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 寒さが厳しく、身体の節々に出る不調。そこで注目なのがカイロでツボを温めるだけの簡単セルフケア。血流をよくし、グッと不調がよくなるのだそう。鍼灸の専門家が紹介する、症状別のカイロ貼り方は必見です!

自宅で気軽にできるやさしいツボ刺激

 年を重ねるにつれ、肩こり、腰痛、便秘などさまざまな不調に襲われる人は多い。しかし病院で検査を受けても異常は見つからない……。そんな原因不明の不調に効果的なのが、クボ鍼灸院代表の久保和也さんが提唱するカイロ健康法だ。

「病名のつかない不調は、身体からの小さなSOS。放っておけば病気に進行するおそれもあり、見逃してはいけません。“カイロ健康法”は、カイロでツボをやさしく温め、身体の巡りを整えることで不調の改善が期待できます」(久保さん、以下同)

 そもそも、なぜ温めるとよいのか。

「東洋医学では、頭から足の先まで“経絡(けいらく)”という道が張り巡らされていると考えられています。その経絡には、私たちが生きていく上で必要な3つの要素、気のエネルギー、血の栄養、水の身体の水分が巡っていて、全身の内臓へ届けられています。

 痛みや不調は、この経絡の流れが加齢や疲れなどで滞ることが原因とされています。そこで経絡の上に点在するツボに熱刺激を加えることで、経絡の流れが促されて滞りが解消されるという仕組みです。そのうちの5つのツボを紹介します。

 15~60分間、カイロを貼れば十分効果が出ますし、貼るタイプが苦手な人は、1~5分ほど押しつけるように当てることでもOKです。おすすめは電子レンジで温める小豆カイロ。じんわりとした温かさで、繰り返し使えるためコスパも抜群」

 ツボへの熱刺激には鍼(はり)や灸(きゅう)が一般的だが、カイロを使う理由は?

「ツボは位置の特定が難しく、また鍼や灸は高温で刺激も強いので自分で行うのは難しいんです。カイロなら広範囲が温まるのでツボに当たりやすく、温度も45~50度と肌の弱い人でも安心。危険な火を使う必要もありませんので、誰でも自宅で気軽に実践できます」

 また、医師の鈴木慎太郎先生によると、カイロの適度な温かさは皮膚から脳に刺激として届き、副交感神経を優位にしてくれるため、リラックス効果も高いとのこと。

しかし、長時間当てるのはNG。就寝中の使用は低温やけどの危険性があるので厳禁。使うときは肌に直接貼るのではなく、衣類の上からにしましょう。また、運動直後や発熱時の体温上昇時は、脱水や体調悪化のリスクがあるので避けましょう

5つのツボでカイロ健康法

肩こり

 肩こりは肩だけでなく、首や腕を含む筋肉・筋膜の緊張で起こる。手三里(てさんり)を温めると前腕の筋肉のこわばりが緩み、それに連動して首横の筋肉や頸部の緊張もやわらぐ。結果、肩付近の血流がよくなり肩こりがラクになることがある。

「肩こり」に効くカイロ健康法 イラスト/さのふうか

「手三里」
 手三里は、ひじを軽く曲げたときにできるしわの外側の端から、手首に向かって指3本分下にあるツボ。前腕の外側中央付近に位置し、指で押すと心地よい響きや軽い痛みを感じやすい場所。

《Point》右肩が痛い時は右腕のみ、左肩が痛い時は左腕のみ温めればOK。左右差がない時は両方を温めて。

腰痛

 腰痛は、背中からふくらはぎを経て足裏までつながる筋膜のこわばり、身体の背面を流れる膀胱(ぼうこう)経の流れが悪くなることが原因のことも。承筋(しょうきん)を温めるとふくらはぎの筋肉が緩み、連動する腰への引っ張りが軽減。腰の緊張が解け、血流が促されることで痛みがよくなる。

「腰痛」に効くカイロ健康法 イラスト/さのふうか

「承筋」
 承筋は、ひざ裏と足首の中間あたりにあるツボ。ふくらはぎの中央で、つま先立ちをしたときに盛り上がる筋肉の最も高い位置にあたる。

《Point》右側が痛い時は右足のみ、左側が痛い時は左足のみ。左右差がなければ両方を温めて。

便秘

 便秘は大腸の動きが鈍ることで起こりやすく、腹部の張りや重さ、不快感を伴うことが多い。左大横(だいおう)は結腸に対応するツボで、温めたり刺激することで腸の蠕動(ぜんどう)や血流が促され、自然な排便を助ける場合がある。

「便秘」に効くカイロ健康法 イラスト/さのふうか

「左大横」
 左大横は、結腸に折れ曲がるカーブの部分。便がたまりやすいポイント。へそと同じ高さでへそから指6本分外側にある腹部のツボ。身体の左側、ウエストの内側あたりに位置している。

《Point》カイロを貼った状態で軽く指先で押し、上下に揺らすようにマッサージするのも効果的。

めまい、更年期障害にも効く

めまい

 めまいは自律神経の乱れや血流低下の影響で起こることが多い。足裏の湧泉(ゆうせん)は全身の巡りや緊張調整に関わるツボで、温めて刺激すると下半身の血流を促進。身体の重心が安定し、立ちくらみなどのめまいの症状が和らぐ場合がある。

「めまい」に効くカイロ健康法 イラスト/さのふうか

「湧泉」
 湧泉は、足の裏にあるツボで、足の指を曲げたときにできるくぼみの中央に位置する。かかとと足指の付け根を結ぶ線のやや指寄り、土踏まずの少し上にあたる場所。

《Point》耳鳴りを併発していて人混みでめまいが悪化する人、腰痛や夜間の頻尿がある人にも有効。へそから指4本分下を同時に温めるのもおすすめ。

更年期障害

 更年期障害はホルモンバランスの変化により自律神経が乱れることで起こりやすい。命門(めいもん)は腰部にあるツボで、温めたり刺激することで血流や身体の巡りが整い、冷え、疲労感などの緩和に。

「更年期障害」に効くカイロ健康法 イラスト/さのふうか

「命門」
 命門は、へその真裏にあたる背中側のツボ。背骨の中央に位置する。腰の最もくびれる高さ付近にある。

《Point》日常生活でも、階段を使って足腰を鍛える、下半身を冷やさない。三陰交(内くるぶしから指4本分上)を左右温めるのもおすすめ。

教えてくれたのは……

鍼灸師。クボ鍼灸院代表。30歳で東洋医学専門の鍼灸院を開業。SNS総フォロワー16万人、雑誌やメディアなど多数出演。

久保和也さん●鍼灸師。クボ鍼灸院代表。30歳で東洋医学専門の鍼灸院を開業。SNS総フォロワー16万人、雑誌やメディアなど多数出演。著書に『痛みと不調がみるみる改善 あてるだけカイロ健康法』(あさ出版)などがある。

鈴木慎太郎先生●医師。昭和医科大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科学部門准教授。専門分野は、ぜんそくや食物アレルギー、呼吸器内科など。

久保先生の著書『痛みと不調がみるみる改善 あてるだけカイロ健康法』(あさ出版)※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

取材・文/井上真規子