学校の正門前で顧問の田村教諭と。頼りがいのある副部長だった
学校の正門前で顧問の田村教諭と。頼りがいのある副部長だった
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水泳部でやり抜いた

 水泳部顧問の田村亜希子教諭は、「後輩にアドバイスしたり、練習メニューを作成するなどバリバリ、リーダーシップを発揮してくれて助かりました」と感謝しきり。

 高田高は毎年、神奈川・相模原市で震災の年から続く復興イベント「チャリティースイム・イン・さがみはら」に参加する。プールが使えなくなった被災地のスイマーを支援する目的で始まり、有料の参加者を募って、その収益で被災地の高校生を招待してくれる。釜石高、大船渡高と参加した昨年、菅原さんは高田高代表として挨拶に立った。

 津波で祖父(80)を亡くした菅原さんは、「震災後、伝えたいことはしっかり言葉で伝えることにしている。この場でもみなさんに感謝を伝えたい」と述べた。

 祖父に伝えたいことは何だったのか。

「両親は共働きで、小学校に上がってからは、じいちゃんが面倒をみてくれた。学校への遠い道のりを送り迎えしてくれた。買ってもらった文房具はいまも大切にしています。伝えたかったのは、面倒をみてくれてありがとうってことと、遺体の顔を見れなかったので最後に会えなくてごめんねっていうことを……。はい」

 と目を腫らして言った。

 4月から東京の私立大学で英語を学ぶ。将来は英語教師を目指し、お芝居にも興味がある。故郷を発つ前に、じいちゃんに卒業報告する。

「水泳部でやり抜いたし、春からは東京で頑張るよ」