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 厚生労働省の「人口動態統計」によると、2021年の日本人の死因1位は「悪性新生物〈腫瘍〉」、つまり「がん」だ。全死亡者に占める割合は26.5%で、4人に1人ががんで亡くなっていることになる。

困ったときこそ神頼み 参拝時は礼儀を忘れず

 自分ががんや難病、大病を患ったり、大切な人ががんになったと聞けば、藁にもすがる思いで神頼みをする人も少なくない。

「困った時や苦しい時ほど、神様に助けを求めましょう。神様は人々に頼られると喜ばれますが、人のほうから“助けてください”とお願いしない限りは動けないので、なにか頼りたいことができたら、神様に願いを届けに直接、神社へ行くといいですね」

 そう話すのは、開運神社ナビゲーター(R)の西邑清志さん。実は西邑さん自身も「潰瘍性大腸炎」という難病を患っていたが、箱根にある九頭龍神社に毎月通うようになってから、病気が完治したという。

「九頭龍神社に限らず、病気平癒の神社は全国各地にあります。私が過去、健康にご利益のある神社にご案内した方からも“末期がんだと宣告されていた妻のがんが消えた”、“生まれてからずっと入院していたわが子がやっと退院できた”など、神様の力を感じるような声を多数聞きます」

 神様に助けてもらうために欠かせないのが、礼儀を重んじること。

「『神は人の敬により威を増し、人は神の徳により運を添う』という言葉があります。これは、神様は人々の敬う心で威力を増すという意味。だから、神様を敬う気持ちが大きいほどご威光も強まり、授かるご利益も大きくなるのです。

 敬意を表するためには、神社へ行くときは正装が最適。もしくは、清潔感のある服装にしましょう。参拝の仕方もできれば神主さんにお願いする“正式参拝”がベストです。

 自分で参拝する一般参拝では挨拶が重要。願い事を言う前に、住所、生年月日、名前を言い、自分が何者かを伝えてください。神様にも専門分野がありますから、がんや病気を治したい人は病気平癒や身体健全の信仰が篤い神様のもとへ行きましょう」

 また、願いが叶ったら早めにお礼参りへ伺うことも大事、と西邑さん。

「なるべくその月のうちに行きましょう。そうすると次のご利益もいただけます」

 今回は、西邑さんがおすすめするがん・病気封じにご利益が篤い神社をご紹介! 年末年始に詣でてみては?

全国“がん・病気封じ”神社10選

箱根神社・九頭龍(くずりゅう)神社(神奈川)

 両社参りで大きなご加護を授かる!

杉に囲まれた階段の先に、厳かに鎮座する箱根神社(神奈川)
本宮へは箱根神社から船か徒歩で向かう

 箱根神社は、古くより関東総鎮守として崇敬されてきた名社。九頭龍神社はその末社で、芦ノ湖の龍神様を祀っている。九頭龍神社の本宮は箱根九頭龍の森内にあり、毎月13日の月次祭の時には船で向かうこともできる。両社参りで神々のさらなるご加護を。

住所:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80-1
身体健全、身代わり御守りの九頭龍神社の「巾着御守」(右)と「御身守」(左)

江島神社(神奈川)

 病気を封じ込める&断ち切る御守を授与

境内でいちばん低い場所にある辺津宮は島の玄関口だ

 日本三大弁財天を祀る江島神社は、辺津宮、中津宮、奥津宮の3社からなる神社。丸い形の「招福除災守」は、がんなどの病気を封じ込め、福を招いてくれる。

 剣の形の「八方難除守」は病気を断ち切るというご利益がある。

住所:神奈川県藤沢市江の島2-3-8
病気の平癒に。「招福除災守」(左)と「八方難除守」(右)

亀戸香取神社(東京)

 池江選手も参拝したスポーツ振興の神様!

