き返してくれることを願うばかりだ。

(取材・文/志村結衣)

 
サングラスに革ジャンと黒ずくめの格好で現れた大森('17年)
黒島結菜

 

 

 

竜星涼
大森南朋