加藤茶(左)と綾菜(右)夫妻

「加トちゃんは、若いころからの習慣でソファで寝るのが好きなんです。旅行先でもソファで寝ますし、自宅の寝室にはちゃんとしたベッドがあるのにソファで寝落ちするんですよね。今の私の役目は、加トちゃんがのびのびと好きなように暮らしつつ、体調を整えてあげることだと思っています」

 そう話すのは、加トちゃんこと加藤茶さんとの結婚15周年が間近の加藤綾菜さん。加トちゃんは82歳を迎え、綾菜さんは体調面の変化を目の当たりにすることが多くなったという。

季節の変わり目は体調を崩しやすい

仕事で全国を飛び回り、アクティブに旅行にも出かける加藤夫妻。移動途中や、帰宅後も体調ケアは欠かさない

「ここ何年かは、寒暖差や季節の変わり目に体調を崩すのが恒例のようになっています。特に夏から秋、秋から冬にかけての時季は必ずといっていいほど調子が悪くなり、風邪をひいて発熱したり、咳が出たりするんです。

 うちでは月に一度、愛犬も一緒に温泉などに旅行に出かけているのですが、10月から11月にかけての時季は温泉に行くだけで体調を崩してしまうこともあり、日々を楽しみつつも、でもこれまで以上に気をつけて体調管理をしないといけないと実感しています」(綾菜さん、以下同)

 実際、11月上旬には茶さんが体調を崩し、イベントを欠席するというニュースが流れた。

「加トちゃん自身も健康管理には気をつけているのですが、それでも、急に寒くなったりと、気候の変化に身体がついていかないのか、毎年のように11月に体調を崩すんです。

 今回は、ものすごく不調というわけではなかったのですが、無理をすると肺炎になることもありますから。お医者さまのすすめで2~3日、安静にして過ごしました。おかげで調子が戻り、翌週には2人で地方のお仕事に出かけました」

 茶さんが体調をいい状態に維持できるよう、綾菜さんはさまざまな方法を実践しているそう。

「加トちゃんが不調になりやすい季節をどう過ごすか、年齢とともに体力が低下しがちな中、どう現状を維持していくかは、私にとっての課題です。

 自宅で加トちゃんがいる場所は常に暖かくしておく、内側からも身体を温められるように食事を工夫するなど、身体に負担がかからないような形で調子を保てるような生活を心がけています」

冬の寒さリスクは高い(出典:厚生労働省 人口動態調査より)

冷えは大敵と心得て、家中を暖かく保つ

 寒い時季に綾菜さんが心がけていることのひとつが、部屋の暖房だ。

高齢になると室温の変化を感じにくくなると知り、家の中の温度管理をしやすくするために戸建てからマンションに引っ越しました。寒い季節になると、私の部屋以外は常に暖房をつけて暖かくしています

 また、日頃から身体を冷やさないような工夫をしているという。

「加トちゃんは裸足(はだし)でいるのが好きで、靴下をはくのが苦手。靴下をはくと滑りやすくもなるので、私も無理にはかせることはしていません。その代わり、足首を温められるよう短いレッグウォーマーを着けてもらっています。

 首にはネックウォーマー、お腹まわりには腹巻きを着け、暖かい長袖を着て手首を冷やさないようにもしています。最近は、旅行先の温泉旅館でおそろいで買った室内用のポンチョを羽織って背中や肩も温めるように。私も愛用しているのですが、けっこう身体が温まるんです」

レッグウォーマーは地方などの仕事先にも欠かさず持っていくそう。足だけではなく、首元にはネックウォーマーやポンチョも。肌をじかに温める大切さを痛感

 ちなみに、茶さんが使っているレッグウォーマーなどはドラッグストアなどで手軽に手に入るものばかり。

「レッグウォーマーもネックウォーマーもドラッグストアやコンビニで買うこともあります。消耗品ですし、とにかくすぐ必要な時に常に用意できるよう質より量ですね」

 以前は貼るカイロを使って身体を温めていたことも。

両足のふくらはぎに3枚ずつと、背中の腎臓のあたりに2枚、仙骨に1枚で一日に9枚、カイロを貼ることもありました。身体は温まっていたのですが、はがし忘れて低温やけどになるのが怖いなと思いまして。レッグウォーマーなどを使って身体を温めるようになりました

 食事面でも温かいものをとって身体の内側から温めることも大切だ。

「鍋を食べると身体が温まりますよね。最近、野菜がお高めなので、2~3種類の野菜だけでおいしくできるような鍋をよく作っています。より身体が温まるように、どの鍋にもしょうがやにんにくをたっぷり入れるようにしています」

 冷え対策には入浴が有効だといわれているが、綾菜さんのおすすめは足湯。

「加トちゃんの場合、毎日、お風呂に入るのは体力的にしんどいみたいなんです。だからお風呂は2日に一度くらいで、代わりに足湯をして身体を温めています。年齢的に肌が弱くなっているので、足湯の後には保湿クリームを塗ってあげるようにしています」