亀戸香取神社(東京)

 スポーツ振興の神様と呼ばれ、競泳の池江璃花子選手をはじめ、多くのスポーツマンたちが必勝祈願のために参拝する。「病気に勝つ」というご利益を求めてお参りする人も多い。

住所:東京都江東区亀戸3-57-22
池江選手の絵馬は境内にコピーが飾られている(右)

陸中一宮 駒形神社(岩手)

 岩手県内でもっとも格式の高い“一宮”

陸中一宮駒形神社(岩手)

 祈祷を受けた人から「がんが治りました」「がんの可能性があると言われたが、祈祷後に検査入院をしたら陰性でびっくりした」などの声もあり、がん封じのご利益もある神社。

住所:岩手県奥州市水沢中上野町1-83
「病気が早く治るように」と祈願された御守

一之宮貫前(ぬきさき)神社(群馬)

 刀剣の神様を祀る群馬県最高位の神社

一之宮貫前神社(群馬)

 刀剣を神格化したとされる経津主神を祀った古社。災厄を打ち祓うといわれている。全国的にも珍しい下り参道の先にある極彩色の社殿は、重要文化財に指定されている貴重な建造物だ。

住所:群馬県富岡市一ノ宮1535
本殿と拝殿はともに平成25年に修復が行われた

狭井(さい)神社(奈良)

 万病に効く「くすり水」が湧く井戸

狭井神社(奈良)

 大神神社の境内に創建された狭井神社は、病気平癒や身体健康の神様として信仰が篤い。拝殿の脇にある「薬井戸」からは、どんな病も癒やすという「くすり水」なるご神水が湧き出る。

住所:奈良県桜井市三輪1422
「薬井戸」(右)のご神水を容器に入れて持ち帰る人も

出雲大神宮(京都)

 うさぎ年にお参りするのにピッタリ!

出雲大神宮(京都)

 古事記に出てくる「因幡の白兎」を助けた、大国主命を祀る。「しあわせ、なでうさぎ」は、自分の身体の悪い部分と同じ場所をなでると、痛みや病気を除去できるといわれている。

住所:京都府亀岡市千歳町千歳出雲無番地
ご縁を呼び込む力があるとされる「磐座(いわくら)」
なでることで幸せが訪れるという「しあわせ、なでうさぎ」

多賀大社(滋賀)

 八百万の神々を生んだいのちの親神様

多賀大社(滋賀)

「お多賀さん」の名で親しまれ、幅広いご神徳のなかでも延命長寿や健康のご利益が篤い。元正天皇の病気治癒に「杓子」が寄与したため、「お多賀杓子」という大きな杓子が飾られている。

住所:滋賀県犬上郡多賀町多賀604
御守として「杓子」を授けられる。絵馬も杓子形

枚聞(ひらさき)神社(鹿児島)

 進むべき道を開いてくれるご神徳

枚聞神社(鹿児島)

 交通安全・航海安全などのご利益があるといわれる枚聞神社は、参拝すると「自分の行くべき道がわかる」「道を開いてくれる」などのご神徳も得られるという。敷地内の宝物殿も必見!

住所:鹿児島県指宿市開聞十町1366
自分の身代わりとなり、災厄から守ってくれる御守

筥崎宮(はこざきぐう)(福岡)

 困難に打ち勝つ力を授けてくれる

筥崎宮(福岡)

 筥崎宮が立つ地は鎌倉時代中期にモンゴル軍の襲来を受けたが、筥崎宮に祀られている神様が起こした神風により敵を撃退できたとされ、困難に勝つ力や、邪気をはらうご利益を授かれるという。

住所:福岡県福岡市東区箱崎1-22-1
触ると運が“湧き出る”とされる「湧出石」(右)、楼門には「敵國降伏」の扁額が掲げられている
西邑清志さん●開運神社の案内役として、日本全国で活躍中。神道・神社参拝に関するコンサルティング業務、日本の伝統・文化等の学びの場を広げている。都内神之宮にて、諸祈願等を斎行する神職(階位は正階)としても活動。メディアへの出演も多数。
開運神社ナビゲーター(R)……西邑清志さん●開運神社の案内役として、日本全国で活躍中。神道・神社参拝に関するコンサルティング業務、日本の伝統・文化等の学びの場を広げている。都内神之宮にて、諸祈願等を斎行する神職(階位は正階)としても活動。メディアへの出演も多数。

(取材・文/山中千絵[清談社])