1枚でも重ねても着られるロングTシャツ(以下、ロンT)は、季節の変わり目にも便利なアイテム。でもそのまま着るだけでは、ただの部屋着に見えがちなのが難点……。
「ポイントは重ね方。工夫しだいで外出着としても通用する、今っぽい大人の着こなしが完成します」とアドバイスするのは、人気スタイリストの大沢早苗さん。
ロンTを、春の主役に引き上げるヒントをご紹介します。
レイヤードテクで春のおしゃれを更新!
「春本番。分厚いコートを脱いだら、ロンTを使った『重ね着』を楽しみませんか」
そう提案するのは、人気スタイリストの大沢早苗さん。
「薄手のニットやスウェットは、1枚だとどうしても平凡な印象になりがち。でも、内側にロンTを重ねて、首元や袖、裾からチラッとのぞかせれば、着こなしにメリハリと奥行きが出て、格段におしゃれ度がアップします」(大沢さん、以下同)
“こなれ感”を出すポイントは、チラ見せのさじ加減とのこと。
「襟や裾は、出しすぎるとカジュアル色が強くなり、だらしなく見えてしまうことも。折り返し幅の1cm前後が、最も洗練されて見えるベストバランスです。ただ、裾がラウンドしているものや、スリット入りは見せることを前提に作られており、長めに出しても決まるので、うまく活用しましょう」
では、大人世代が選ぶべきサイズ感は?
「中高年世代は、身体のラインを拾うピタピタサイズや、太って見えがちな極端なオーバーサイズは避けるのが無難。Tシャツの中に手のひらが入るくらいの『程よいゆとり』があると、肉感を拾わずスッキリきれいに見えます」
色は、どんな色とも合わせやすい「白」がイチ押しなのだそう。
「白を少しのぞかせるだけで、レフ板効果で顔周りがパッと明るくなります。さらに、赤や緑といった『1枚で着るには派手かも?』と抵抗を感じるトップスも、白を挟むことで色の強さが和らぎ、驚くほど肌になじみやすくなります」
色違いのロンTを使い分ける上級テクニックも教えてくれました。
「白をベースに、トレンドカラーを2色そろえると便利。インナーとアウターの組み合わせを変えるだけで、6通りもの着こなしが楽しめます。今春なら、中間色のモカ(ブラウン)やブルー、チャレンジ色の赤やイエローがオススメ。流行のオールホワイトコーデに、鮮やかなブルーのロンTをチラリと効かせるのも素敵です」
ミドル世代がおしゃれに着こなすには、小物使いにも工夫を。
「Tシャツ素材はカジュアルな印象が強いので、大ぶりのアクセサリーを合わせたり、重ねづけをしたりして華やかさをプラスするのを忘れずに。このひと手間で、部屋着感を払拭できます」
手持ちの服を生かしながら、旬の表情に変えてくれるロンTの重ね着。白をベースに数色そろえるだけで、コーディネートの幅がグッと豊かになります。新しい重ね着スタイルで、自分らしい春の装いを楽しんでみましょ!
「ロンTレイヤード」コーデの基本
Basic(1)「スウェットと合わせるならアクセサリーは多めに」
カジュアルなスウェットは、一歩間違うと部屋着感が……。
下にロンTをレイヤードするだけでこなれ感が出ますが、さらにアクセサリーを合わせるとあか抜けます。ゴールドやパールなど、素材の異なるネックレスを重ねづけすると、顔周りが華やかになって一気に大人仕様に。
Basic(2)「同じロンTを色違いで重ねてもOK」
色違いのロンTを重ねるだけで、奥行きのある上級者スタイルに。
1枚で着るには勇気がいる鮮やかな色も、ボトムと同色のインナーにすれば洗練された雰囲気に。コントラストの強い配色ではモード系の雰囲気も叶います。品よくまとめるためには、全体の色数を絞るのがポイント。
Basic(3)「ピタピタすぎない、程よいサイズを選ぶ」
オーバー50ともなると、全体的に肉づきがよくなり、たるみも出てくるもの。
少しゆったりした身幅のものを選べば、背中やお腹のラインも自然にカバー。ただし、必要以上に大きいサイズだと、だらしなく見えたり、逆に体形が強調されたりすることもあるので要注意。
ロンTのチラ見せ&小物使いでカジュアルを華やかに格上げ
POINT1「首元のチラ見せは数mm~1cm程度が好バランス。ネックラインによっては無理に引き出さず、自然に見える程度でも」
POINT2「袖口からは1cm~やや長めにロンTを出して、そのままグッとたくし上げる。手首を見せると細見え効果が」
POINT3「裾の出し幅は1~1.5cm前後がベスト。幅はあえて均一にせず、ランダムに見せると、こなれた印象に」
ロンTレイヤードなしだと……
鮮やかなグリーンニットも、1枚ではどこかメリハリに欠け、物足りない印象
ロンTレイヤードテクQ&A
もっとおしゃれに楽しむために!
Q.ロンTレイヤードを春らしく楽しむためには?
A.白のロンTを主役にしたコーデで差をつけて
白のロンTに大判スカーフを巻いてビスチェ風に。上にジャケットを羽織るとクール!
スカーフは多色使いがボトムと合わせやすく、縁が「額縁のデザイン」ならよりスッキリ見え。白のワントーンコーデではインナーと小物の色をそろえるとスタイリッシュな印象に。
Q.色もの同士をレイヤードするときのコツはある?
A.同系色か反対色か……なりたいイメージで選んで
「黄色とベージュ」や「黒とグレー」といった同系色でまとめると、初心者でも失敗せず、品よくなじむ。一方で「黒と赤」「黒とピンク」など、対照的な色同士をぶつけると、一気に都会的でモードな雰囲気を楽しめる。
Q.スタイルアップして見せるコツは?
A.小物をプラスして首元にボリュームを
大ぶりのアクセやスカーフを使い、視線を上に集めるのがコツ。重心が上がることで、スタイルアップ効果が期待できる。
また、「落ち感」のあるトップスの場合、インナーが隠れないように、両サイドを内側から安全ピンで留めて裾を固定して。ウエストの細見え効果も。
Q.ボトムをスカートにして女性らしさを出すには?
A.レイヤードスタイルには「タイトスカート」が正解
トップスの裾を出して着るレイヤードスタイルには、細身のタイトスカートがベスト相性。縦のラインが強調され、全身がスッキリきれいにまとまる。逆に、ボリュームのあるギャザーやプリーツスカートを合わせると、上下共に膨らんで見えてしまうので、避けるのが無難。
スタイリスト・大沢さんオススメのロンT
使い勝手のいいベーシックなものと、デザイン性に富んだタイプを厳選。
Re:EDIT[リエディ]
女性に人気のファッション通販サイト。袖やデコルテの工夫など、ひねりのきいた旬のデザインが手頃な価格でそろう。[HP:https://reedit.jp/]
PETIT BATEAU[プチバトー]
フランスの国民的ブランド、プチバトーの製品は、優しい着心地と安心の素材が特長。シンプルで上品なデザインも魅力。オススメは定番の春カラー、ピンク。クルーネック長袖Tシャツ6600円
※特に表記のないものはすべてスタイリスト私物です。価格は税込み表記です
モデル&教えてくれたのは……大沢早苗さん●スタイリスト歴約30年。ファッション誌やライフスタイル誌などで活躍するほか、個人向けのパーソナルスタイリストとして、買い物同行やクローゼットカウンセリングなども行う。[Instagram:@sa_na237]
撮影/廣瀬靖士 スタイリング/大沢早苗 取材・文/荒木睦美