茶さんは入浴はしない日でも足湯は行って全身を温めるのが日課。足湯だけでも、全身じんわり汗もかいて非常にお気に入り

加藤家の冬の掟
1)首・手・足の3首を温める
2)足湯で身体を温める
3)しょうが、にんにくを使って料理する

咳を甘く見ずにはちみつで対策

 綾菜さんいわく、茶さんはショートスリーパーなのだそう。

「だいたい朝の7時くらいに寝て、10時か11時くらいに起きる生活を50年以上続けているんですよね。健康のためにはもう少し睡眠をとってもらいたいなぁとも思うんです。でも、それを言いすぎてストレスになるのはよくないので、好きな時に寝て好きな時に起きて、自由な感じで過ごしてもらえるように心がけています」

 茶さんがほとんどの時間を過ごすリビングには、いつでも運動できるように手すりつきのステッパーが置いてあるそう。

「加トちゃんは積極的に運動をしていまして、テレビを見ている時にはCMになると立ち上がり、ステッパーを使ったりしています。簡単なストレッチをすることもありますね」

テレビを見ながら踏むだけで心肺機能や筋力アップといった効果が期待できる。茶さんはテレビのCMタイムになると行うようにしているのだとか

 イスを使った簡単な運動も取り入れている。

「両手を水平に上げて、イスに座ったり立ったりを繰り返すだけ。筋力がない人でも、立ち上がるだけなので、ぜひやってみてください。

 何度もやるのがつらければ、1回だけでもいいんですよ。少しずつ増やせるといいですよね。筋肉量が増えると免疫力もアップしますし、基礎体温も上がります。冬はこまめな運動を心がけています」

 ほかにも、ここ最近日課にしているのは、小さじ1杯のはちみつを舐(な)めること。

「高齢になると、この時季は特に、空咳をすることが多くなるんですよね。加トちゃんは過去に肺炎になったことがあり、その前兆のひとつが空咳なんです。咳止めの薬は身体に負担がかかると聞いて以来、別の方法で咳を治したいと思い、空咳の対策として、少し前から生はちみつを毎日、小さじ1杯舐めてもらっているのですが、調子がよくてホッとしています」

綾菜流!冬の鍋レシピ

 冬の料理はとにかく減塩と身体温め鍋!

「加藤家は2人暮らしなので、鍋も作りすぎると余ってしまいます。だからわりと野菜もシンプルに。ポイントはにんにくやしょうがをたっぷり使うこと。具材はレシピどおりでなくても、キャベツと肉だけ、とか、お好みの野菜で食べてみてくださいね♪

 わが家では減塩の“万能だし粉”を使っていますが、ない場合は和風だしを代用してみてもOK」

ぽかぽかキノコ鍋

ぽかぽかキノコ鍋

材料
・豚バラ肉……300g
・もやし……1袋
・豆苗……1パック
・しめじ……1パック
・まいたけ……1パック
・エリンギ……1パック
・しいたけ……2個
だし[白だし……100ml、水……700ml、万能だし粉……大さじ1]

【作り方】
(1)だしにお好みのキノコ類を入れて火が通ったら豚肉を入れる。
(2)もやし、豆苗を入れて肉に火が通ったらできあがり。香りが欲しい方は、お好みでゆずを散らすかごま油を大さじ1入れるのもおすすめ。

加藤家のパワー鍋

加藤家のパワー鍋

材料
・豚バラ薄切り肉……180g
・キャベツ……半玉
・もやし……1袋
・にんにく……4片
・ニラ……5本
・盛り付けにスーパースプラウト……適量
A[水……1L、鶏ガラスープの素・万能だし粉……各小さじ4]
・ごま油、砂糖、酒、オイスターソース、みりん……各大さじ1
・みそ……大さじ2
・塩、こしょう……各適量

【作り方】
(1)豚肉はひと口大に切る。キャベツはざく切りに。にんにくは薄切りにする。
(2)鍋に、Aとごま油・砂糖・オイスターソース・酒・みりんを煮立て、キャベツ、にんにくを入れて煮る。
(3)キャベツがやわらかく煮えたら、豚肉を加え、火が通ったらみそを溶き入れる。もやしを加え、ひと煮立ちしたら5cm長さに切ったニラを入れて味をみて、塩・こしょうで味を調えてスーパースプラウトをのせたらできあがり!

綾菜さんプロデュース減塩でおいしい「万能だし粉」
味が薄くなって味気なくなる減塩食に使えると話題。しょうが、玉ねぎ、かつお節、酒粕、しょうゆを使った、タマチャンショップとコラボした綾菜さんの味わい深い減塩調味料が発売中。しっかり“うまみ”を閉じ込めて、おいしく健康食が完成します。

綾菜式万能だし粉60g1382円 加藤家の日々の減塩食に欠かせない調味料。そのおいしさは加トちゃんも太鼓判!
加藤綾菜さん●1988年、広島県生まれ。2011年、ザ・ドリフターズの加藤茶さんと結婚し、45歳の年の差婚と話題に。高齢の夫を支えるために「介護食アドバイザー」などさまざまな資格を取得し、メディアへの出演や講演活動などを行っている。

加藤綾菜さん●1988年、広島県生まれ。2011年、ザ・ドリフターズの加藤茶さんと結婚し、45歳の年の差婚と話題に。高齢の夫を支えるために「介護食アドバイザー」などさまざまな資格を取得し、メディアへの出演や講演活動などを行っている。


取材・文/熊谷あづさ