私の肌感なのですが、こうした買い食いに関する悩みは、おそらく精神的なものが6割を占めています。その食欲にはかなりの衝動性があり、強すぎる方は、電車を1本遅らせて遠回りしてでも、お目当てのものを探して「食べる」を達成します。こうした症状が出るのは、満足感の問題ではなく、どうやら「達成感」が快感になっているようです。

 仕事から解放され自由になると、今までかかっていたストレスをどうにか取り除きたくて買い食いを行うのでしょう。イライラしたときに甘いものを食べたくなるのと一緒ですね。

買い食いのループから抜け出すには

 でも、この仕事帰りの買い食い、ちょっと変わった特性があります。それは「こっそり食べることによる快感である」ということです。

 堂々と食べればいいものの、なぜか公園でちょっと立ち寄って見られないように食べたり、暗い夜道で人に見られないようにこそこそ食べたりしたがるのです。食べるということ自体がそもそも快感ですから、それと同時に人に見つからずに食べられた、ということが、その人の達成感として快感になるのかもしれません。

 やめられない買い食いの苦しみから抜け出すためには、これまでお伝えしてきた「食事瞑想」のステップを踏むこと。

(詳しくはこちら→「「よく噛めば満腹になる」の落とし穴。太る食べグセ、原因は「舌」にあり!」

 そして、「この衝動は、食欲の問題ではない。単にストレスを発散したくて、達成感を得たくて、食べたくなっているだけなのだ」と、自分自身に言い聞かせることです。

 心のうちで、客観的に事実を説明すると、食欲に紛れて見えなくなっていた本質に気づくからでしょうか。

「自分はそれほどまでに仕事でストレスを抱えているのか」とショックを受けつつも、仕事のストレスをできるだけ軽減しようと、かえって意欲的になり、食欲も徐々に落ち着いていくのです。